ワード:「解雇」
労働者を雇い入れる際に、労働者にどのような事項を通知する必要がありますか。
使用者は、労基法施行規則5条1項1号から4号までに定められた労働条件について書面を交付する方法、又はこれらが記載された就業規則を交付する方法で通知する必要があります(労基法15条1項後段、労基法施行規則5条2項、3項)。
労基法施行規則5条1項1号から4号までに定められた労働条件は次のとおりです。
① 労働契約期間
② 更新の基準
……
労基法施行規則5条1項1号から4号までに定められた労働条件は次のとおりです。
① 労働契約期間
② 更新の基準
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付加金とはどういうものですか?
使用者が残業代(割増賃金)、解雇予告手当、休業手当、有給休暇取得日の賃金の支払義務に違反した場合、裁判所は、労働者の請求により、使用者が支払わなければならない金額についての未払金のほか、これと同一額の付加金の支払を命じることができます(労基法114条)。
例えば、未払の残業代(割増賃金)の額が300万円の場合、さらに最大300万円の付加金の支払(合計600万円の支払)が判決で命じ……
例えば、未払の残業代(割増賃金)の額が300万円の場合、さらに最大300万円の付加金の支払(合計600万円の支払)が判決で命じ……
管理監督者性の判断要素である「経営者と一体的な立場にある者」とはどのような者ですか?
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1. 定義
「経営者と一体的な立場にある者」すなわち、事業主の経営上の決定に参画し、労務管理上の決定権限を有している等、経営者と一体的な立場にあると評価できる者は、労基法上の労働時間等の規制の枠を超えて活動することが要請されざるを得ない重要な職責を担うものと考えられています。
2. 判断基準
裁判では、次の点を要素考慮として、当該労働者の業務内容や、権限の内容に照らして、経……
整理解雇する場合に検討すべき事項を教えてください。
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整理解雇の定義
整理解雇とは、使用者が経営上必要とされる人員削減のために行う解雇です。
整理解雇の有効性の判断要素
整理解雇の有効性は、①人員削減の必要性、②解雇回避努力義務の履行、③人選の合理性、④手続の相当性の要素を考慮して判断されます。
①人員削減の必要性
整理解雇による人員削減が、不況や経営不振等、使用者の経営上の十分な必要性に基づくものか否かがポイントとなり……
解雇した労働者が所属する労働組合から団体交渉が申し入れられた場合,労働契約関係が終了していることを理由に団体交渉を拒否できますか?
解雇した労働者が所属する労働組合が、解雇の撤回を求めて団体交渉を申し入れてきた場合、解雇してから正当な理由もなく長期間経過しているような場合でない限り、会社は、労働契約関係が終了していることを理由に団体交渉を拒否することはできません。
解雇してから正当な理由もなく長期間経過している場合は、労働組合法第7条2号の「使用者が雇用する労働者」には該当せず、使用者は、団体交渉を拒否できる……
解雇してから正当な理由もなく長期間経過している場合は、労働組合法第7条2号の「使用者が雇用する労働者」には該当せず、使用者は、団体交渉を拒否できる……
就業規則に定年の定めがない場合、60歳超の正社員に辞めてもらうことはできるのか?【会社経営者向け】
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1. 就業規則に定年の定めがない場合の基本的な考え方
就業規則に定年の定めがない場合、期間の定めのない労働契約を締結している労働者は、原則として年齢を理由に当然に退職することはありません。60歳を超えたという理由だけで雇用関係を終了させることはできず、会社経営者としては慎重な対応が求められます。
このようなケースでは、労働者は引き続き無期労働契約の下で就労する地位を有しており……
職務・勤務地・労働時間が限定された正社員は解雇できるのか?有効性判断のポイント【会社経営者向け】
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1. 職務・勤務地・労働時間が限定された正社員とは
職務や勤務地、労働時間が限定された正社員とは、労働契約において、従事する職務内容、勤務する事業所や地域、あるいは労働時間などがあらかじめ特定されている正社員をいいます。いわゆる「限定正社員」は、無限定で配置転換や転勤の対象となる通常の正社員とは異なる位置付けにあります。
このような限定正社員については、労働契約上、使用者の人……
定年退職後に再雇用した場合、有給休暇の継続勤務年数は通算されるのか?【会社経営者向け】
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1. 有給休暇における継続勤務年数の基本的な考え方
年次有給休暇は、一定期間継続して勤務し、かつ所定の出勤率を満たした労働者に付与される法定の休暇です。会社経営者としては、有給休暇の付与日数や管理方法を適切に行うために、「継続勤務年数」の考え方を正しく理解しておく必要があります。
