ワード:「労働問題」

管理職からの残業代請求を予防するには、どうすればよいですか。

この記事の要点 ✓ 管理職からの残業代請求を予防するための最も効果的な方法は、①管理監督者とする管理職の範囲を狭く捉えて上級管理職に限定する、②大部分の管理職は最初から管理監督者としては取り扱わずに残業代を満額支給する——の2点 「管理監督者かどうか」の曖昧な判断を避け、残業代を正面から支払うことがリスク管理上も合理的です ✓ 31……

就業規則で管理監督者扱いと定めていても、残業代は必要ですか。

この記事の要点 ✓ 就業規則が労基法に反する場合には、当該反する部分については労働条件にならない(労契法13条) 就業規則の「管理監督者扱い・残業代不支給」規定は、管理監督者の実態がなければ無効となります ✓ 就業規則で管理職を管理監督者扱いとして残業代不支給を規定・周知した場合でも、管理監督者の実態がなければ残業代(時間外・休日割……

管理監督者扱いとすることに個別合意していても、残業代は必要ですか。

この記事の要点 ✓ 労基法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は無効(労基法13条)——個別労働契約による「残業代不支給への同意」も、管理監督者に当たらない場合は無効となる 「同意があるから支払わなくてよい」という考えは法律上認められません ✓ 管理監督者に当たらない場合は、個別労働契約の内容にかかわらず、労基法37条1項……

管理監督者性について、従来と異なる判断基準を用いる見解はありますか。

この記事の要点 ✓ 菅野和夫『労働法 第十版』は「経営者と一体の立場」を企業全体への関与ではなく、担当する組織部分における経営者の「分身」として管理する立場と位置づける見解を示している 従来の行政解釈の「誤解」を指摘し、判断基準の明確化を促した重要な学説です ✓ ゲートウェイ21事件等の近年の裁判例は、管理監督者性の要件を①部門全体……

訴訟では、管理監督者性はどのように判断されますか。

この記事の要点 ✓ 訴訟における管理監督者性は①職務の内容・権限及び責任の程度 ②実際の勤務態様における労働時間の裁量の有無・管理の程度 ③待遇の内容・程度——の3要素の総合考慮で判断される 行政解釈(314番〜323番)と基本的に整合した判断枠組みです ✓ ①②の要素を充足しない場合は、③待遇が相当高くても管理監督者性が否定される……

基発0909001号を参考にする際の留意点は何ですか。

この記事の要点 ✓ 基発第0909001号は「管理監督者性を否定する要素」を整理したものに過ぎず、「否定要素がなければ管理監督者性が肯定される」わけではない 同通達の否定要素チェックをクリアしただけでは管理監督者性を安心して肯定することはできません ✓ 管理監督者性の肯定は、314番〜318番で解説した行政解釈全体(経営者との一体性……

基発0909001号は、賃金等の待遇をどのように見ていますか。

この記事の要点 ✓ 基発第0909001号は「賃金等の待遇」の判断要素として①基本給・役職手当等の優遇措置 ②支払われた賃金の総額 ③時間単価——の3点を示している 321番の「勤務態様」に続く、管理監督者性判断の第3グループの要素です ✓ ①基本給・役職手当等の優遇が、実際の労働時間を勘案すると割増賃金適用除外を考慮しても十分でな……

基発0909001号は、勤務態様をどのように見ていますか。

この記事の要点 ✓ 基発第0909001号は「勤務態様」の判断要素として①遅刻・早退等に関する取扱い ②労働時間に関する裁量 ③部下の勤務態様との相違——の3点を示している 320番の「職務内容・責任と権限」(採用・解雇・人事考課・労働時間管理)に続く、管理監督者性判断の第2グループの要素です ✓ 遅刻・早退等により減給の制裁や人事……

基発0909001号は、職務内容や責任・権限をどのように見ていますか。

この記事の要点 ✓ 基発第0909001号は「職務内容、責任と権限」の判断要素として採用・解雇・人事考課・労働時間の管理の4点を具体的に示している 店舗の労務管理に関する重要な職務として、この4点への実質的な関与が求められます ✓ 4点のいずれにおいても「実質的にない場合」または「実質的にも関与しない場合」は「管理監督者性を否定する……

店舗の店長は、管理監督者に該当しますか。

この記事の要点 ✓ 平成20年9月9日基発第0909001号(多店舗展開の小売業・飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化)という行政解釈が存在する 多店舗展開企業のチェーン店長等における名ばかり管理職問題に対応するために発出された重要な通達です ✓ 店舗の店長等の管理監督者該当性は、職務内容・責任と権限・勤務態様・賃金等の待……

