ワード:「労働問題」

労組法上の「労働者」に該当するかどうかは、どのような基準で判断すればよろしいでしょうか。

この記事の結論 1 労組法上の「労働者」は、6つの判断要素を総合的に考慮して判断する 基本的判断要素3つ(①事業組織への組み入れ・②契約内容の一方的決定・③報酬の労務対価性)、補充的判断要素2つ(④業務依頼への応諾関係・⑤指揮監督と時間的場所的拘束)、消極的判断要素1つ(⑥顕著な事業者性)で総合判断します。 2 契約の形式ではな……

近時の中労委は、労働者派遣における派遣先事業主の使用者性をどのように捉えていますか。

この記事の結論 1 派遣先事業主は原則として労組法7条の「使用者」に当たらない 中労委は、労働者派遣法の枠組みに従って行われる派遣の派遣先事業主は、派遣労働者との関係において労組法7条の使用者に該当しないことを原則と捉えています。 2 例外的に使用者性が認められる場合がある ①労働者派遣法の枠組み・派遣契約の基本的事項を逸脱し……

近時の中労委は、不当労働行為について定めた労組法7条の「使用者」の範囲をどのように捉えていますか。

この記事の結論 1 中労委はショーワ事件で「使用者性を判断するための一般的な法理」を示した 中央労働委員会は、ショーワ事件平成24年9月19日決定において、労組法7条の「使用者」性を判断するための一般的な法理を示し、以後の事件でも同様の立場を維持しています。 2 「使用者」は雇用主に限定されず、3類型が示されている ①労働契約……

不当労働行為(労組法7条)における「使用者」の範囲

この記事の結論 1 「使用者」は労働契約上の雇用主が基本だが、それ以外の事業主も含まれ得る 朝日放送事件最高裁判決(平成7年2月28日)は、雇用主以外の事業主であっても、労働者の基本的な労働条件等を雇用主と同視できる程度に現実的かつ具体的に支配・決定できる地位にある場合、その限りで労組法7条の「使用者」に当たると判示しました。 2 ……

不当労働行為(労組法7条)の種類には、どのようなものがありますか。

この記事の結論 1 不当労働行為には4つの類型がある 労組法7条は、①組合員への不利益取扱い(1号)、②正当な理由のない団体交渉拒否(2号)、③支配介入・経費援助(3号)、④申立て等を理由とする不利益取扱い(4号)の4類型を不当労働行為として禁止しています。 2 団体交渉を正当な理由なく拒否することは禁止されている 2号の団体……

合同労組(ユニオン)との団体交渉に臨む際の注意点を教えて下さい。

この記事の結論 1 「争えばよい」でも「譲歩すれば解決する」でもない 合同労組との団体交渉は、強硬な対立も安易な譲歩も得策ではありません。当該組合の性格・客観的事実関係を正確に把握し、事案に応じた対応が必要です。 2 専門家なしでは不当労働行為でない言動まで萎縮しやすい 弁護士等の専門家がついていないと、不当労働行為ではない言……

団体交渉の近年の傾向について教えて下さい。

この記事の結論 1 社外の合同労組(ユニオン)との団体交渉が増えている 近年の団体交渉の特徴として、社内に労働組合がない会社でも、社外の合同労組(ユニオン)から団体交渉を申し入れられるケースが増えています。 2 ユニオンには加入の敷居が低く、誰でも加入できる 合同労組(ユニオン)は、企業の枠を超えた組合です。個人でも容易に加入……

労働事件において民事調停はどのように利用されていますか。

この記事の結論 1 民事調停は話し合いによる解決を図る手続 民事調停では、調停委員の関与のもとで当事者双方が話し合い、合意による解決を目指します。裁判所の判断が示されるわけではなく、双方の合意が前提です。 2 弁護士なし・少額・法的権利が不明確な事案で多く利用される 弁護士が代理人についていない事案、請求金額が少額な事案、法的……

労働事件における仮処分の概要を教えて下さい。

この記事の結論 1 仮処分とは、本案判決を待てない事案における裁判所の暫定的処分 仮処分が認められるためには、①被保全権利の存在と②保全の必要性が必要です。労働事件の代表例は解雇事案における賃金仮払仮処分で、訴訟で決着がついていない段階で一定額の仮払金支払が命じられます。 2 賃金仮払仮処分は解雇された労働者が申し立てるケースが多い……

少額訴訟を提起された場合、会社はどのような対応をすればよろしいでしょうか。

この記事の結論 1 少額訴訟に応じる方法と通常訴訟に移行させる方法の2つがある 早期にざっくりと解決したい場合は少額訴訟に応じて判断してもらうことができます。丁寧な審理を求めたい場合は、答弁書の提出と同時に通常の訴訟手続への移行を申し出ることができます。 2 どちらを選ぶかは事案の内容・証拠の状況による 事実関係が比較的明確で請求……

