残業代トラブルの対応

残業代を請求された会社経営者の皆様へ

 残業代を請求する内容証明郵便・労働審判申立書・訴状・団体交渉申入書が届いた場合は、お早めにご相談ください。残業代トラブルは「ターゲットにされやすい分野」であり、放置すると大きなリスクになります。

 弁護士法人四谷麹町法律事務所は、会社側・経営者側に特化した法律事務所です。残業代トラブルの予防・解決に全国対応しています。

▼ このページの内容

残業代トラブルについて相談する(会社側・経営者側限定)

1. 残業代トラブルとは──なぜ会社がターゲットにされるのか

 残業代トラブルへの対応は、当事務所の比率の高い業務です。残業代の支払に関し脇が甘い会社が数多く存在し、損害賠償請求などと比較して金銭を獲得しやすいことから、ターゲットにされやすい分野といえます。

 退職した元社員が、弁護士や合同労組の後押しを受けて残業代を請求してくるケースが増えています。請求が来てから対応するのでは遅い場合もあり、日頃からの労働時間管理と賃金制度の整備が重要です。

残業代トラブルが起きやすい会社の特徴

  • タイムカードや出退勤記録の管理が不十分
  • 固定残業代(定額残業代)の制度設計に問題がある
  • 管理職の残業代を支払っていない
  • 営業職などに「みなし労働時間制」を適用しているが要件を満たしていない
  • 退職した社員から未払賃金をまとめて請求される

2. 残業代を請求されたら──まずすべきこと

 残業代を請求する内容証明郵便・労働審判申立書・訴状・団体交渉申入書が届いた場合は、できるだけ早く会社側専門の弁護士に相談してください。

STEP
1

弁護士にすぐ相談する

届いた書類の種類(内容証明・労働審判申立書・訴状など)によって対応期限が異なります。特に労働審判は受領から約1か月以内に答弁書を提出しなければなりません。

STEP
2

タイムカード・賃金台帳を整理する

残業時間の実態を把握するため、タイムカード・出退勤記録・給与明細・賃金台帳を収集・整理してください。

STEP
3

就業規則・労働契約書を確認する

固定残業代の定めがあるか、みなし労働時間制の適用があるか、管理職の扱いはどうかなどを確認します。

STEP
4

弁護士と対応方針を決める

請求額の妥当性・交渉での解決可能性・争う場合のリスク・費用対効果を踏まえて方針を決定します。

⚠ 請求の種類別・対応期限の目安

請求の種類 対応期限の目安
内容証明郵便 特に期限なしだが放置は訴訟リスク。早急に弁護士に相談。
団体交渉申入書 団交に応じるかは速やかに回答(無視すると不当労働行為になるリスク)。要求への具体的反論は1か月以内が目安。
労働審判申立書 受領から約1か月以内に答弁書を提出。最も急ぎの対応が必要。
訴状 第1回口頭弁論期日までに答弁書を提出。早急に弁護士に相談。
是正勧告書(労基署) 指定期日までに対応状況を報告する義務がある。

3. 残業代の計算方法と消滅時効

残業代の基本的な計算式

 残業代(割増賃金)は以下の式で計算されます。

残業代 = 時間単価 × 割増率 × 残業時間数

残業の種類 割増率 備考
時間外労働(法定超) 25%以上 月60時間超は50%以上
休日労働(法定休日) 35%以上 法定休日(週1日)の労働
深夜労働(22時〜5時) 25%以上 他の割増と重複する場合は加算

消滅時効

 残業代の消滅時効は3年です。退職後に数年分をまとめて請求されるケースがあるため注意が必要です。

⚠ 付加金に注意

裁判所は、悪質な残業代不払いと判断した場合、未払額と同額の「付加金」の支払を命じることがあります。これにより実質的な支払額が2倍になるリスクがあります。

4. 定額残業代(固定残業代)

 定額残業代(みなし残業・固定残業代)とは、一定時間分の残業代を手当として又は基本給や手当の一部として支払う制度です。適切に設計されていれば残業代の支払として認められますが、要件を満たさない場合は残業代の支払として認められず、予想外の残業代を支払わされるリスクがあります。

