ワード:「労働問題」

個別合意よりも社員に有利な労働条件を定めた労働協約、就業規則が存在しない場合は、個別合意により賃金減額の効力が生じますか。

 個別合意よりも社員に有利な労働条件を定めた労働協約、就業規則が存在しない場合は、個別合意により賃金減額の効力が生じることになりますが、賃金減額に対する社員の同意の認定は慎重になされることが多いため「口頭」での同意では同意なしと認定されるリスクが高いものと思われます。賃金減額に対する社員の同意は「書面」で取るようにして下さい。   ……

個別合意よりも社員に有利な労働条件を定めた労働協約、就業規則が存在する場合、個別合意だけでは賃金減額の効力は生じませんか。

 個別合意よりも社員に有利な労働条件を定めた労働協約、就業規則が存在する場合には、それらの効力が個別合意に優先するため(労組法16条、労契法12条)、個別合意だけでは賃金減額の効力は生じず、労働協約、就業規則を変更して初めて賃金減額の効力が生じることになります。   ……

具体的に発生した賃金請求権を事後に変更された就業規則の遡及適用により処分又は変更することは許されますか。

 具体的に発生した賃金請求権を事後に変更された就業規則の遡及適用により処分又は変更することは許されません(香港上海銀行事件最高裁平成元年9月7日第一小法廷判決)。   ……

労契法9条の合意があった場合、合理性や周知性は就業規則の変更の要件とはならないと考えてよろしいでしょうか。

 「就業規則の不利益変更は、それに同意した労働者には同法9条によって拘束力が及び、反対した労働者には同法10条によって拘束力が及ぶものとすることを同法は想定し、そして上記の趣旨からして、同法9条の合意があった場合、合理性や周知性は就業規則の変更の要件とはならないと解される。」(協愛事件大阪高裁平成22年3月18日判決)との見解が妥当と思われますが、労働者の同意があれば合理性や周知性は就業規則の変更……

就業規則の変更による賃金減額が有効となるための要件を教えて下さい。

 就業規則の変更により賃金を減額する場合は、就業規則の不利益変更に該当するため、就業規則の変更が有効となるためには、以下のいずれかの場合である必要があります。
 ① 労働者と合意して就業規則を変更したとき(労契法9条反対解釈)
 ② 変更後の就業規則を周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労……

労働協約を締結することができない場合や労働協約の効力が及ばない労働者の賃金を減額する方法としては、どのようなものが考えられますか。

 労働協約を締結することができない場合や労働協約の効力が及ばない労働者の賃金を減額する方法としては、就業規則変更又は個別合意による賃金減額が考えられます。   ……

具体的に発生した賃金請求権を事後に締結された労働協約により処分又は変更することは許されますか。

 具体的に発生した賃金請求権を事後に締結された労働協約により処分又は変更することは許されません(香港上海銀行事件最高裁平成元年9月7日第一小法廷判決)。   ……

労働組合との間で賃金減額に関する労働協約を締結した場合、賃金減額の効力は非組合員にも及びますか。

 労働協約締結による賃金減額の効力が及ぶのは、原則として労働協約を締結した労働組合の労働組合員に限られることになりますが、労働協約には、労組法17条により、一の工場事業場の4分の3以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至ったときは、当該工場事業場に使用されている他の同種労働者に対しても右労働協約の規範的効力が及ぶ旨の一般的拘束力が認められており、この要件を満たす場合には、賃金減額に反対する……

労働協約で賃金を変更した場合の効力とは?組合員に及ぶ規範的効力と会社経営者の実務ポイント

[toc] 1. 労働協約の「規範的効力」とは何か  労働協約の最大の特徴は、その規範的効力にあります。  規範的効力とは、労働協約で定められた労働条件が、個々の労働契約の内容を直接拘束し、これに優先して適用される効力をいいます。  この点を定めているのが、労働組合法16条です。同条は、労働協約に定める労働条件が労働契約の内容に優先することを明確にしています。  したがって、会社と労働組……

賃金減額はどの方法が安全か?会社経営者が押さえるべき3つの法的手法とリスク比較

[toc] 1. 賃金減額はなぜ紛争化しやすいのか  賃金減額は、労働条件の中でも最も紛争化しやすいテーマの一つです。なぜなら、賃金は労働者にとって生活の基盤そのものであり、最も重要な労働条件だからです。  会社経営者にとっては、業績悪化や事業再編、評価制度見直しなど、合理的な経営判断の一環として賃金減額を検討する場面があります。しかし、労働者側から見れば、生活水……

飲食店の手待時間は休憩時間になるのか?残業代計算に含めるべき労働時間の法的判断

[toc] 1. 問題の所在―接客スタッフの待機時間は休憩か  飲食店において、接客担当スタッフに対し「お客さんがいない時間は休憩していてよいが、来店があればすぐ対応するように」と指示しているケースは少なくありません。  この場合、実際に接客業務をしていない時間を**労基法上の「休憩時間」**として扱い、実際に担当業務に従事している時間のみを残業代(割増賃金)計算の基礎となる労働時間とするこ……