原則として、年次有給休暇は、雇い入れの日から6か月間継続勤務し、その期間の全労働日の8割以上出勤……
作業の準備・後片付けの時間は労働時間になるのか|会社経営者が知っておくべき判断基準
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1.作業準備・後片付け時間の労働時間該当性の基本的考え方
作業の準備や後片付けの時間が労基法上の労働時間に当たるかどうかは、その行為が使用者の指揮命令下に置かれていたかという観点から判断されます。実際に生産行為そのものを行っている時間に限られず、付随的な行為であっても、一定の場合には労働時間に含まれる点に注意が必要です。
特に重要なのは、当該準備行為や後片付けが、業務を行うた……
除外賃金に当たる手当とは何か ― 残業代算定から除外できる具体例と判断基準 ―
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1. 除外賃金とは何か
残業代算定の基礎から除外される賃金は、一般に**「除外賃金」**と呼ばれています。除外賃金とは、労働基準法37条5項および同施行規則21条に基づき、例外的に残業代算定の基礎に含めなくてよいとされている賃金を指します。
具体的には、家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、一か月を超える期間ごとに支払われる賃金が、法律上……
法人の解散に伴い解雇する場合でも、解雇権の濫用になることはありますか?
法人が解散する場合、清算の結了により労働契約は自動的に終了します。法人の解散手続の際に行われた解雇が解雇権の濫用になるかどうかについては、整理解雇の4要素により判断されるのではなく、事業廃止の必要性と解雇手続きの妥当性を総合的に考慮して判断されることになります。
会社が解散する場合、社員の雇用を継続する基盤が存在しなくなりますので、その社員を解雇する必要性が認められ、客観的に合理……
会社が解散する場合、社員の雇用を継続する基盤が存在しなくなりますので、その社員を解雇する必要性が認められ、客観的に合理……
希望退職者を募集する際の注意点を教えてください。
希望退職者募集にあたっては、募集時期、募集人員、募集対象者、退職上積金等の条件を労働者に提示します。条件は、退職金が自己都合退職の場合より明らかに低い等の不合理な内容でなければ、使用者が自由に決定することができます。
ここでよく問題となるのが、募集対象者の限定です。希望退職者募集は、使用者が早期の退職希望を募っているものであって、労働者の退職の意思表示を誘引しているに過ぎず、強制……
ここでよく問題となるのが、募集対象者の限定です。希望退職者募集は、使用者が早期の退職希望を募っているものであって、労働者の退職の意思表示を誘引しているに過ぎず、強制……
降格にはどのようなものがありますか?
降格について法律上の定義はありませんが、一般的には、懲戒処分としての降格と、業務命令としての降格に分類されます。
懲戒処分としての降格は、懲戒処分に対する法規制を受け、その要件と効果について就業規則で定められていることが必要です。
業務命令としての降格は、人事権の行使として行われるものですから、就業規則の根拠は必ずしも必要とせず、使用者が業務命令や人事に関して有す……
懲戒処分としての降格は、懲戒処分に対する法規制を受け、その要件と効果について就業規則で定められていることが必要です。
業務命令としての降格は、人事権の行使として行われるものですから、就業規則の根拠は必ずしも必要とせず、使用者が業務命令や人事に関して有す……
割増賃金の割増率を教えて下さい。
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1.時間外労働
1日8時間または週40時間を超えて労働させた場合は、その超えた時間につき通常の労働時間の賃金の2割5分以上の割増賃金を支払う必要があります。
1日とは、午前0時から午後12時までのいわゆる暦日をいいますが、勤務が2暦日にわたる場合には、暦日を異にする場合であっても1日の勤務として取り扱い、当該勤務は始業時刻の属する日の労働として、当該日の「1日」の……
1日とは、午前0時から午後12時までのいわゆる暦日をいいますが、勤務が2暦日にわたる場合には、暦日を異にする場合であっても1日の勤務として取り扱い、当該勤務は始業時刻の属する日の労働として、当該日の「1日」の……
就業規則に「懲戒解雇の場合、退職金は不支給とする。」と定めておけば、懲戒解雇する労働者に退職金を支給しなくてもいいですか。
退職金には、在職期間中の労務提供の対価(賃金)の後払いという側面があります。賃金の後払いという側面がある以上、懲戒解雇の場合に退職金を不支給とすると就業規則で規定しても、労働者が退職時までに積み上げてきた労務提供に対する対価が否定されるような事情がなければ、退職金を不支給にすることはできないとされています。
裁判例では、「当該労働者の永年の勤続の功を抹消してしまうほどの重大な不信……
裁判例では、「当該労働者の永年の勤続の功を抹消してしまうほどの重大な不信……
労働者が「退職届」という件名で退職する内容のメールを送信後、無断欠勤している場合,労働契約は終了すると考えていいですか?