定額残業代が残業代の支払として認められるための主な要件

  • 労働契約上の根拠がある(労働契約書、就業規則などに記載がないと苦しい)
  • 労基法37条の割増賃金とそれ以外の部分が判別できる(過不足の計算ができるか)
  • 定額残業代が時間外労働等の対価としての実質を有している(「残業代請求対策」を重視するあまり、実態と乖離しているとリスクが高まる)

藤田弁護士からひとこと

 私はかつて定額残業代の研究に力を入れていた時期があり、大量の裁判例を比較検討していました。社会保険労務士向け教材や一般向け研修での解説経験も含め、定額残業代の有効性の判断から制度設計まで、実務に裏打ちされたアドバイスを提供しています。

5. よくある質問(Q&A)

Q 残業代を請求する内容証明が届いた。どう対応すればいいですか?

まず弁護士に相談してください。請求額が正当かどうかの確認、タイムカードや賃金台帳の整理、交渉で解決できるかの見極めが必要です。放置すると訴訟・労働審判に発展するリスクがあります。

Q 管理職には残業代を払わなくていいと思っていましたが、請求されました。

残業代の支払が不要となるのは、労働時間・休憩・休日の規制が適用されない「管理監督者」に限られます。単に管理職というだけでは認められません。要件を満たしているか弁護士に確認することをお勧めします。なお、管理監督者であっても、深夜割増賃金の支払は必要です。

Q 固定残業代を設定しているので残業代は払っていると思っていましたが、追加請求されました。

固定残業代が残業代の支払として認められるには適切な制度設計が必要です。労働契約上の根拠を証明する資料がない、割増賃金とそれ以外の部分が判別できない、時間外労働等の対価と評価することができない、などの場合は、残業代の支払として認められず、追加請求が認められることがあります。

Q 退職した社員から3年半分の残業代を請求されました。払わなければなりませんか?

残業代は3年の時効があります。ただし時効が成立しているかどうか、請求額が正当かどうかは個別の事情によります。弁護士に相談の上で対応することをお勧めします。

Q 残業代問題が発覚してしまいました。自主的に支払った方がよいですか?

未払があることが明らかな事案であれば、自主的に支払うことを検討すべきですが、本当に未払があるのか、請求額が正当なものかは問題となり得ます。弁護士と相談の上で対応方針を決めることをお勧めします。

6. 残業代トラブルの予防策

 残業代トラブルは、発生してから対応するよりも、事前に予防策を講じる方がはるかにリスクが低くなります。当事務所では未払残業代が生じないようにするための賃金制度の構築や労働時間管理のコンサルティングも行っています。

残業代トラブルを防ぐための主な対策

  • タイムカード・入退館記録など客観的な労働時間の記録を整備する
  • 必要もないのに残業していないかを確認し無駄な残業をやめさせる
  • 固定残業代(定額残業代)の制度を適法に設計・見直す
  • 就業規則・労働契約書に残業代の取り扱いを明確に記載する
  • 管理職の「管理監督者」該当性を定期的に確認する
  • みなし労働時間制(裁量労働制・事業場外みなし)の適用要件を点検する
  • 月次で残業時間をチェックし、固定残業代を超過する場合は差額を支払う

7. 弁護士法人四谷麹町法律事務所のご案内

 会社側・経営者側に特化した弁護士が、残業代トラブルのご相談から解決まで全力でサポートします。

会社側特化

労働者側は扱わず、一貫して会社・経営者側の立場で対応します。

全国対応

東京・麹町の事務所を拠点に、Zoom・Teamsで全国の経営者をサポートします。

定額残業代の専門知識

定額残業代の研究・研修実績をもとに、制度設計から紛争対応まで対応します。

予防から解決まで

未払残業代が生じないための賃金制度構築・労働時間管理のコンサルティングを数多く行っています。

弁護士法人四谷麹町法律事務所

代表弁護士 藤田 進太郎

〒102-0083 東京都千代田区麹町6丁目2番6 PMO麹町2階

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