ワード:「労働問題」
パワハラ・セクハラ紛争の類型には、どのようなものがありますか。
この記事の要点
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パワハラ・セクハラ紛争の主な類型は4つ。①損害賠償請求、②解雇・休職期間満了退職無効による地位確認、③合意退職の錯誤無効・強迫取消等による地位確認、④労災認定
それぞれの類型で法的な論点・対応方針が異なります
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②③の地位確認請求では、解雇の有効性・合意の有効性がメインの争点であり、パワハラ・セクハラは背景事情……
パワハラとセクハラの主な違いを教えて下さい。
この記事の要点
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最大の違いは「業務上の必要性」。性的言動(セクハラ)は業務上不要であるのに対し、注意指導・業務命令等(パワハラ)は業務上必要なものを含む
この違いが法的評価の分水嶺となります
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業務上必要な注意指導等は、業務上不要な性的言動と比較して「違法」とまで評価されにくい。パワハラよりセクハラの方が「違法」と評価され……
パワハラ・セクハラを法的に分析する際の視点を教えて下さい。
この記事の要点
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パワハラ・セクハラを法的に分析する際は「適法性」と「適切性」を区別して考えることが重要。「パワハラかどうか」という二項対立ではなく、3段階の程度の問題として捉える
この視点を持つことで、会社経営者は適正な業務指導と法的リスクのある行為を正確に区別できます
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訴訟で問われるのは①違法な言動か②③適法な言動か。……
パワハラ・セクハラを巡る紛争の実態は、どのようなものですか。
この記事の要点
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公的機関への相談数は多いが、パワハラ・セクハラを主な理由とする損害賠償請求メインの訴訟・労働審判はあまり多くない。解雇無効や残業代請求等に付随して損害賠償請求がなされるケースが多い
「パワハラと言われた=高額賠償」という発想は実態と乖離しています
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地位確認・残業代請求等に付随してパワハラ・セクハラ損害賠償請求がなされ……
セクハラの定義を教えて下さい。
この記事の要点
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「職場におけるセクシュアルハラスメント」はセクハラ指針により定義されており、「職場において行われる性的な言動」に対し、①労働条件につき不利益を受ける(対価型)または②就業環境が害される(環境型)の2類型がある
パワハラとは異なり、「職場の優位性」という要件はなく、同僚間・顧客からのセクハラも成立し得ます
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会社……
パワハラの定義を教えて下さい。
この記事の要点
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「パワハラ」の参考定義として広く用いられるのは、円卓会議ワーキング・グループ報告(平成24年1月30日):①職場内の優位性を背景に、②業務の適正な範囲を超えて、③精神的・身体的苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為
3つの要素すべてを満たさなければパワハラとは評価されないのが原則です
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「優位性」は上司・部……
少数組合の組合員など労働協約の効力が及ばない社員に対し平均賃金の60%の休業手当を超えて賃金を支払う必要があるかどうかについては、従来、どのような問題として争われてきましたか。
この記事の要点
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少数組合員など労働協約の効力が及ばない社員への60%超の賃金支払の要否は、民法536条2項の「使用者の責めに帰すべき事由」による受領拒絶に「合理的な理由があるか」という問題として争われてきた
「合理的な理由がない」と判断されれば、60%を超えた賃金全額の支払義務が生じます
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いすゞ自動車事件(宇都宮地裁栃木支部……
民法536条2項の適用を排除し平均賃金の60%の休業手当のみを支払う旨就業規則や労働契約に定めた場合には、平均賃金の60%の休業手当を支払えば足りますか。
この記事の要点
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理論的には60%で足りるはずだが、裁判所は就業規則や労働契約による民法536条2項の適用除外について慎重に判断する傾向がある
単に「休業期間中は平均賃金の60%の休業手当を支払う」と定めるだけでは不十分とされたケースがあります
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いすゞ自動車(雇止め)事件(東京地裁平成24年4月16日):「休業手当として60%を支給す……
民法536条2項の適用を排除し平均賃金の60%の休業手当のみを支払う旨の労働協約が締結された場合には、当該労働組合の組合員については、平均賃金の60%の休業手当を支払えば足りますか。
この記事の要点
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民法536条2項は任意規定であり、特約(労働協約・就業規則・個別合意)で排除することができる。労基法26条(強行規定)とは異なる
388番で解説した「排除できない休業手当(労基法26条)」と「排除できる賃金請求権(民法536条2項)」の区別が重要です
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民法536条2項の適用を排除し60%の休業手当のみを支払う旨の労働……
使用者の責めに帰すべき事由による休業がなされた場合における休業手当(労基法26条)の支払義務は、労働協約、就業規則、個別合意により排除することはできませんか。
この記事の要点
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使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合の休業手当(労基法26条)の支払義務は、労働協約・就業規則・個別合意によっても排除することができない
「就業規則で不支給と定めれば払わなくてよい」は誤りです
