ワード:「就業規則」

作業の準備・後片付けの時間は労働時間になりますか。

この記事の結論 1 義務付けだけでなく余儀なくされた場合も労働時間になる 業務の準備行為等を使用者から義務付けられ、又はこれを余儀なくされたときは、特段の事情のない限り指揮命令下に置かれたものと評価できます(三菱重工業長崎造船所事件、最高裁)。 2 義務がなく任意性のある行為は労働時間に当たらない 義務付けられておらず、行わなくて……

年次有給休暇中に組合加入を勧誘したことを理由に、懲戒処分をすることはできますか。

この記事の結論 1 年休の取得目的だけを理由とする懲戒処分はできない 年次有給休暇の取得目的について会社が干渉することはできません(労基法39条)。「年休中に組合加入を勧誘していた」という事実だけを根拠に懲戒処分を行うことはできず、これを理由とした不利益取扱いは不当労働行為(労組法7条)に当たり得ます。 2 業務妨害に当たる場合は処……

合意によって賃金を減額する場合、どのような要件を満たせば有効ですか。

この記事の結論 1 労契法8条で可能だが就業規則の最低基準を下回れば無効 労契法8条により合意による賃金変更は可能ですが、就業規則の最低基準効(労契法12条)との関係で、就業規則の賃金水準を下回る合意は無効となります。事前に就業規則との整合性を確認する必要があります。 2 署名・押印だけでなく自由な意思による同意が必要 最高裁は、……

労働協約に基づいて賃金を減額する場合、どのような要件と注意点がありますか。

この記事の結論 1 労働協約の効力は原則として組合員にのみ及ぶ 労働条件の基準を定めた労働協約に反する個別の労働契約部分は無効となり、協約の基準が適用されます(労組法16条)。ただし、この効力は原則として締結した労働組合の組合員にのみ及びます。 2 4分の3要件を満たせば非組合員にも一般的拘束力が及ぶ 同種業務に従事する労働者の4……

懲戒処分として減給を行う場合、要件と上限額はどのようになりますか。

この記事の結論 1 就業規則の規定と懲戒権濫用法理の充足が前提となる 減給を行うには、就業規則に懲戒事由と懲戒処分の種類として「減給」が明記されていることが必要です(労基法89条)。客観的合理的理由がなく社会通念上相当と認められない場合には懲戒権の濫用として無効となります(労契法15条)。 2 1回の減給は平均賃金半日分、月の総額は……

リハビリ出社の法的位置付けと賃金の取扱いはどのようになりますか。

この記事の結論 1 法律上の直接根拠はなく合意・規定に基づく任意の制度 リハビリ出社は、使用者と従業員の個別合意または就業規則の定めに基づいて実施されるものであり、労働基準法等の法律上に直接根拠規定があるわけではありません。 2 実質的な労務提供と判断されれば賃金支払義務が生じる 賃金は原則として合意で自由に定められ無給とすること……

就業規則の変更によって賃金を減額することができるのは、どのような場合ですか。

この記事の結論 1 周知と合理性の2要件を満たせば効力を持つ 労契法10条により、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ変更が合理的なものであるときは、変更後の就業規則の内容が労働契約の内容となります。賃金の減額は不利益変更にあたるため、特に厳格な合理性審査を受けます。 2 変更は賃金減額の実施に先立って行う必要がある 既に発生……

職能資格制度上の資格や職務等級制度上の等級を引き下げる場合の注意点を教えてください。

この記事の結論 1 賃金減額を伴う不利益変更のため明確な根拠規定が必要 職能資格・等級を引き下げる降格は賃金の減額を伴う労働条件の不利益変更であるため、労働者が人事権の行使を予測できるように明確な根拠規定を就業規則に設ける必要があります。 2 職能資格制度等に降格・降級の可能性の明記が必要 職能資格制度上の降格を実施するには、就業……

降格をするには就業規則上の根拠が必要ですか。

この記事の結論 1 降格の種類によって就業規則上の根拠の要否が異なる 降格は4つの類型(懲戒処分としての降格、人事権による役職・職位の降格、職能資格の引下げ、職務・役割等級の引下げ)に分けられ、それぞれ就業規則上の根拠の要否が異なります。 2 職能資格の引下げは根拠規定が必須、他は原則不要 職能資格制度上の資格・等級は本来引下げが……

降格にはどのようなものがありますか。

 降格について法律上の定義はありませんが、一般的には、懲戒処分としての降格と、業務命令としての降格に分類されます。
 懲戒処分としての降格は、懲戒処分に対する法規制を受け、その要件と効果について就業規則で定められていることが必要です。
 業務命令としての降格は、人事権の行使として行われるものですから、就業規則の根拠は必ずしも必要とせず、使用者が業務命令や人事に関して有す……

