労働問題890 職能資格制度上の資格や職務等級制度上の等級を引き下げる場合の注意点を教えて下さい。
職能資格制度上の資格や職務等級制度上の等級を引き下げる降格は、賃金の減額を伴いますので、労働条件を不利益に変更する権限行使です。労働条件を不利益に変更するような人事権を行使するためには、労働者に人事権が行使されることを予測できるように明確な根拠規定を設けることが必要です。
裁判例では、職能資格制度上の降格を実施するためには、就業規則の職能資格制度等において降格、降級の可能性が予定され、使用者にその権限が根拠づけられている必要があるとしたものがあります(アーク証券事件東京地裁平成8年12月11日判決)。
弁護士法人四谷麹町法律事務所
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