ワード:「労働問題」

労働紛争の初期対応で、会社が誤りやすい点は何ですか。

この記事の要点 ✓ まず「請求に理由があるかどうか」で対応が二分される。全く理由がない場合は不参加の連絡票を提出、それなりの理由がある場合は参加を検討 この判断を誤ると後の訴訟・労働審判において不利な状況が生まれます ✓ 参加する場合は、会社の主張書面を事前提出し、支払可能な解決金の上限を弁護士と協議して事前に決めてからあっせん実施……

あっせん手続を利用して労働紛争を解決するには、どうすればよいですか。

この記事の要点 ✓ あっせんの対象は労働問題に関するあらゆる分野の紛争(募集・採用を除く)。解雇・配置転換・労働条件変更・いじめ・嫌がらせ等、対象範囲が広い 幅広い労働問題が対象となるため、会社経営者として制度を正確に理解しておく必要があります ✓ 手続が迅速・費用不要・非公開・専門家担当。低コストで手軽に利用できるため労働者側に積……

個別労使紛争の解決のために、労働局ではどのようなことを行っていますか。

この記事の要点 ✓ 労働局は個別労使紛争解決のために4つの手段を提供している。①総合労働相談コーナー、②都道府県労働局長による助言・指導、③紛争調整委員会によるあっせん、④労働局雇用均等室の援助と調停 これらは無料・非公開・迅速な解決手段として労働者側に積極的に利用されています ✓ 会社側は①〜④のいずれかの手続が進行していれば、対……

是正勧告を受けた労基法違反についての送検リスクはどれだけありますか。

この記事の要点 ✓ ニュースで報道されるような重大事件や刑事告訴されている事件を除き、是正勧告に対し誠実に対応すれば送検されるリスクは低い 是正勧告を受けたこと自体で直ちに刑事罰のリスクが高まるわけではありません ✓ 起訴されて有罪判決を受けるリスクはさらに低い。日本の労働事件の刑事化率は総じて低く、送検されても不起訴となるケースが……

指導票は是正勧告書とどのように違い、放置するとどのようなリスクがありますか。

この記事の結論 ✓ 是正勧告書との違い:是正勧告は「明確な違反」への命令。指導票は「望ましい運用」への行政指導であり、現時点では即座に違法とはいえないが改善が望ましい事項に関するもの 「違反ではないから問題ない」という発想は危険です ✓ 拘束力はないが放置厳禁:無視し続けると、次回の調査で「悪質」とみなされ、是正勧告や送検等の厳しい……

是正勧告とはどういうものですか。

この記事の要点 ✓ 是正勧告とは、労働基準監督官が事業所調査や臨検(立入検査)をした場合において、労働法令違反に該当する事実を確認した時に行われる行政指導。「違法認定後の改善命令」として理解すべき重大な行政措置 指導票(法令違反ではないが改善が望ましい事項)とは性質が異なります ✓ 是正勧告には法的強制力はないが。対応しない場合は送……

内容証明郵便での請求に対する回答は、内容証明郵便でする必要がありますか。

この記事の要点 ✓ 内容証明郵便での請求が届いても、必ずしも内容証明郵便で回答する必要はない。労働者側に代理人弁護士がいる場合は、回答書を代理人事務所宛FAXすれば足りるのが通常 「内容証明で来たから内容証明で返さなければならない」という誤解をしていませんか ✓ 万全を期すためには、FAX後に電話確認してメモに残すことが望ましい。送……

会社を辞めた社員の代理人弁護士から内容証明郵便が届き、7日以内の回答を求められていますが、繁忙期のため間に合いません。2週間後の回答では遅過ぎますか。

この記事の要点 ✓ 相手方(元従業員の代理人弁護士)が示した回答期限は、必ずしも守る必要はないケースがほとんど——しっかり準備して合理的期間内に回答すれば足りる 「7日以内」という期限に過剰に焦る必要はありません ✓ ただし合理的期間を超えて回答が遅れると、訴訟・労働審判を申し立てられる可能性が高まる——2週間程度であれば合理的期間……

パワハラ・セクハラ問題に関し、実務上の留意点を教えてください。

この記事の要点 ✓ パワハラ・セクハラと言われることを恐れて、必要な業務指導ができなくなることがあってはならない——業務上必要で方法が相当な指導はパワハラではなく、萎縮は組織上の問題を生む 395番の3段階分析と合わせて理解してください ✓ パワハラ・セクハラ事案では会話内容が無断録音されていることが多い——「口頭の発言だから大丈夫……

パワハラ・セクハラに関する労災認定の概要を教えてください。

この記事の要点 ✓ パワハラ・セクハラの被害者が精神疾患を発症している場合、パワハラ・セクハラの心理的負荷が「強」と判断されれば業務起因性が肯定され、労災認定される可能性が高くなる 労災認定の可否は「心理的負荷による精神障害の認定基準」を参考に判断されます ✓ 労災認定は行政の判断であり、民事上の損害賠償責任とは直接連動しない——た……