就業規則に規定がなくても出張を命じることはできますか。

この記事の結論 1 出張は労働条件を変更しないため就業規則の根拠は不要 出張は、早期に通常の就労場所に戻ることが前提となり、転勤や出向とは異なり労働条件が変更されるわけではないため、就業規則に規定がなくても、一般的な業務命令として労働者に出張を命じることができます。 2 労務指揮権の範囲内として裁判例も肯定している 「出張命令は、……

有期労働契約において、更新回数や雇用の通算期間を就業規則等で定めておけば、継続雇用の合理的期待はないといえますよね。

この記事の結論 1 規定を定めただけでは合理的期待は否定されない 就業規則等で更新回数や雇用の通算期間を定めただけでは、継続雇用の合理的期待(労契法19条2号)がないとはいえません。業務内容、当事者の言動、更新手続の実態等の事情を総合考慮して個別具体的に判断する必要があります。 2 複数の対応を組み合わせることが重要 規定の整備に……

割増賃金の割増率を教えてください。

この記事の結論 1 時間外は2割5分以上、月60時間超は5割以上 1日8時間または週40時間を超える労働には2割5分以上の割増賃金が必要です。1か月の時間外労働が60時間を超えた場合は、その超えた時間について5割以上の割増賃金が必要です。 2 法定休日は3割5分以上、深夜は2割5分以上 法定休日労働は3割5分以上、深夜(午後10時……

競業避止義務に反した労働者の退職金を減額する就業規則の規定は有効ですか。

この記事の結論 1 功労報償的性格から減額規定には合理性がある 退職金には賃金後払いの側面だけでなく功労報償的な側面があり、競業行為は使用者を情報流出等のリスクにさらす信頼関係破壊行為といえるため、退職金を一部減額する規定には合理性があり有効と考えます。 2 同業他社への就職を理由とする半額規定を有効とした判例がある 判例は、退職……

労働者がインフルエンザに感染した場合の対応方法を教えてください。

この記事の結論 1 使用者には就業禁止義務がある 使用者は、インフルエンザを含む伝染病に感染した労働者の就業を禁止しなければならず(労働安全衛生法68条)、労働者は法律上病原体がなくなるまでの一定期間就業制限を受けます。 2 就業禁止期間は無給、休業手当も不要 就業禁止期間は労働者側の原因で労務提供できていないため、賃金の支払いは……

就業規則に「懲戒解雇の場合、退職金は不支給とする。」と定めておけば、懲戒解雇する労働者に退職金を支給しなくてもよいですか。

この記事の結論 1 規定があるだけでは不支給にできない 退職金には賃金の後払いという側面があるため、就業規則で不支給規定を定めていても、労働者が積み上げてきた労務提供に対する対価が否定されるような事情がなければ、不支給にすることはできません。 2 永年の勤続の功を抹消するほどの重大な不信行為が必要 裁判例では「永年の勤続の功を抹消……

従業員が10人未満の場合に就業規則を作成する必要はありますか。

 常時働いている労働者が10人未満であれば、労基法上、使用者は就業規則作成義務を負いませんので、就業規則を作成・届出をしなくても労基法違反にはなりません。
 しかし、懲戒処分をするためには就業規則に規定を設けて周知させる必要がありますし、就業規則に労働時間や賃金等の労働条件を画一的、統一的に定めることができますので、労働者が10人未満の会社であっても就業規則を作成することをお勧めしま……

時間外労働をさせる場合に必要な規定を教えてください。

この記事の結論 1 36協定は免罰的効果を与えるにすぎない 36協定は、使用者が労基法上罰せられないという免罰的効果を与えるに過ぎませんので、使用者が個々の労働者に時間外・休日労働義務を生じさせるためには、労働契約上、義務を生じさせる根拠が別途必要です。 2 就業規則に業務命令の根拠規定を設ける必要がある 就業規則に「使用者は、業……

兼業・副業が発覚した労働者を懲戒処分することはできますか。

この記事の結論 1 兼業・副業自体は懲戒処分の対象にならないのが原則 兼業・副業は、労働時間外の私生活上の行為ですので、労働契約における規律・秩序を保持するための制裁である懲戒処分の対象とはならないのが原則です。 2 一定の弊害があれば注意指導を経て懲戒処分を検討する 無許可兼業、頻繁な欠勤、業務への支障、競業会社の役員就任等の場……

所持品検査拒否を理由とする懲戒処分の有効性の判断基準を教えてください。

この記事の結論 1 4つの要素で総合的に判断される 所持品検査拒否を理由とする懲戒処分の有効性は、①検査を必要とする合理的な理由、②妥当な方法・程度、③画一的な実施、④就業規則等の明示の根拠を基準に判断されます。 2 恣意的・個別的な検査は問題になりやすい 特定の労働者だけを対象にした恣意的な検査や、就業規則の根拠なく行う検査は、……

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