ワード:「労働問題」

労働審判手続における補充書面とはどのようなものですか。

この記事の結論 1 労働審判は口頭主義が原則で、補充書面は例外的な補助手段 書面の往復を重ねる民事訴訟とは異なり、労働審判では期日における口頭での説明が心証を左右します(労働審判規則17条1項)。補充書面は、あくまで例外的な補助手段であると理解する必要があります。 2 複雑な計算や論点整理が必要な場面に絞り、簡潔に活用する 残業代……

労働審判手続における資料収集の方法とは何ですか。

この記事の結論 1 資料収集は「事実の調査」と「証拠調べ」の二本立て(労働審判法17条) 労働審判委員会は、職権で事実の調査を行い、申立てにより又は職権で必要と認める証拠調べをすることができます。証拠調べについては民事訴訟の例によります。柔軟な調査と、より厳格な証拠調べの二段構えです。 2 会社側は「調べてもらう」のではなく、当時の……

労働審判の答弁書には何を記載すべきですか。

この記事の結論 1 答弁書には、労働審判規則16条が定める6つの事項を記載する 申立ての趣旨に対する答弁、事実の認否、答弁を理由づける具体的事実、予想される争点と関連する重要な事実、争点ごとの証拠、交渉その他の申立てに至る経緯の概要という6つの事項を記載します。 2 第1回期日までに、会社側の主張と証拠を出し切ることが求められる ……

労働審判で4回目の期日はありますか。

この記事の結論 1 労働審判は原則3回以内。4回目は「特別の事情」がある例外的な場合に限られる 労働審判は、特別の事情がある場合を除き、原則として3回以内の期日で審理を終結しなければなりません(労働審判法15条2項)。4回目の期日が設けられるのは、参考人の出頭不能や調停成立が目前といった例外的な場合に限られます。 2 会社側は「次が……

労働審判の代理人はなぜ弁護士限定?会社経営者が知るべき制度趣旨と実務リスク

この記事の結論 1 労働審判の代理人は、原則として弁護士でなければならない(労働審判法4条1項) 労働審判は権利関係を踏まえて審理・判断される手続であり、原則3回以内の期日で、早い段階から十分な主張立証を行う必要があります。そのため、法令により裁判上の行為を代理できる者のほかは、弁護士でなければ代理人となることができません。 2 裁……

労働審判事件の移送とは何ですか。

この記事の結論 1 管轄違いの場合、申立ては却下されず適切な裁判所へ移送される。自庁処理は認められない 申立先の裁判所が管轄を有しない場合、裁判所は申立てを却下せず、管轄裁判所へ移送しなければなりません(労働審判法3条1項)。労働審判では、管轄がないのにその裁判所が処理を続ける「自庁処理」は認められていません。 2 管轄があっても、……

採用・派遣労働者との紛争は労働審判の対象になりますか。

この記事の結論 1 「労働関係」は契約名称ではなく実態で判断。業務委託・請負でも労働審判の対象になり得る 業務委託・請負・フリーランス契約でも実質的な指揮命令関係・報酬の労務対償性が認められれば労働者性が問題となり、「未払賃金」「解雇無効」として労働審判を申し立てられる可能性があります。 2 派遣先は原則対象外。ただし偽装請負・労働……

労働審判制度の仕組みと会社側の対応戦略について教えてください。

この記事の結論 1 労働審判は原則3回以内の期日で終結する短期決戦型。第1回期日は申立てから40日以内 労働審判(労働審判法1条)は、個別労働関係民事紛争を迅速に解決するための裁判所の手続きです。申立てから40日以内に第1回期日が設定されるため、申立書受領後すぐに準備を開始する必要があります。 2 非公開・調停中心・金銭解決が多い。……

管理監督者に対する労働時間の自由裁量は必須ですか。

この記事の結論 1 「規制になじまない」は出退勤完全自由を意味しない。管理監督者も労働者 通達(昭和22年基発17号・昭和63年基発150号)の「労働時間等の規制になじまない」は、厳格な時間管理が業務の性質上なじまないという趣旨であり、出退勤の時間が完全に自由であることを意味しません。管理監督者も労基法が適用される労働者です。 2 ……

チェーン店(小売業・飲食業)における管理監督者の範囲と行政指導の強化について教えてください。

この記事の結論 1 日本マクドナルド事件(平成20年)以降、チェーン店の管理監督者性は平成20年通達で厳しく規定 平成20年4月1日の通達(基監発0401001号)により、管理監督者性を否定する「重要な要素」と「補強要素」が具体的に示されました。採用・解雇・人事考課・シフト管理の実質的権限がない場合が特に重視されます。 2 時給換算……

