ワード:「就業規則」

勤務時間外における企業外での犯罪行為を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。

[toc] 勤務時間外の企業外行動における懲戒処分の考え方  勤務時間外における企業外での行動は、本来は労働者の私生活上の行為であり、使用者が懲戒をもって臨むことはできないはずです。しかし、労働者は信義則上、使用者の業務利益や信用・名誉を毀損しない義務を負っていますので、原則として企業外での行動を規制することはできないものの、それが「企業の円滑な運営に支障を来すおそれがあるときなど企業秩序に関……

企業内政治活動・組合活動を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。

 企業内の政治活動、組合活動の懲戒事由該当性は、慎重に判断されるのが通常です。具体的には、まず、政治活動等の禁止、許可規定に違反してなされた政治活動が懲戒事由になるか否かが問題になります。就業時間中の活動は、職務専念義務に違反するため原則として懲戒処分が肯定されますが、問題は、終業時間前、終業時間後、休憩時間等、終業時間外に行ったケースです。判例は(目黒電報電話局事件最三小昭和52年12月13日判……

懲戒処分が法的に有効とされるために必要な手続の相当性について、具体的に教えてください。

 懲戒処分が法的に有効とされるためには、本人への弁明機会、賞罰委員会の開催、労働組合等の手続的保障がどこまで求められているのかが問題となります。
 本人への弁明の機会は、規定の有無を問わず必要なものであり、実質的に行われる必要があります。裁判例(ホンダエンジニアリング事件宇都宮地裁平成27年6月24日判決)では、就業規則上、懲戒解雇に際して労働者に弁明の機会を与える旨の規定がない場合……

懲戒処分が法的に有効とされるために必要な処分の相当性について、具体的に教えてください。

 懲戒処分が法的に有効とされるためには、懲戒事由の他に、懲戒処分を就業規則に明確に定める必要があります。就業規則に記載されていない懲戒処分を行うことはできず、判例(立川バス事件東京高裁平成13年9月12日判決)でも、就業規則において経歴詐称を理由とする懲戒処分の種類を懲戒解雇・出勤停止・減給・格下げにとどめるものと規定している場合には、懲戒の手段はこれらに限定されてしまい、より軽い譴責処分などであ……

懲戒処分が法的に有効とされるために必要な懲戒処分事由該当性について、具体的に教えてください。

 懲戒処分が法的に有効とされるためには、まず、懲戒事由を就業規則に明確に定める必要があります。ただし、懲戒事由が就業規則に定められた場合であっても、当該行為が懲戒事由に該当するか否かの判断において合理的な限定解釈を加えることは多くあります。また、一般の就業規則には、列記された懲戒事由の末尾に「その他、これに準ずる場合」という条項が置かれていることが多いですが、このような規定についても、合理的な限定……

職務資格制度・職務等級制度における降格のポイントを教えてください。

 職能資格制度は、一旦到達した職務遂行能力が引き下がることは本来予定されていませんので、資格や等級を引き下げる降格は、役職を解く降格とは異なり、労働契約上使用者に当然に認められるものではなく、合意により変更する場合以外は、職能資格制度について定めた就業規則等に引き下げがあり得る旨を明記するなどして、特別の労働契約上の根拠を持たせることが必要となります。
 一方、資格や等級の引下げとし……

降格が人事権濫用と判断されるのはどのような場合ですか?

 降格は、差別や不利益取扱い禁止の規制に該当する場合を除き、労働者との労働契約を根拠とする人事権の行使として行うことができます。そのため、一定の役職を解く降格は、労働契約を根拠として行うことができ、就業規則等の根拠規定は必要ありません。
 もっとも、労働契約上、労働者の役職や職位を限定する合意がある場合は、その役職や職位を引き下げることについて労働契約で予定されていないことになるため……

定額残業代の最近の裁判例を教えてください。

[toc]  1.X社事件 東京高裁平成28年1月27日判決  36協定の延長限度額に関する基準において上限とされる月45時間を大幅に超える業務手当を残業代の支払として認めました(上告棄却・不受理)。 2.アクティリンク事件 東京地裁平成24年8月28日判決  周知されている賃金規定上「時間外労働割増賃金で月30時間相当分として支給する」と定められている「営業手当」について、「固定残業代の……

就業規則に配転に関する規定を設ければ、自由に配転できますか?

 配転について、就業規則等に「業務の都合により出張、配置転換、転勤を命ずることができる。」というような包括的な根拠規定が置かれていることが多いですが、このような規定が無い場合でも、労働契約の締結の経緯や内容、人事異動の実情などから配転命令権が認められることがあります。
 ただし、就業規則に包括的な配転命令権の定めがある場合でも、個別に職種や勤務場所等を限定する旨合意している場合には、……

月給制の時間単価の計算方法を教えてください。

 月給制における通常の賃金の時間単価は、1か月の基礎賃金を、1か月の所定労働時間数で除して算定します。
 1か月の所定労働時間数は、就業規則や労働契約において定められている場合にはその時間、月によって異なる場合には、1年間における一月平均所定労働時間数を算定します。
 1年間における一月平均所定労働時間数の計算式は、次のとおりです。
(365日(※)−1年……

残業代(割増賃金)の支払の対象となる労働時間とはどのような時間ですか?