労働者からの労働契約の一方的解約(辞職)の要件は、期間の定めの有無によって異なります。
契約社員等の期間の定めのある労働者の場合、期間途中の解約は認められず、労働者が病気、事故等によって長期間就労できない等の「やむを得ない事由」がなければ辞職の意思表示の効果は生じません(民法628条)。
他方、期間の定めのない労働者は、いつでも労働契約を解約でき、辞職の意思表示後……
契約社員等の期間の定めのある労働者の場合、期間途中の解約は認められず、労働者が病気、事故等によって長期間就労できない等の「やむを得ない事由」がなければ辞職の意思表示の効果は生じません(民法628条)。
他方、期間の定めのない労働者は、いつでも労働契約を解約でき、辞職の意思表示後……
賃金に関する労基法上の原則を教えてください。
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1.通貨払の原則
賃金は、「通貨」で支払わなければならないという原則であり(労基法24条1項)、日本国において強制通用力ある貨幣(日本円)のことを指し、外国通貨は入らないとされています。この原則は、現物給与を禁止することを目的としたものです。
賃金の口座振込みは、行政解釈において、①労働者の同意を得ること、②労働者が指定する銀行等本人名義の預貯金口座に振り込むこと……
賃金の口座振込みは、行政解釈において、①労働者の同意を得ること、②労働者が指定する銀行等本人名義の預貯金口座に振り込むこと……
就業規則で普通解雇事由を定めている場合、定めた事由以外の解雇は認められないのですか?
就業規則で普通解雇事由を定めている場合、就業規則に解雇事由を定めた以上、それ以外の事由による解雇は制限されるべきだとする説と、解雇権の行使は民法の規定により原則として自由であり、就業規則の解雇事由は例示的な定めと考えるべきという説が対立しており、一概には言えません。
このような問題が生じないよう、就業規則の普通解雇事由の最後に、「その他前各号に掲げる事由に準ずる事由があるとき。」……
このような問題が生じないよう、就業規則の普通解雇事由の最後に、「その他前各号に掲げる事由に準ずる事由があるとき。」……
普通解雇の理由を後で追加することはできますか?
普通解雇した当時に存在していた理由であれば、追加することができるとされています。
他方、懲戒解雇は、後になって懲戒解雇理由を追加することはできません。懲戒解雇は普通解雇とは異なり労働者に対する制裁罰であるため、懲戒処分の有効性はその理由とされた事実との関係においてのみ判断される必要があるからです。 ……
他方、懲戒解雇は、後になって懲戒解雇理由を追加することはできません。懲戒解雇は普通解雇とは異なり労働者に対する制裁罰であるため、懲戒処分の有効性はその理由とされた事実との関係においてのみ判断される必要があるからです。 ……
突然行方不明になった労働者との労働契約を終了させるためには、どのような方法が考えられますか。
労働者が突然行方不明になった場合、労働契約を終了する方法は、次の2つが考えられます。
① 就業規則の当然退職規定による退職
② 長期無断欠勤による懲戒解雇 ①は、就業規則において、長期間連絡が取れず行方不明となった者を退職とする規定を設けておく方法です。①のメリットは、労働者が当然退職の扱いになるため、使用者が解雇しなくても労働契約が終了するという点です。解雇しなくてもよいと……
② 長期無断欠勤による懲戒解雇 ①は、就業規則において、長期間連絡が取れず行方不明となった者を退職とする規定を設けておく方法です。①のメリットは、労働者が当然退職の扱いになるため、使用者が解雇しなくても労働契約が終了するという点です。解雇しなくてもよいと……