ワード:「解雇」

雇止め法理とはどういうものですか。

この記事の結論 1 有期契約でも、一定の場合は解雇権濫用法理が類推適用される 民法上は期間満了により契約関係が当然に終了しますが、判例は、一定の場合に解雇権濫用法理を類推適用し、合理的理由のない雇止めを無効と判断してきました。この「雇止め法理」は労働契約法19条として条文化されています。 2 2つの類型のいずれかに該当し、拒絶に合理……

有期労働契約における期間途中の解雇・解除についてのポイントを教えてください。

この記事の結論 1 使用者による期間途中の解雇は、やむを得ない事由が必要 使用者は、有期労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、労働者を期間途中で解雇することはできません(労働契約法17条1項)。この事由は、無期契約の解雇に必要な事由よりもさらに限定的・制限的です。 2 労働契約の初日から1年経過後は、労働者はいつで……

高年法について知っておくべきポイントを教えてください。

この記事の結論 1 65歳未満定年の事業主は、3つの措置のいずれかを講じる必要がある 定年を65歳未満と定めている事業主は、65歳までの安定した雇用を確保するため、①定年の引き上げ、②継続雇用制度の導入、③定年の定めの廃止のいずれかの措置を講じなければなりません。多くの会社が②の継続雇用制度を採用しています。 2 解雇事由と同様の事……

在職中及び退職後の秘密保持義務についての留意点を教えてください。

この記事の結論 1 在職中は、規定がなくても当然に秘密保持義務を負う 在職中の労働者は、労働契約の付随義務として、使用者の営業上の秘密を保持すべき義務を負っています。この義務は、就業規則や個別合意がなくても発生すると考えられています(メリルリンチ・インベストメント・マネージャーズ事件、東京地裁平成15年9月17日判決)。 2 退職後……

退職勧奨をした際に退職を強要したとして慰謝料請求が認められた事例には、どのようなものがありますか。

この記事の結論 1 社会的相当性を逸脱した退職勧奨には損害賠償義務が生じる 退職勧奨自体は事実行為であり、使用者がこれを行うかは基本的に自由です。しかし、社会的相当性を逸脱した態様での半強制的ないし執拗な退職勧奨行為が行われた場合には、使用者は不法行為に基づく損害賠償義務を負います。 2 頻度・言動・懲戒可能性の示唆等が違法性の判断……

退職勧奨とはどういうものですか。

この記事の結論 1 退職勧奨は、自発的な退職意思の形成を促す単なる事実行為 退職勧奨とは、使用者が労働者に対して辞職や労働契約の合意解約の承諾を促すことをいいます。裁判所は、退職勧奨は法律に根拠を持つ行政行為ではなく、単なる事実行為であると述べています(下関商業高校事件、最高裁一小昭和55年7月10日判決)。 2 個別面談を通じて行……

合意退職(合意解約)とはどういうものなのかについて教えてください。

この記事の結論 1 合意退職は使用者と労働者の合意により成立し、予告手当は不要 合意退職(合意解約)とは、使用者と労働者との合意により労働契約を将来に向けて解約することをいいます。この場合、使用者は解雇予告手当を支払う必要はありません。 2 承諾権限を有する者による意思表示が到達するまで撤回できる 合意退職は使用者の承諾の意思表示……

無期契約における辞職と、有期契約における辞職は、どのように違いますか。

この記事の結論 1 無期契約は2週間前の予告で、いつでも辞職できる 無期契約においては、労働者は2週間の予告期間を置けばいつでも辞職が可能です。過度に長期の予告期間を就業規則で定めても、辞職の自由を制限するものとして公序良俗に反し無効と判断されるおそれがあります。 2 有期契約の辞職も、多くの会社では無期契約と同様に運用されている ……

会社の解散・倒産に伴う整理解雇についても4要素を充たさなければなりませんか。

この記事の結論 1 会社解散・清算型倒産では、4要素の適用に裁判例のばらつきがある 会社解散・清算型倒産手続に伴う整理解雇には、必ずしも整理解雇の4要素がそのまま適用されるわけではなく、企業廃止の自由から解雇を有効とする裁判例と、整理解雇の要件を適用して権利濫用を認める裁判例が併存しています。 2 再建型倒産手続では、整理解雇の法理……

整理解雇をするに当たっては、どのようなことを検討しなければなりませんか。

この記事の結論 1 4要素を総合的に判断して解雇権濫用の有無が判断される 裁判所は、①整理解雇の必要性、②解雇回避努力、③人選の合理性、④手続の相当性という4つの要素を総合的に判断することで、解雇権濫用の有無を判断しています。 2 人員削減と矛盾する経営行動があると、必要性が否定されやすい 整理解雇の必要性が厳格に判断される裁判例……

