ワード:「労働問題」

過去2年分の未払残業代(割増賃金)を支払う場合、現実に支払った日の属する月の給与所得として源泉所得税の計算をすればいいのか、本来支給すべきであった給料日の属するそれぞれの年分の給与所得として処理すればいいのか、教えて下さい。

この記事の要点 ✓ 過去2年分の未払残業代を支払った場合、「本来支給すべきであった給料日」の属するそれぞれの年分の給与所得として処理する 国税庁「No.2509 給与所得の収入金額の収入すべき時期」に基づく処理です ✓ 現実に支払った日の属する月の給与所得として処理すると、200万〜300万円の一括支払では源泉所得税が高額になる……

残業代(割増賃金)の請求を受けている労働審判事件において、付加金の支払を命じられることがありますか。

この記事の要点 ✓ 労働審判は「判決」ではないため、労働審判で付加金の支払を命じられることはない 付加金(労基法114条)は判決で命じられる制度であり、労働審判の性質上、付加金の支払命令は生じません ✓ 労働審判申立書に付加金の請求が記載されていることは珍しくないが、これは除斥期間を遵守するためのものに過ぎない 調停が成立せず……

第一審判決で残業代と付加金の支払を命じられた場合、付加金の支払を免れる方法はありますか

この記事の要点 ✓ 裁判所は、未払残業代(割増賃金)がなければ付加金の支払を命じることができない——第一審判決後も同じ 付加金は「未払残業代の存在」を前提とする制度であることは、第一審判決後の段階でも変わりません ✓ 第一審判決に対して控訴し、未払残業代の全額を弁済した上で控訴審において弁済の事実を主張立証すれば付加金の支払……

残業代請求訴訟の和解額に付加金を加算すべきという主張に応じる必要はありますか

この記事の要点 ✓ 裁判所は未払割増賃金がなければ付加金の支払を命じることができない 付加金は「未払割増賃金の存在」を前提とする制度です(労基法114条) ✓ 和解が成立しなくても、未払割増賃金相当額を源泉徴収した上で支払ってしまえば、未払割増賃金請求の棄却はもちろん付加金の支払命令もできなくなる 訴訟中に任意弁済すること……

付加金の請求期間に制限はありますか。

この記事の要点 ✓ 付加金の請求期間には制限があり、2020年3月31日までの残業代は2年、2020年4月1日以降の残業代は当分の間3年(いずれ5年) 労基法143条2項・114条ただし書に基づきます ✓ 付加金請求の期間制限は「除斥期間」——消滅時効ではないため、内容証明郵便では止まらない 労働者が付加金の支払を受けるた……

残業代(割増賃金)請求訴訟において、支払が命じられる可能性がある付加金の額を教えて下さい。

この記事の要点 ✓ 残業代請求訴訟では付加金の請求もなされるのが通常——未払残業代300万円なら最大300万円の付加金(合計600万円)が命じられる可能性がある 付加金は278番で解説した制度であり、未払残業代と同額が命じられることが多い傾向にあります ✓ 付加金の額は裁判所の裁量による——同額・50%・80%と様々であり、……

判決で付加金(労基法114条)の支払が命じられる可能性があるのは、どのような場合ですか。

この記事の要点 ✓ 付加金(労基法114条)は、解雇予告手当・休業手当・残業代・年次有給休暇取得時の賃金の未払いがある場合に、裁判所が命じることができる制裁的な金銭 未払額と同一額以下の付加金の支払が命じられると、実質的に2倍の支払リスクが生じます ✓ 付加金の対象は4種類に限定——①解雇予告手当(労基法20条)②休業手当(……

残業代(割増賃金)の消滅時効期間を教えて下さい。

この記事の要点 ✓ 2020年3月31日までの給料日に支払われるべき残業代の消滅時効は2年 旧労基法115条に基づく2年の時効が適用されます ✓ 2020年4月1日以降の給料日に支払われるべき残業代の消滅時効は当分の間3年(いずれ5年) 労基法143条3項・115条に基づきます ✓ 内容証明郵便……

残業代(割増賃金)の遅延損害金の利率を教えて下さい。

この記事の要点 ✓ 在職中の残業代の遅延損害金は、営利法人(株式会社等)で年6%、非営利法人(社会福祉法人等)で年5% 賃金支払日の翌日から発生します ✓ 退職後の期間の遅延損害金は、年14.6%という高い利率が適用される可能性がある 民法419条1項・賃金の支払の確保等に関する法律6条1項・同施行令1条に基づきます ……

36協定を届け出ていない場合でも残業代(割増賃金)の支払義務はありますか

この記事の要点 ✓ 36協定を届け出ていない場合でも、使用者は残業代(割増賃金)の支払義務がある 36協定の届出は「刑事罰を避けるための要件」であり、残業代の支払義務とは別問題です ✓ 36協定を届け出ていない状態で時間外・休日労働をさせると、刑事罰(犯罪)と民事責任(残業代請求)の両方が生じる 36協定未届出の状態は、「……