飲食業の会社経営者が知るべき残業代(割増賃金)請求リスクの実態と対策|なぜ訴訟が多発するのか

[toc] 1. 飲食業で残業代(割増賃金)請求が多発する現実  飲食業において残業代(割増賃金)請求のリスクが特に高い最大の理由は、「業界慣行」と「法的義務」との間に大きな乖離がある点にあります。  会社経営者の中には、「飲食業だから仕方がない」「昔からこのやり方で問題にならなかった」「残業代を払えば利益が出ない」といった理由で、残業代(割増賃金)の支払いを当然の法的義務として十分に認識し……

運送業で「給料日前にお金を貸してほしい」と言われたら?会社経営者が知るべき貸付リスクと適切対応

[toc] 1. 運送業で起こりがちな「生活費を貸してほしい」問題  運送業を営む会社では、「給料日まで生活費がもたないからお金を貸してほしい」と言われることは珍しくありません。人手不足の中、現場を支えるトラック運転手からの切実な訴えに、会社経営者としては何とかしてあげたいと感じることもあるでしょう。  実務上は、貸し付けた金額を翌月の給与から天引きして返済してもらうという運用が行われてきま……

運送業で見落としがちな割増賃金とは?会社経営者が注意すべき「日当」と休日労働の落とし穴

[toc] 1. 運送業に特有の日当制と割増賃金問題  運送業を営む会社では、基本給を「1日当たりいくら」という日当制で支払っているケースが少なくありません。月給制を前提とする他業種とは異なり、日当制は運送業特有の賃金体系といえます。  もっとも、日当制であっても、時間外・休日・深夜労働に対する割増賃金の支払義務が免除されるわけではありません。割増賃金の支払は、労働基……

月例賃金に占める定額(固定)残業代の比率は、どれくらいまでなら許されますか。

 月例賃金に占める定額(固定)残業代の比率と定額(固定)残業代の有効性との間には、論理必然の関係はありません。
 もっとも、脳・心臓疾患や精神疾患を発症した場合に、長時間労働を理由として労災認定がなされる可能性が高い時間外労働を予定するような定額(固定)残業代制度を採用すべきではなく、月80時間分の時間外割増賃金額を下回る定額(固定)残業代額にすべきと考えます。個人的見解としては、月……

基本給や手当等に時間外・休日・深夜割増賃金を組み込んで支払う定額(固定)残業代は,どのような場合に有効となりますか。

[toc] 1 賃金規程等の定め  基本給や手当等に時間外・休日・深夜割増賃金を組み込んで支払ったといえるためには、基本給や手当等に時間外・休日・深夜割増賃金を組み込んで支払う旨の合意や賃金規程等の定めは最低限必要となります。「契約書の記載も賃金規程の定めも存在しないが、口頭で説明した。」では、基本給や手当等に時間外・休日・深夜割増賃金を組み込んで支払うことが労働契約の内容になっているとは認め……

残業代(割増賃金)込みの賃金ということで社員全員が納得しており、誰からも文句が出ていないのですから、別途残業代(割増賃金)を支払わなくてもいいのではないですか。

 残業代(割増賃金)込みで月給30万円とか、日当1万6000円と約束しており、それで文句が全く出ていないのだから、残業代(割増賃金)に相当する金額を特定していなくても、未払残業代(割増賃金)の請求を受けるはずはない、少なくともうちは大丈夫、と思い込んでいる会社経営者がいらっしゃいますが、甘い考えと言わざるを得ません。現実には、解雇などによる退職を契機に、未払残業代(割増賃金)を請求するたくさんの労……

残業代(割増賃金)に当たる部分を特定せずに月例賃金には残業代が含まれている旨の合意は有効ですか。

 残業代(割増賃金)に当たる部分を特定せずに月例賃金には残業代が含まれている旨合意し、合意書に署名押印させていたとしても、時間外・休日・深夜割増賃金に当たる部分の額が労基法及び労基法施行規則19条所定の計算方法で計算された金額以上となっているかどうか(不足する場合はその不足額)を計算(検証)することができず、残業代(割増賃金)を支払わないのと変わらない結果となるので、労基法37条の規定する時間外・……

当社は、同業他社よりも高額の基本給・手当・賞与を社員に支給し、毎年、昇給もさせるなどして社員の残業に対して十分に報いていますから、残業代(割増賃金)を別途支払う必要はないですよね。

 それなりに高額の基本給・手当・賞与を社員に支給し、昇給までさせているにもかかわらず、残業代(割増賃金)は全く支給しない会社が散見されます。社員の努力に対しては、基本給・手当・賞与の金額で応えているのだから、それで十分と、経営者が考えているからだと思われます。
 しかし、高額の基本給・手当・賞与の支給は残業代の支払の代わりにはなりませんし、毎月の基本給等の金額が上がれば残業代の単価が……

年俸制の社員に残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を支払う必要がありますか。

 年俸制の社員も労基法上の労働者であり、労基法上、年俸制社員について残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)の支払義務を免除する規定はありません。また、時間外・休日・深夜に労働させた場合でも労基法37条に定める残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を支払わない旨の合意や就業規則の定めは無効となります。
 したがって、労働契約や就業規則の定め如何にかかわらず、年俸制社員を時間外・休日・深夜に……

弁護士法人四谷麹町法律事務所

〒102-0083 東京都千代田区麹町6丁目2番6
PMO麹町2階

Copyright ©問題社員、労働審判、残業代トラブルの対応、経営労働相談|弁護士法人四谷麹町法律事務所 All Rights Reserved.
Return to Top ▲Return to Top ▲