解雇の規制にはどのようなものがありますか。

この記事の結論 1 業務上災害の療養中・産前産後休業中は解雇できない 業務上災害による療養のための休業期間、産前産後休業期間およびその後30日間は、その労働者を解雇することはできません。打切補償を支払えば解雇制限は解除され、労災保険給付を受ける労働者もその対象になります(専修大学事件、最高裁平成27年6月8日判決)。 2 組合活動・……

労働者から解雇理由証明書の発行を請求された場合、どのように対応すればよいですか。

この記事の結論 1 請求があれば、使用者は遅滞なく交付しなければならない 労基法では、労働者から解雇理由証明書の発行を請求された場合、使用者は遅滞なく交付しなければならないと定めています。 2 請求されていない内容は記載してはならない 解雇理由証明書には、労働者が請求していない内容については書いてはならず、労働者が解雇事実について……

労基法では解雇予告義務・解雇予告手当についてどのように定められていますか。

この記事の結論 1 解雇は30日前の予告か、30日分以上の予告手当が必要 使用者が労働者を解雇しようとする場合、少なくとも30日前に予告しなければならず、予告しない場合には、解雇予告手当として30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません。 2 除外認定がなくても、客観的に除外事由があれば予告手当は不要 やむを得ない事由や労働者……

情報漏洩、兼業、競業行為を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。

この記事の結論 1 企業情報の漏洩は、企業秩序を現実に侵害する場合に懲戒事由となる 業務上知り得た情報を、職務と密接に関連する形で外部に発信する行為は懲戒事由となり得ます。SNSでの漏洩がインターネット上で炎上し、企業秩序を侵害するケースも増えています。 2 兼業は労務支障や秘密漏洩のおそれがあれば禁止でき、競業行為はより厳格 兼……

勤務時間外における企業外での犯罪行為を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。

この記事の結論 1 企業秩序に関係を有する場合に限り、懲戒事由となる 勤務時間外の企業外行動は原則として労働者の私生活上の行為ですが、企業の円滑な運営に支障を来すおそれがあるなど企業秩序に関係を有する場合は、懲戒事由となります(関西電力事件、最高裁昭和58年9月8日判決)。 2 運転業務従事者は、他の職種より厳格に判断される バス……

経歴詐称を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。

この記事の結論 1 重要な経歴の詐称は、懲戒事由該当性が肯定される 経歴詐称は、使用者と労働者間の信頼関係を壊し、労働力の評価を誤らせるものであることから、詐称された経歴が最終学歴や職歴など重要なものであれば、懲戒事由該当性が肯定されます(スーパーバッグ事件、最高裁平成3年9月19日判決)。 2 質問への虚偽回答は詐称、聞かれなかっ……

職務懈怠を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。

この記事の結論 1 精神的不調による欠勤には、健康診断等の対応を先行させる必要がある 精神的な不調のために欠勤を続けている社員には、健康診断を実施し、診断結果に応じて治療を勧めた上で休職等を検討すべきであり、これを怠った無断欠勤扱いの懲戒処分は無効とされます(日本ヒューレットパッカード事件、最高裁平成24年4月27日判決)。 2 業……

懲戒処分が法的に有効とされるために必要な手続の相当性について、具体的に教えてください。

この記事の結論 1 本人への弁明機会の付与は、規定の有無を問わず原則として必要 懲戒処分は制裁罰としての性格を有し、労働者に与える不利益も大きいことから、弁明の機会の付与を欠く場合には、特段の事情がない限り、手続的正義に反して懲戒処分は無効になると考えられます。 2 労働者の調査協力義務は、業務との関連性で判断される 調査協力義務……

懲戒処分が法的に有効とされるために必要な処分の相当性について、具体的に教えてください。

この記事の結論 1 課せる懲戒処分は、就業規則に定めた種類に限定される 就業規則に記載されていない懲戒処分を行うことはできません。就業規則が懲戒事由ごとに処分の種類を限定的に規定している場合、その手段はそこに限定され、より軽い処分であっても課すことはできないとされています。 2 同種の非違行為には、先例を踏まえた同等の処分が求められ……

懲戒処分が法的に有効とされるために必要な懲戒処分事由該当性について、具体的に教えてください。

この記事の結論 1 懲戒事由は就業規則に明確に定め、合理的な限定解釈が加えられる 懲戒処分が有効となるには、まず懲戒事由を就業規則に明確に定める必要があります。「その他これに準ずる場合」といった包括条項も、合理的な限定解釈が加えられるのが通常です。 2 懲戒当時に認識していなかった非違行為は、原則として追加主張できない 懲戒当時に……

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