36協定を届け出れば時間外・休日労働を命じることができますか

この記事の要点 ✓ 36協定の締結・届出がなければ、原則として時間外・休日労働を命じることができない 36協定の締結・届出は時間外・休日労働をさせるための「必要条件」です(271番・272番参照) ✓ しかし、36協定の締結・届出だけで直ちに時間外・休日労働を命じることができるわけではなく、労働契約上の根拠も必要 36協定……

6協定の締結・届出の概要|時間外・休日労働の限度時間と特別条項

この記事の要点 ✓ 36協定は締結するだけでは不十分——労基署への届出が効力発生要件 届出をして初めて「時間外・休日労働をさせても労基法32条・35条違反の罪が成立しない」という効果が生じます ✓ 時間外労働の限度時間は1か月45時間・1年間360時間等が原則(1日当たりの限度時間は定められていない) 限度時間を超える特別……

時間外・休日労働をさせても労基法違反にならないためには?36協定の締結・届出

この記事の要点 ✓ 時間外・休日に労働させても労基法違反にならないためには、36協定を締結し労基署長に届け出る必要がある(労基法36条) 36協定の締結・届出なしに時間外・休日労働をさせると、それ自体が労基法32条・35条違反となります ✓ 36協定は「労働者の過半数を代表する者」との書面による合意が必要であり、事業場ごとに……

労基法32条・35条違反で時間外・休日労働をさせた場合の刑事罰とは

この記事の要点 ✓ 労基法32条・35条に違反して時間外・休日に労働させると、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金(労基法119条1号) 会社の社長・管理職個人も刑事罰の対象になり得ます ✓ 法人も両罰規定(労基法121条)により罰金刑の対象となる 使用者個人(社長・管理職)のみならず、法人(会社)も罰金(30万円以下……

残業代計算の基礎となる「深夜労働時間」とは?昼間勤務と夜勤の違いを会社側弁護士が解説

この記事の要点 ✓ 深夜労働時間とは、深夜(22時〜5時)に労働させた時間のことをいう 22時から翌5時の間に労働させた時間が深夜割増賃金(25%以上)の対象となります ✓ 昼間勤務の場合、深夜労働は時間外労働でもあるのが通常であり、時間外割増(25%以上)と深夜割増(25%以上)の双方が発生する 昼間勤務で深夜まで残業し……

休日に出張先へ移動するよう命じた場合、出張先への移動時間を労働時間として取り扱う必要がありますか。

この記事の要点 ✓ 単なる出張先への移動は、業務性がなく使用者の指揮命令下にないため、労基法上の労働時間に該当しない 行政解釈(昭和23年3月17日基発461号・昭和33年2月13日基発90号)の立場です ✓ 物品の監視・配送や人の引率を伴う等、移動自体に業務性がある場合は労働時間として扱う必要がある 移動中に業務上の義務……

代休を取得させた場合に残業代(休日割増賃金)の支払は必要ですか。

この記事の要点 ✓ 代休を取得させた場合でも、休日労働をさせた事実は変わらないため、休日割増賃金の支払は必要 代休を与えることで休日割増賃金の支払義務が消えるわけではありません ✓ 代休日には賃金が支払われないため、代休を与えた場合は100%部分が填補され、35%部分のみ支払えば足りる 休日労働日の賃金(135%)から代休……

休日の振替がなされた場合、残業代(休日割増賃金)の支払が必要ですか。

この記事の要点 ✓ 有効な休日の振替がなされた場合、振替前の休日は通常の労働日となるため、休日割増賃金(35%以上)の支払は不要 有効な振替により「元の休日」は休日でなくなり、「別の日」が休日になります ✓ 休日の振替には、事前に振り替わる休日と労働日を特定することが必要 就業規則等に振替の根拠規定があり、事前に特定するこ……

変形休日制とはどういったものですか。

この記事の要点 ✓ 変形休日制とは、毎週1回の休日付与の原則(労基法35条1項)の例外として、4週間に4日以上の休日を与える制度(労基法35条2項) 「4週4休」とも呼ばれ、業務の繁閑に応じた柔軟な休日設計が可能になります ✓ 変形休日制を採用するには、就業規則等において4週間の起算日を明らかにする必要がある(労基法施行規則……

休日を定めずに毎日働かせ続けた場合、休日労働に対応する残業代(休日割増賃金)を支払う必要はありますか。

この記事の要点 ✓ 労基法35条の「週」は「起算日から計算して7日の期間」を意味し、この7日間が休日付与義務の単位期間になる 休日を就業規則で定めていなくても、労基法上の7日周期は自動的に機能します ✓ 休日を定めずに毎日働かせ続けた場合でも、勤務開始日を起算日として7日目・14日目・21日目…が法定休日となる 「7の倍数……

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