裁量労働制の対象者が就業時間中に組合活動をした場合、懲戒や賃金カットは可能ですか。

この記事の結論 1 裁量労働制でも職務専念義務は免除されない。就業時間中の組合活動は原則として職務専念義務違反 裁量労働制は労働時間の把握・算定をみなしに委ねる制度であり、就業時間中の職務専念義務そのものを免除するものではありません。就業規則等に許容する定めがない限り、就業時間中の組合活動は職務専念義務違反として注意・懲戒処分の対象となり得ます。 ……

専門業務型裁量労働制の適用労働者が遅刻・早退・欠勤した場合、使用者はどのような取り扱いができますか。

この記事の結論 1 遅刻・早退:服務規律違反として懲戒処分の対象になり得るが、賃金カットは原則できない 裁量労働制の適用労働者が遅刻・早退した場合、企業秩序・服務規律を乱したとして注意・懲戒処分の対象となり得ますが、みなし時間が労働したものとみなされる以上、その時間分の賃金カットは原則としてできません。 2 欠勤:みなし規定の適用が……

喫煙時間は労働時間に該当しますか。

この記事の要点 ✓ 喫煙時間は原則として「労働時間」に含まれる 常識的な頻度・回数の喫煙であれば、就業時間中のトイレ休憩やコーヒーブレイクと同様、使用者の指揮命令下にある「労働時間」として扱われるのが通常です。休憩時間にはあたりません。 ✓ 就業規則でルールを明確化することが重要 1日の喫煙回数・時間の上限を就業規則に定め、逸脱し……

無期転換ルールの特例(有期特措法)とは何ですか。

この記事の結論 1 有期特措法(平成27年4月施行)により2つの特例がある 高度専門職は上限10年まで、定年後に継続雇用される高齢者は上限なく、5年を超えても無期転換権が発生しない特例があります(専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法)。 2 特例の適用には都道府県労働局への申請・認定が必要 特例の適用を希望する事……

復職の判断における「休職事由の消滅」とは何ですか。

この記事の結論 1 「元の仕事ができない=退職」とは限らない 休職事由の消滅(治癒)の判断基準は「労働契約上の業務を遂行できる健康状態に回復したか」です。医学的完治は必要とされず、「支障なく業務遂行できるか」で判断されます。 2 職種限定がない場合は他業務への配置可能性の検討が必要 職種限定のない総合職では、元の仕事ができなくても……

労働基準監督署は、何を基準に精神疾患の労災を認定していますか。

この記事の結論 1 「心理的負荷による精神障害の認定基準」(厚労省・平成23年)に基づき認定される 労働基準監督署は、平成23年12月23日に厚生労働省が定めた「心理的負荷による精神障害の認定基準」に沿って、うつ病などの精神疾患の労災認定を行っています。 2 認定の3要件:①対象疾患の発病②発病前6か月の強い業務上の心理的負荷③業務……

パワハラの違法性はどのように判断されますか。

この記事の結論 1 パワハラの違法性は諸般の事情と職務上の適正範囲内かで総合判断される 両当事者の職務上の地位・関係、行為の場所・時間・態様、パワハラを受けたと主張する者の対応等の諸般の事情、職務の内容・性質・危険性の内容・程度、当該行為が職務上の適正な範囲内か否か等を踏まえて判断されます。 2 指導・監督の場面では、相手の理解力等……

就業規則はどのような手順で作成しますか。

この記事の結論 1 常時10人以上使用する場合は作成・届出義務あり。10人未満でも懲戒には必要 常時10人以上の労働者を使用する場合は、就業規則の作成と労基署への届出義務があります。10人未満でも、懲戒処分のためには就業規則の作成・周知が必要です。 2 作成後は過半数代表者の意見聴取→届出→周知の手順で進める 就業規則の作成・変更……

労働者を雇い入れる際に、労働者に通知すべき事項は何ですか。

この記事の結論 1 最低7事項を書面で通知する義務がある(労基法施行規則5条) 使用者は、最低限①労働契約期間②更新の基準③就業場所④業務の内容⑤労働時間⑥賃金⑦退職に関する事項(解雇事由等)を書面で通知する必要があります。 2 パートタイム労働者にはさらに4事項の追加明示が必要 パートタイム労働者に対しては、上記7事項に加えて、……

虚偽情報により年休取得を妨害されたとして損害賠償請求された場合、どう検討すべきですか。

この記事の結論 1 まず「虚偽情報がなければ取得したといえる年休日数」を実質的に検討する 虚偽の年休日数情報の提供がなければ当該労働者が取得したといえる年休日数を、実際の取得状況等から実質的に検討することが出発点となります。 2 ①不足年休に相当する賃金との因果関係は否定、②欠勤・病休による給与減額分との因果関係は肯定(裁判例) ……

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