労働問題318 行政解釈は管理監督者の範囲と賃金等の待遇面との関係についてどのように考えていますか。
行政解釈は「管理監督者であるかの判定に当たっては、上記のほか、賃金等の待遇面についても無視し得ないものであること。この場合、定期給与である基本給、役付手当等において、その地位にふさわしい待遇がなされているか否か、ボーナス等の一時金の支給率、その算定基礎賃金等についても役付者以外の一般労働者に比し優遇措置が講じられているか否か等について留意する必要があること。」とした上で、「なお、一般労働者に比べ優遇措置が講じられているからといって、実態のない役付者が管理監督者に含まれるものではないこと。」としています。
最後の「なお、」以下の部分からすれば、行政解釈は、管理職が、
① 職務内容、責任と権限
② 勤務態様等
の要素をクリアした場合に初めて、
③ 賃金等の待遇面
に関し、役付者以外の一般労働者に比し優遇措置が講じられているか否かを検討しようとしているものと考えられます。
①②を検討して管理監督者に相応しくないと判断されれば、③を判断するまでもなく、管理監督者には当たらないとしているものと考えられます。
弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