管理監督者性の判断において、待遇はどの段階で考慮されますか。

この記事の要点 ✓ 行政解釈は賃金等の待遇面も「無視し得ない」として管理監督者性の判定において考慮すべき要素の一つとしている 基本給・役付手当・ボーナス等が一般労働者に比べ優遇されているかどうかに留意するとしています ✓ 「一般労働者に比べ優遇措置が講じられているからといって、実態のない役付者が管理監督者に含まれるものではない」——……

管理監督者に当たるかどうかは、役職名で決まりますか。

この記事の要点 ✓ 行政解釈は、「資格及び職位の名称にとらわれることなく、職務内容、責任と権限、勤務態様等に着目する必要がある」として管理監督者の範囲を判断するよう求めている 「部長」「課長」等の資格・職位名称は管理監督者性の判断に直接の関係はありません ✓ 管理監督者性の判断において着目すべき要素は①職務内容、責任と権限 ②勤務態……

管理監督者を労働時間規制から除外する趣旨は何ですか。

この記事の要点 ✓ 行政解釈は、管理監督者への適用除外が認められるのは「労働時間等の規制の枠を超えて活動することが要請されざるを得ない立場にある者」に限ると明示している 「要請されざるを得ない」という必要性の観点が重要です ✓ 適用除外の趣旨として行政解釈が重視するのは、主に①重要な職務と責任 ②現実の勤務態様——の2点 ③待遇に……

管理職は、全員が管理監督者に当たりますか。

この記事の要点 ✓ 行政解釈は、労基法の規制を超えて労働させる場合に割増賃金を支払うことを「すべての労働者に共通する基本原則」としている 管理監督者への適用除外はあくまで「例外」であり、原則は全労働者への割増賃金支払です ✓ 企業が人事管理上等の必要から任命する職制上の役付者であれば、すべてが管理監督者として例外的取扱いが認められる……

行政解釈は、管理監督者をどのように捉えていますか。

この記事の要点 ✓ 行政解釈は、管理監督者を「一般的には、部長、工場長等労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者」と定義している 「経営者と一体的な立場」という概念が管理監督者性の核心です ✓ 管理監督者に当たるかどうかは「名称にとらわれず、実態に即して判断すべき」とされている 「部長」「課長」等の肩書があ……

管理職の残業代支払いの要否は、なぜ判断が難しいのですか。

この記事の要点 ✓ 労基法・施行規則のいずれも「管理監督者」の具体的内容を明確に定めていない 法令上の定義が曖昧であるため、判断の出発点から不確実性がある ✓ 管理監督者性の具体的判断基準を示した最高裁判例が存在しない 最高裁判例がないため、行政解釈と下級審裁判例を分析するほかない ✓ 行政解釈は裁判所……

管理職にも残業代を支払う必要はありますか。

この記事の要点 ✓ 管理職も労基法上の労働者であり、原則として残業代(割増賃金)の支払義務がある 「管理職だから残業代は不要」という考えは誤りです ✓ 労基法41条2号の「管理監督者」に該当する場合に限り、時間外・休日割増賃金の支払義務が免除される 「管理職」という肩書があるだけでは不十分であり、法的な要件(管理監督者性)を満たす……

企画業務型裁量労働制の対象業務にならないのは、どのような業務ですか。

この記事の要点 ✓ 企画業務型裁量労働制の対象業務となり得ない業務の例は6つ——会議の庶務・人事記録等の作成・経理事務・広報誌校正・個別の営業活動・個別の製造作業等 これらは、309番の4要件(特に要件(1)「事業の運営に関する事項」・要件(2)「企画・立案・調査・分析」)を満たしません ✓ 対象業務となり得ない業務の共通特徴は「既……

企画業務型裁量労働制の対象業務となり得る例とは、どのようなものですか。

  この記事の要点 ✓ 企画業務型裁量労働制の対象業務となり得る具体例は、経営企画・組織編成・人事制度・教育研修計画・財務計画・広報企画・営業方針策定・生産計画の8業務 いずれも「調査・分析+計画・立案」という基本パターンを持ちます ✓ 「企画業務型裁量労働制の対象業務となり得る」という表現であり、実際に309番の4……

企画業務型裁量労働制の対象業務とは、どのようなものですか。

この記事の要点 ✓ 企画業務型裁量労働制の対象業務は、4つの要件すべてに該当する必要がある ①事業の運営に関する事項 ②企画・立案・調査・分析の業務 ③大幅な裁量が必要 ④具体的指示なし——の全4要件 ✓ 「事業の運営に関する事項」は企業全体・地域・事業場レベルの事業計画・営業計画等であり、個別の営業活動・個別の製造作業は該当しない……

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