Q891 希望退職者を募集する際の注意点を教えてください。

 希望退職者募集にあたっては、募集時期、募集人員、募集対象者、退職上積金等の条件を労働者に提示します。条件は、退職金が自己都合退職の場合より明らかに低い等の不合理な内容でなければ、使用者が自由に決定することができます。
 ここでよく問題となるのが、募集対象者の限定です。希望退職者募集は、使用者が早期の退職希望を募っているものであって、労働者の退職の意思表示を誘引しているに過ぎず、強制力はありません。名指しで希望退職を促したり、60歳以上の労働者に限定しても問題ありません。ただし、募集対象者を男性もしくは女性と性別で限定することは、違法性があるとみなされ希望退職そのものが無効になるリスクがあるので、お勧めできません。
 希望退職を募集したところ多くの有能な社員が退職を希望し、経営が更に悪化してしまうということが考えられます。このような事態を回避するためにも、使用者の承認制とし、希望退職者に対して、使用者が承認した者のみ希望退職を受け入れることができるようにしておくことをお勧めします。
 希望退職者制度は、あくまでの社員の希望により行われるものですので、退職を希望した社員が後になって退職を辞退したとしても、使用者から退職を強制することはできません。

弁護士法人四谷麹町法律事務所
勤務弁護士作成


弁護士法人四谷麹町法律事務所

〒102-0083 東京都千代田区麹町5丁目2番地 
K-WINGビル7階 TEL:03-3221-7137

Copyright ©会社経営者側弁護士とのオンライン打合せ(Zoom等)で労働問題を解決。問題社員、解雇・退職トラブル、残業代請求、労働審判、団体交渉|弁護士法人四谷麹町法律事務所 All Rights Reserved.
  • 会社経営者のための残業代請求対応
  • 会社経営者のための労働審判対応
Return to Top ▲Return to Top ▲