合意退職の錯誤無効・強迫取消等を理由とした地位確認請求には、どのようなものがありますか。

この記事の要点 ✓ 「懲戒解雇すると脅されてパワハラを受けた状態で退職届に署名させられた」として、合意退職の錯誤無効・強迫取消が主張される紛争類型がある 退職合意書があっても合意退職の効力を争われるリスがあります ✓ 問題の核心は「その退職の意思表示が自由意思に基づくものだったか」。強迫・錯誤が認められれば取消・無効となり、地位確認……

解雇、休職期間満了退職無効を理由とした地位確認請求の内容は、どのようなものですか。

この記事の要点 ✓ 精神疾患発症の原因が職場のパワハラ・セクハラの場合、療養のための休業期間及びその後30日間は、原則として解雇・休職期間満了退職扱いにすることができない(労基法19条・同条類推) この解雇制限を知らずに解雇・退職扱いにすると無効となるリスクがあります ✓ 嫌がらせ目的の転勤命令(辞めさせる目的)は転勤命令権限の濫用……

安全配慮義務違反や不法行為(使用者)責任を理由とした損害賠償請求は、どのようなものですか。

この記事の要点 ✓ 使用者(会社)は、労働者が安全に働けるよう配慮する義務(安全配慮義務・労契法5条)を負っており、違反した場合は損害賠償義務を負う(民法415条) 「従業員同士の問題だから会社は関係ない」は通用しません ✓ 従業員がパワハラ・セクハラにより他の従業員に損害を与えた場合、使用者は使用者責任(民法715条)を負い、被害……

パワハラ・セクハラ紛争の類型には、どのようなものがありますか。

この記事の要点 ✓ パワハラ・セクハラ紛争の主な類型は4つ。①損害賠償請求、②解雇・休職期間満了退職無効による地位確認、③合意退職の錯誤無効・強迫取消等による地位確認、④労災認定 それぞれの類型で法的な論点・対応方針が異なります ✓ ②③の地位確認請求では、解雇の有効性・合意の有効性がメインの争点であり、パワハラ・セクハラは背景事情……

パワハラとセクハラの主な違いを教えてください。

この記事の要点 ✓ 最大の違いは「業務上の必要性」。性的言動(セクハラ)は業務上不要であるのに対し、注意指導・業務命令等(パワハラ)は業務上必要なものを含む この違いが法的評価の分水嶺となります ✓ 業務上必要な注意指導等は、業務上不要な性的言動と比較して「違法」とまで評価されにくい。パワハラよりセクハラの方が「違法」と評価されやす……

パワハラ・セクハラを法的に分析する際の視点を教えてください。

この記事の要点 ✓ パワハラ・セクハラを法的に分析する際は「適法性」と「適切性」を区別して考えることが重要。「パワハラかどうか」という二項対立ではなく、3段階の程度の問題として捉える この視点を持つことで、会社経営者は適正な業務指導と法的リスクのある行為を正確に区別できます ✓ 訴訟で問われるのは①違法な言動か②③適法な言動か。②不……

パワハラ・セクハラを巡る紛争の実態は、どのようなものですか。

この記事の要点 ✓ 公的機関への相談数は多いが、パワハラ・セクハラを主な理由とする損害賠償請求メインの訴訟・労働審判はあまり多くない。解雇無効や残業代請求等に付随して損害賠償請求がなされるケースが多い 「パワハラと言われた=高額賠償」という発想は実態と乖離しています ✓ 地位確認・残業代請求等に付随してパワハラ・セクハラ損害賠償請求……

セクハラの定義を教えてください。

この記事の要点 ✓ 「職場におけるセクシュアルハラスメント」はセクハラ指針により定義されており、「職場において行われる性的な言動」に対し、①労働条件につき不利益を受ける(対価型)または②就業環境が害される(環境型)の2類型がある パワハラとは異なり、「職場の優位性」という要件はなく、同僚間・顧客からのセクハラも成立し得ます ✓ 会社……

パワーハラスメントに該当するかは、どのような基準で判断されますか。

この記事の要点 ✓ 「パワハラ」の参考定義として広く用いられるのは、円卓会議ワーキング・グループ報告(平成24年1月30日):①職場内の優位性を背景に、②業務の適正な範囲を超えて、③精神的・身体的苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為 3つの要素すべてを満たさなければパワハラとは評価されないのが原則です ✓ 「優位性」は上司・部……

少数組合の組合員など労働協約の効力が及ばない社員に平均賃金の60%を超える休業手当を支払う必要があるかは、民法536条2項の「合理的な理由」の問題として判断されますか。

この記事の要点 ✓ 少数組合員など労働協約の効力が及ばない社員への60%超の賃金支払の要否は、民法536条2項の「使用者の責めに帰すべき事由」による受領拒絶に「合理的な理由があるか」という問題として争われてきた 「合理的な理由がない」と判断されれば、60%を超えた賃金全額の支払義務が生じます ✓ いすゞ自動車事件(宇都宮地裁栃木支部……

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