[toc]  使用者は、労働者に法定時間外労働時間、法定休日労働時間、深夜労働時間に働かせた場合には、残業代(割増賃金)を支払わなければなりません(労基法37条)。 1.法定時間外労働時間 ①法定時間外労働時間  1日8時間又は1週40時間(映画制作事業を除く映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽業の事業であって常時10人未満の労働者を使用する場合は1週44時間)を超える時間外労働は、残業代(……

出向先の会社は出向社員を懲戒処分できる?解雇の限界と出向元との連携実務を解説

この記事の結論 出向先ができるのは「注意・指導・軽い処分」までです 出向社員が問題を起こした場合、出向先のルールで対処できますが、以下の法的限界に注意が必要です。 懲戒処分は可能: 出向先の企業秩序を守るため、戒告や減給などは原則として可能です。 懲戒解雇は不可: 雇用契約がないため、出向先が直接「クビ」にすることは法律上できません。 重大事案の正解: 出向契約を解除して「出……

出向を命じるためにはどのような規定が必要ですか。

 出向は、法的には、出向元が労働者に対して有する権利の一部を出向先に譲渡するものと解されています(民法625条1項)ので、労働者の個別同意があれば、使用者は出向を命じることができます。
 労働者の個別同意を得ることなく出向を命ずることも可能ですが、出向は配転とは異なり労働者の地位に与える影響が大きいことから、就業規則、出向規定ないし労働協約等において、一般的な規定(事前の包括規定)を……

就業規則や退職金規定に退職金に関する規定がない場合は、退職金を支払わなくていいですよね?

 使用者に退職金の支払義務があると判断されるのは、通常は、就業規則や就業規則の性質を有する退職金規定等に、退職金に関する規定が置かれている事案が多いのですが、就業規則などに退職金に関する規定がない場合でも、個々の労働者との間の労働契約書に退職金の定めがあれば、当然、当該契約どおりの支払義務があると判断されます。
 また、就業規則や退職金規定、労働契約書等に退職金の定めがない場合であっ……

退職金の性質について教えて下さい。

 退職金には、使用者に支払義務があると考えられるものと、就業規則などに根拠がなく、支給するか否かが使用者の裁量に委ねられているものとがあります。
 退職金の支給について、もっぱら使用者の裁量に委ねられており、退職金の支給が労働契約の内容になっているとは認められないものは、任意的恩給的給付であり、労基法上の「賃金」に該当しません。
 これに対し、支給要件や支給基準などにつ……

裁判において使用者に転勤命令権があると判断されるのはどのような場合ですか?

 裁判において使用者に転勤命令権があると判断されるのは、労働契約締結時に転勤命令に従う旨の誓約書に労働者が署名押印していたり、就業規則または労働協約で転勤命令に関する規定を設けているような場合です。
 また、全国各地に多くの支店や出張所があり、実際に多くの労働者が慣行的に転勤しているような場合や、労働契約締結時に勤務場所特定の合意がなされていない場合についても、労働者の個別合意がなく……

勤務場所限定合意があると認められるのはどのような場合ですか?

[toc] 1 勤務場所限定合意とは  勤務場所限定合意とは、雇用契約において労働者を一定の勤務場所に限定して配置する旨の合意をいいます。勤務場所限定合意がある場合、使用者は、労働者の同意を得ない限り、労働者を他の勤務場所へ配転させることはできません。
 勤務場所限定の合意は、明示の合意のみならず、黙示の合意でもよいとされています。 2 労働契約通知書に勤務場所が記載されている……

残業代の消滅時効期間の起算点を教えて下さい。

 消滅時効期間の起算点は、各賃金支払日の翌日です(「類型別 労働関係訴訟の実務 改訂版 Ⅰ」262頁参照)。
 民法では、「消滅時効は、権利を行使することができる時から進行する。」と定められています。労働者が残業代を受け取る権利を行使できる時、つまり、一般的には給料日がこれに当たり、残業代の消滅時効は、給料日の翌日からカウントすることになります。就業規則などにおいて、所定内賃金の支給……

残業代トラブルの対応

残業代を請求された会社経営者の皆様へ  残業代を請求する内容証明郵便・労働審判申立書・訴状・団体交渉申入書が届いた場合は、お早めにご相談ください。残業代トラブルは「ターゲットにされやすい分野」であり、放置すると大きなリスクになります。  弁護士法人四谷麹町法律事務所は、会社側・経営者側に特化した法律事務所です。残業代トラブルの予防・解決に全国対応しています。 ▼ このページの内容……

労働審判委員会が労働審判法24条により労働審判事件を終了させるのは、どのような場合ですか?

[toc] 1. 労働審判手続の目的  労働審判手続は、個別労働関係民事紛争を迅速かつ適正に解決するため、原則として3回以内の期日において審理を終了し、労働審判又は民事調停による解決を行う手続です。 2. 労働審判事件の終了  事案の性質が、迅速かつ適正な解決を目的とする労働審判手続に適当でない場合には、労働審判委員会は、当該労働審判事件を終了させることができます(労働審判法24条)。 ……

Return to Top ▲Return to Top ▲