少額訴訟とはどのようなものですか。

この記事の結論 1 60万円以内の金銭請求に利用できる簡易な訴訟手続 少額訴訟は、60万円以内の金銭請求事件に限り利用できる簡易な訴訟手続です。原則として1回の口頭弁論で審理が完了し、判決も口頭弁論終結後直ちに言い渡されます。 2 証拠調べは即時に取り調べできるものに限られる 証拠調べの対象は、即時に取り調べることができるもの……

弁護士を訴訟代理人に立てて労働訴訟を提起してきた事案の特徴を教えて下さい。

この記事の結論 1 早期解決を望む労働者は通常、労働審判を利用する 近年では、早期に解決金を取得して紛争を解決することを希望する労働者は、迅速手続である労働審判を利用するのが通常です。弁護士が代理人について訴訟を選択したことには、それなりの意味がある可能性が高いです。 2 自己の要求を認めてもらうことを重視しているケースが多い ……

労働審判から訴訟移行後の解決期間と実務

この記事の結論 1 訴訟移行=必ずしも大幅長期化ではない 労働審判と訴訟は連続した手続であり、審判での主張や証拠はそのまま引き継がれます。争点整理が進んでいれば、ゼロから提起した訴訟よりも効率的に進むこともあります。 2 審判段階の準備の質が解決スピードを左右する 争点整理が不十分なまま移行すると、訴訟段階で主張の組み直しが必……

労働審判から訴訟へ移行した後の流れ

この記事の結論 1 異議申立ては「リセット」ではなく、長期戦への移行 異議申立てにより自動的に通常訴訟へ移行します。労働審判での主張や証拠は引き継がれますが、書面主義と証人尋問が中心となる長期戦への転換です。初動対応の質がその後の展開を左右します。 2 審理は白紙にならない。労働審判の主張・証拠は引き継がれる 労働審判段階での……

労働審判の異議申立てをすべきかの判断基準

この記事の結論 1 異議申立ては「正しさの証明」ではなく「コストの比較衡量」 異議を申し立てれば通常訴訟へ移行しますが、「判決による支払額の減少見込み」が「追加の弁護士費用・労務コスト」を上回らなければ、経営上の合理性は乏しいといえます。 2 代理人弁護士が慎重な場合は、その意見を重く受け止める 弁護士が異議に慎重である場合、……

労働審判で調停不成立の場合の流れ|審判の内容・異議申立ての期限・訴訟移行のリスクを解説

この記事の結論 1 調停不成立後は、概ね調停案に沿った内容の審判が出ることが多い 「調停を断ればゼロに戻る」という理解は誤りです。裁判所の心証はすでに形成されており、審判の内容は調停案の方向性を踏まえたものになることが通常です。 2 異議申立ての期限は2週間。慎重な経営判断が必要 審判が告知・送達されてから2週間以内に判断しな……

労働審判の第2回期日は何時間かかる?経営者が確保すべきスケジュールと注意点

この記事の結論 1 通常は第1回より短いが、調停成立を目指す場面では長時間になることがある 双方の合意が整っていれば30分足らずで終わることもありますが、金額交渉が続く場合は2時間を超えることもあります。実務上2時間30分程度を要したケースもあります。 2 万全を期すなら2〜3時間分の枠を確保しておく 「第2回だから短い」と考……

労働審判の第1回期日は何時間かかるのか|会社経営者が確保すべきスケジュールの目安

この記事の結論 1 実務上の目安は最短1時間20分、最長3時間30分 平均的には約2時間程度が一つの目安ですが、事案の複雑さや調停協議の状況によって前後します。解雇事案や残業代請求事件では3時間を超えることも現実にあります。 2 少なくとも2時間、できれば3時間半程度を確保する 期日後に重要な予定を詰め込むことは避けてください……

労働審判を弁護士のみで対応できるか。会社関係者が出頭しない場合のリスクと実務判断

この記事の結論 1 弁護士のみの出頭は可能だが、事実の説得力が弱まる 代理人弁護士は法律の専門家ですが、現場の当事者ではありません。「会社からこう聞いています」という伝聞説明は、直接体験者の具体的な説明と比べて説得力に差が出ます。 2 会社関係者の不在は心証形成に影響することがある 責任ある立場の者が出頭しないことは、解決に対……

労働審判の第1回期日に担当者が出頭できない場合の対応

この記事の結論 1 出頭できない事情を答弁書で明示する 何も説明しないまま担当者を欠席させることは避けてください。なぜ出頭できないのか、次回期日には出頭できるのかを答弁書に具体的に記載し、誠実な姿勢を示すことが重要です。 2 客観証拠で書面を補強し、書面で主張を完結させる 口頭説明が不十分になる分、メール・指導書面・勤怠記録な……

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