ワード:「就業規則」

出来高払制(歩合給制)の「通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額」及び割増賃金はどのように計算すればいいですか?

 出来高払制(歩合給制)の通常の労働時間の賃金の時間単価は、当該賃金計算期間において出来高払制によって計算された賃金の総額を、当該賃金計算期間における総労働時間数で除した金額となります(労働基準法施行規則19条1項6号)。
 出来高払制(歩合給制)の時間外・休日割増賃金の時間単価について、労働基準法37条は、時間外・休日労働時間に対する時間当たりの通常の労働時間の賃金部分は、既に基礎……

祝日や週休2日のうちの1日に労働した場合、割増賃金はどうなりますか?

 労働基準法35条1項は、使用者は労働者に対し、毎週少なくとも1回の休日を与えなえればならないと規定しています(ただし、同条2項により4週を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用されません。)が、労働基準法上、労働者に与えるべき法定休日よりも多く設けられた法定休日以外の休日(法定外休日)については、労働基準法上の休日(法定休日)には該当しませんので、休日割増賃金を支払う必要はありません。<……

退職後の社員に対する競業避止義務の有効性はどのように判断されますか?

[toc] 退職後の競業避止義務の設定方法  退職後についても競業避止義務を負わせたい場合、退職時に個別に合意したり、就業規則に定めておくという方法が考えられます。もっとも、合意があったとしても、その効力は必要かつ合理的な範囲でのみ有効と考えられており、具体的には、①競業禁止の期間と地域、②禁止される業務の範囲、③禁止対象者の地位・役職、④代償措置の4つの要素から総合的に判断されています 競……

就業規則に配転規程はあるが労働条件通知書に記載がない場合、配転命令はできるのか?【会社経営者向け】

[toc] 1. 配転命令の基本的な法的考え方  配転命令とは、労働者の職種や勤務場所を変更する人事命令をいいます。会社経営者にとっては、業務の円滑な遂行や人材配置の最適化のために重要な人事権の一つですが、無制限に行使できるものではありません。  一般に、労働契約において勤務場所や職種を限定する個別の合意がない場合には、使用者は就業規則等を根拠として、業務上の必要性に基づき配転命令を行うこと……

就業規則に定年の定めがない場合、60歳超の正社員に辞めてもらうことはできるのか?【会社経営者向け】

[toc] 1. 就業規則に定年の定めがない場合の基本的な考え方  就業規則に定年の定めがない場合、期間の定めのない労働契約を締結している労働者は、原則として年齢を理由に当然に退職することはありません。60歳を超えたという理由だけで雇用関係を終了させることはできず、会社経営者としては慎重な対応が求められます。  このようなケースでは、労働者は引き続き無期労働契約の下で就労する地位を有しており……

賃金を変更する方法にはどのようなものがあるのか?適法に進めるための実務ポイント【会社経営者向け】

[toc] 1. 賃金の変更方法の全体像  労働者の賃金を変更することは、会社経営者にとって経営判断と労務管理の両面から慎重な対応が求められる重要な問題です。賃金は労働条件の中核をなすものであるため、その変更方法を誤ると、賃金請求や労使紛争に発展するおそれがあります。  賃金を変更する方法としては、大きく分けて、就業規則や労働協約といった集団的なルールを変更する方法と、個別の労働者との合意や……

就業規則の不利益変更が有効とされた裁判例|成果主義賃金制度への変更の合理性

[toc] 1. 事案の概要と問題点  本件は、会社が年功序列型の賃金制度から成果主義賃金制度へ移行するため、給与規程(就業規則)を変更したことの有効性が争われた事案です。変更の結果、評価や成果次第では従前より賃金が下がる労働者が生じる可能性があり、労働者側は「就業規則の不利益変更に当たり無効である」と主張しました。  問題となったのは、就業規則の不利益変更が許されるかどうか、すなわち変更に……

研修や会社行事の時間は労働時間になるのか|会社経営者が判断を誤りやすいポイント

[toc] 1.研修・会社行事の時間が問題になりやすい理由  研修や会社行事の時間は、会社経営者にとって「業務の延長なのか」「任意参加なのか」が曖昧になりやすく、労働時間該当性を巡ってトラブルが生じやすい分野です。特に、所定労働時間外や休日に実施される場合、残業代や休日割増賃金の支払義務が問題となります。  多くの会社では、研修や会社行事を「人材育成の一環」「社内コミュニケーションのためのイ……

作業の準備・後片付けの時間は労働時間になるのか|会社経営者が知っておくべき判断基準

[toc] 1.作業準備・後片付け時間の労働時間該当性の基本的考え方  作業の準備や後片付けの時間が労基法上の労働時間に当たるかどうかは、その行為が使用者の指揮命令下に置かれていたかという観点から判断されます。実際に生産行為そのものを行っている時間に限られず、付随的な行為であっても、一定の場合には労働時間に含まれる点に注意が必要です。  特に重要なのは、当該準備行為や後片付けが、業務を行うた……

年休中に労働組合加入を勧誘する社員を懲戒処分できるのか|会社経営者が押さえる判断基準

[toc] 1.年次有給休暇の取得目的と会社の関与限界  年次有給休暇は、労働基準法に基づき労働者に保障された権利であり、その取得目的について会社経営者が干渉することはできません。年休を取得する理由が私的な用事であっても、自己研鑽であっても、あるいは労働組合に関する活動であっても、その点だけを理由に問題視することは許されていません。  会社経営者の中には、「事業所内で組合活動をされるのは困る……

