労働問題982 管理監督者性の判断要素である「経営者と一体的な立場にある者」とはどのような者ですか?

 「経営者と一体的な立場にある者」すなわち、事業主の経営上の決定に参画し、労務管理上の決定権限を有している等、経営者と一体的な立場にあると評価できる者は、労基法上の労働時間等の規制の枠を超えて活動することが要請されざるを得ない重要な職責を担うものと考えられています。

 裁判では、次の点を要素考慮として、当該労働者の業務内容や、権限の内容に照らして、経営者との一体性が検討されています。
 ① 経営への参画状況
 ② 労務管理上の指揮監督権
 ③ 実際の職務内容

 ①経営への参画状況については、会社の経営会議等の事業経営に関する決定過程に関与し、どの程度発言力・影響力を有しているかが問題となります。経営会議等に関与していない、もしくは経営会議等に出席・関与はしてはいても、実際上は当該企業のトップ等のごく限られた人物しか発言力・影響力を有していない場合には管理監督者性が否定されやすいと考えます。

 ②労務管理上の指揮監督権については、部下に関する採用、解雇、人事考課などの人事権限、部下の勤務割等の決定権限の有無・内容が重視され、単に採用担当者というだけであったり、人事上の意見を述べる機会が与えられている程度であったりする場合は、管理監督者性が否定される傾向があります。

 ③実際の職務内容については、当該労働者の職務内容がどのようなものであったか、マネージャーとしての業務以外にどのような業務を行っていたか、それらの業務と一般社員との業務との差異はあったか等について考慮されます。当該労働者の実際の職務内容が、管理監督者としてのマネージャー業務だけでなく、その部下と同様の現場作業や業務にも相当程度従事していたような場合には、管理監督者性が否定される傾向にあります。

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