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根拠は3つの強行法規。労基法は労働契約に優先(労基法13条)、就業規則が労働基準法違反は無効(労基法92条)、就業規則……
会社の業績が悪いことを理由として休業がなされた場合、休業手当を支払う必要がありますか。
この記事の要点
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会社の業績が悪いことを理由として休業がなされた場合、通常は「使用者の責めに帰すべき事由」があると評価される。休業手当(平均賃金の60%以上)の支払義務が生じる(労基法26条)
「業績が悪いから休業させる・賃金は払わない」という対応は労基法26条に違反します
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「使用者の責めに帰すべき事由がない休業」(不可抗力等)の場合……
次年度の年俸額引下げを求めたところ合意が成立しなかった場合、次年度の年俸額はどうなりますか。
この記事の要点
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次年度の年俸引き下げ交渉が決裂した場合の年俸額がどうなるかは、労働契約の解釈問題であり、裁判例でも結論が分かれている。事前に明確な規定を設けておくことが唯一の予防策
「交渉が決裂したら前年度の額が自動的に継続する」わけでも、「会社が提示した額が適用される」わけでも、どちらとも言い切れません
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裁判例①:使用者が提示した……
年俸制を採用した場合に年度途中で年俸額を一方的に引き下げることができますか。
この記事の要点
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年俸制を採用した場合に年度途中で年俸額を一方的に引き下げることができるかどうかは労働契約の解釈問題であり、一般的には年度途中での一方的引き下げはできないケースが多い
年俸制は「1年間の賃金を確定する」という性質を持つためです
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「年俸制でも年度途中での変更を認める」旨の明確な規定が就業規則・労働契約に存在するかどうかが……
諸手当を廃止したり支給を停止したりすることはできますか。
この記事の要点
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賃金規程で定められた諸手当を廃止・停止するためには、賃金規程(就業規則)を変更するか附則に定める必要がある。一方的な廃止・停止は認められない
「今月から住宅手当は出しません」という口頭通告だけでは有効な廃止にはなりません
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諸手当の廃止・停止は就業規則の不利益変更であり、変更の合理性(労契法10条)が審査される。賃金に……
賞与を支給しないことはできますか。
この記事の要点
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個別労働契約・就業規則・労働協約のいずれにも一定額・割合の賞与支給義務が定められていない場合は、賞与を支給しなくても法的問題はない
まず義務規定の有無を確認することが出発点です
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「毎年払ってきた慣行がある」という理由で賞与請求がなされることがあるが、労使慣行の成立が認められるケースは多くない。3要件すべてを満たす必要……
ベースアップを凍結することはできますか。
この記事の要点
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ベースアップは、労使交渉により特段の決定がなされない限り行う必要はない。定期昇給とは異なり、特別の合意がなければ実施義務は発生しない
「凍結する」のではなく「特段の決定がなければそもそも義務はない」という性質のものです
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ただし、就業規則・労働協約にベースアップ実施の義務が明記されている場合や、長年の慣行として定着して……
定期昇給を凍結することはできますか。
この記事の要点
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就業規則に一定額・一定割合以上の定期昇給を行う義務が定められている場合。凍結するためには労働協約の締結か就業規則変更が必要
就業規則に義務規定がある場合、一方的に凍結することはできません
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同意が得られず就業規則変更による一方的変更を行う場合。合理性(労契法10条)の有無が問題となり、特に高度の必要性が要求される(37……
未発生の賃金債権の減額に対する同意の意思表示の効力を肯定するための要件を教えて下さい。
この記事の要点
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未発生の賃金債権の減額への同意についても、近時の傾向として、自由な意思に基づくものであることが明確であることが要求される。「受け入れる行為があった」だけでは足りない
379番(既発生の賃金債権の放棄)の隣接問題として、未発生の場合も同様の厳格な傾向が見られます
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最低限の要件①:書面による同意書の取得。口頭同意では「同……
既発生の賃金債権の減額に対する同意の意思表示の効力を肯定するための要件を教えて下さい。
この記事の要点
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既発生の賃金債権の放棄は「賃金全額払の原則」(労基法24条1項)に関わるため、自由な意思に基づいてされたものであることが明確でなければ効力が肯定されない(シンガーソーイングメシーン事件・最高裁昭和48年1月19日)
将来の賃金減額への同意よりも、既発生の賃金債権の放棄には一段高い要件が課されます
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最低限の要件①:同意……
個別合意よりも社員に有利な労働条件を定めた労働協約、就業規則が存在しない場合は、個別合意により賃金減額の効力が生じますか。
この記事の要点
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個別合意よりも社員に有利な労働協約・就業規則が存在しない場合は、個別合意により賃金減額の効力が生じる。この場合は協約・就業規則の変更なしに個別合意だけで対応できる
377番とは逆の状況です
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ただし、賃金減額への同意の認定は慎重になされるため、口頭での同意は「同意なし」と認定されるリスクが高い。必ず「書面」で同意書を取……