労働者と合意して賃金減額をする場合のポイントを教えて下さい。

[toc] 1. 労働者との合意による賃金減額が問題となる場面  賃金減額を検討する場面として、会社経営者がまず思い浮かべるのは、労働協約や就業規則の変更による対応かもしれません。しかし、実務上は、「特定の労働者と個別に話し合い、合意のうえで賃金を減額したい」というケースも少なくありません。  例えば、業績悪化への対応として一時的な賃金調整を行いたい場合や、職務内容や役割の変更に伴い賃金水準……

労働協約に基づいて賃金を減額する場合のポイント ― 会社経営者が押さえるべき適用範囲と注意点 ―

[toc] 1. 労働協約による賃金減額が問題となる場面  賃金の減額は、会社経営者にとって最も慎重な判断が求められるテーマの一つです。特に、業績悪化や人件費構造の見直しを背景として、「労働協約に基づいて賃金を減額できないか」と検討する場面は、実務上少なくありません。  賃金は労働条件の中でも中核的な要素であり、原則として、会社が一方的に引き下げることはできません。そのため、賃金減額を行う場……

懲戒処分として減給する際のポイントを教えて下さい。

 懲戒処分として減給をするためには、周知された就業規則に懲戒事由及び懲戒処分の手段として減給の定めを置いておくことが必要です。
 その上で、使用者は当該労働者が懲戒事由に該当する行為をしたか調査します。事実調査の際は、メールや書面等の客観的な証拠を残しつつ行うことが重要です。
 調査の結果、懲戒事由に該当する事実が認められ、かつ、懲戒処分の手段として減給が適切であると判……

リハビリ出社とはどういうものですか?

 リハビリ出社とは、休職していた労働者が、休職期間中または復職後に出社して休職前より軽易な業務を行うことをいいます。メンタルヘルスなど、労働者の休職事由が回復しているのか一見して分かり難い場合に、いきなり休職前の業務に就かせるのではなく、心身を業務に慣らす期間を設け、復職の可否を判断したり、労働者の再休職を防ぐことを目的としています。
 リハビリ出社は、法律上の根拠がなく、使用者と労……

就業規則の変更により賃金を減額できるのはどのような場合ですか?

[toc] 1. 労働契約法10条の規定  労働契約法10条は、就業規則の変更について以下のとおり規定しており、就業規則の変更による労働条件の内容の変更の要件として、実体的要件としての合理性、及び手続的要件としての周知性が必要であるとしています。 労働契約法10条
 使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規……

職能資格制度上の資格や職務等級制度上の等級を引き下げる場合の注意点を教えて下さい。

 職能資格制度上の資格や職務等級制度上の等級を引き下げる降格は、賃金の減額を伴いますので、労働条件を不利益に変更する権限行使です。労働条件を不利益に変更するような人事権を行使するためには、労働者に人事権が行使されることを予測できるように明確な根拠規定を設けることが必要です。
 裁判例では、職能資格制度上の降格を実施するためには、就業規則の職能資格制度等において降格、降級の可能性が予定……

降格をするには就業規則上の根拠が必要ですか。

[toc] 1.懲戒処分としての降格  懲戒処分としての降格をするためには、懲戒処分の該当事由と、懲戒処分の種類として降格があることを就業規則に定めた上で、就業規則を周知させておく必要があります。 2.人事権による役職・職位の降格  人事権による役職・職位の降格は、使用者の裁量的判断により行うことができますので、就業規則上の根拠は不要ですが、相当な理由のない降格は人事権の濫用として無効にな……

降格にはどのようなものがありますか?

 降格について法律上の定義はありませんが、一般的には、懲戒処分としての降格と、業務命令としての降格に分類されます。
 懲戒処分としての降格は、懲戒処分に対する法規制を受け、その要件と効果について就業規則で定められていることが必要です。
 業務命令としての降格は、人事権の行使として行われるものですから、就業規則の根拠は必ずしも必要とせず、使用者が業務命令や人事に関して有す……

就業規則に規定がなくても出張を命じることはできますか。

 出張とは、通常の就労場所を一時的に離れ、使用者が指定した場所で業務に従事することをいいます。出張は、早期に通常の就労場所に戻ることが前提となりますので、転勤や出向とは異なり、労働条件が変更されるわけではありません。労働条件に変更がない以上、出張命令は単なる労務提供方法の指示に過ぎませんので、就業規則に規定がなくても、一般的な業務命令として労働者に出張を命じることができます。  裁判例でも「出張……

有期労働契約において、更新回数や雇用の通算期間を就業規則等で定めておけば,継続雇用の合理的期待はないといえますよね?

 就業規則等で更新回数や雇用の通算期間を定めただけでは、継続雇用の合理的期待(労契法19条2号)がないとはいえません。なぜなら、合理的期待の有無は、就業規則の定めの他に、業務の内容(労働者が従事する業務が一時的、季節的なものではなく、常に存在するようなものか等)、当事者の態度・言動(使用者が更新に関して期待させるような発言をしたか等)、更新の手続(長期間にわたって更新が繰り返されていたか、更新手続……