労働問題868 賃金に関する労基法上の原則を教えてください。

1 通貨払の原則
 賃金は、「通貨」で支払わなければならないという原則であり(労基法24条1項)、日本国において強制通用力ある貨幣(日本円)のことを指し、外国通貨は入らないとされています。この原則は、現物給与を禁止することを目的としたものです。
 賃金の口座振込みは、行政解釈において、①労働者の同意を得ること、②労働者が指定する銀行等本人名義の預貯金口座に振り込むこと、③賃金支払日に払い出し得る状況にあること、④過半数労働組合または過半数代表者と協定を締結すること、⑤賃金支払日に労働者へ支払計算書を支給することの要件を充たす場合に限り労基法24条に違反しないと取り扱われています。
2 直接払の原則
 賃金は直接労働者に支払わなければならないという原則です(労基法24条1項)。この原則は、職業仲介人などが賃金を代理受領して中間搾取を行うこと等を排除することを目的としています。 
3 全額払の原則
 賃金はその全額を支払わなければならないという原則です。
 例外的に、法令に別段の定めがある場合と過半数労働組合又は過半数代表者との間で書面による協定がある場合は、この原則に違反しないことになります。
 「法令に別段の定めがある場合」とは所得税の源泉徴収、社会保険料の控除等があります。
 また、判例上、使用者が労働者の同意を得て行う相殺は、当該相殺が労働者の自由な意思に基づいてされたものであると認めるに足りる合理的理由が客観的に存在するときは、全額払の原則に反しないと考えられています。
4 毎月1回以上一定期日払の原則 
 賃金は毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならないという原則です。

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