ワード:「労働問題」

通勤時間や取引先への移動時間は労働時間になるのか|会社経営者が押さえるべき判断基準

[toc] 1.通勤時間が労働時間に該当しないとされる理由  労働基準法上の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいいます。この点を前提にすると、通常の通勤時間は、原則として労働時間には該当しません。  労働者が使用者に対して負う労務提供義務は、使用者の指定する場所において労務を提供することを内容とするものです。通勤は、その労務を提供するために労働力を使用者のもとへ運ぶ……

作業の準備・後片付けの時間は労働時間になるのか|会社経営者が知っておくべき判断基準

[toc] 1.作業準備・後片付け時間の労働時間該当性の基本的考え方  作業の準備や後片付けの時間が労基法上の労働時間に当たるかどうかは、その行為が使用者の指揮命令下に置かれていたかという観点から判断されます。実際に生産行為そのものを行っている時間に限られず、付随的な行為であっても、一定の場合には労働時間に含まれる点に注意が必要です。  特に重要なのは、当該準備行為や後片付けが、業務を行うた……

手待時間は労働時間になるのか|会社経営者が誤解しやすい休憩時間との境界線

[toc] 1.手待時間とは何か―労基法上の基本的な位置づけ  手待時間とは、労働者が使用者の指示があれば直ちに業務に従事しなければならない状態に置かれている時間をいいます。労働基準法上は、この手待時間は原則として労働時間に該当すると整理されています。  重要なのは、実際に作業をしているかどうかではありません。作業をしていなくても、使用者の管理下にあり、自由に時間を使うことができない状態であ……

労基法上の「労働時間」とは何か|会社経営者が見落としやすい指揮命令下の判断基準

[toc] 1.労基法上の労働時間の基本的な考え方  労働基準法における「労働時間」とは、単に会社に滞在している時間や、労働者が自主的に作業をしている時間を指すものではありません。労基法上の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、客観的に判断されるものとされています。  この「指揮命令下にあるかどうか」は、会社経営者の主観的な認識や、労働者本人の意識によって決まるも……

36協定を締結していても残業代は不要にならない|会社経営者が誤解しやすい割増賃金の基本

[toc] 1.36協定の役割と会社経営者が誤解しやすいポイント  36協定は、法定労働時間である1日8時間、1週40時間を超えて労働者に時間外労働や休日労働をさせるために、会社経営者が必ず締結しておくべき労使協定です。これがなければ、時間外労働や休日労働そのものが違法となります。  一方で、36協定を締結したことで「残業代を支払わなくてもよい」「長時間働かせることが正当化される」と誤解して……

年休中に労働組合加入を勧誘する社員を懲戒処分できるのか|会社経営者が押さえる判断基準

[toc] 1.年次有給休暇の取得目的と会社の関与限界  年次有給休暇は、労働基準法に基づき労働者に保障された権利であり、その取得目的について会社経営者が干渉することはできません。年休を取得する理由が私的な用事であっても、自己研鑽であっても、あるいは労働組合に関する活動であっても、その点だけを理由に問題視することは許されていません。  会社経営者の中には、「事業所内で組合活動をされるのは困る……

除外賃金に当たる手当とは何か ― 残業代算定から除外できる具体例と判断基準 ―

[toc] 1. 除外賃金とは何か  残業代算定の基礎から除外される賃金は、一般に**「除外賃金」**と呼ばれています。除外賃金とは、労働基準法37条5項および同施行規則21条に基づき、例外的に残業代算定の基礎に含めなくてよいとされている賃金を指します。  具体的には、家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、一か月を超える期間ごとに支払われる賃金が、法律上……

残業代算定の基礎とならない賃金とは ― 除外賃金の考え方と会社経営者が注意すべきポイント ―

[toc] 1. 残業代算定の基礎が問題となる場面  残業代を計算する際、どの賃金を算定の基礎に含めるのかは、会社経営者にとって非常に重要な実務上のポイントです。残業代の計算方法そのものは理解していても、「どの手当まで含める必要があるのか」が曖昧なまま運用されているケースは少なくありません。  特に問題となりやすいのは、家族手当、通勤手当、住宅手当など、基本給とは別に支給されている各種手当の……

労働者と合意して賃金減額をする場合のポイントを教えて下さい。

[toc] 1. 労働者との合意による賃金減額が問題となる場面  賃金減額を検討する場面として、会社経営者がまず思い浮かべるのは、労働協約や就業規則の変更による対応かもしれません。しかし、実務上は、「特定の労働者と個別に話し合い、合意のうえで賃金を減額したい」というケースも少なくありません。  例えば、業績悪化への対応として一時的な賃金調整を行いたい場合や、職務内容や役割の変更に伴い賃金水準……

労働協約に基づいて賃金を減額する場合のポイント ― 会社経営者が押さえるべき適用範囲と注意点 ―

[toc] 1. 労働協約による賃金減額が問題となる場面  賃金の減額は、会社経営者にとって最も慎重な判断が求められるテーマの一つです。特に、業績悪化や人件費構造の見直しを背景として、「労働協約に基づいて賃金を減額できないか」と検討する場面は、実務上少なくありません。  賃金は労働条件の中でも中核的な要素であり、原則として、会社が一方的に引き下げることはできません。そのため、賃金減額を行う場……

業務命令としての降格に伴う賃金減額の要件を教えて下さい。

[toc] 1 降格の種類  まず、降格は、降格される地位がどのようなものかという観点から、役職・職位を引き下げる降格と、職能資格制度上の資格・等級や職務・役割等級制度上の等級を下げる降格に分類されます。
 次に、降格は、降格の根拠がどのようなものかという観点から、懲戒処分としての降格と業務命令としての降格に分けられます。懲戒処分としての降格は、懲戒処分に対する法規制を受け、その……

懲戒処分として減給する際のポイントを教えて下さい。

 懲戒処分として減給をするためには、周知された就業規則に懲戒事由及び懲戒処分の手段として減給の定めを置いておくことが必要です。
 その上で、使用者は当該労働者が懲戒事由に該当する行為をしたか調査します。事実調査の際は、メールや書面等の客観的な証拠を残しつつ行うことが重要です。
 調査の結果、懲戒事由に該当する事実が認められ、かつ、懲戒処分の手段として減給が適切であると判……

労働審判手続中に会社更生手続が開始した場合、労働審判手続は中断されますか?

 労働審判手続中に会社更生手続が開始したとしても、労働審判手続は中断されません。承継人である管財人に手続が承継され、管財人が当事者の地位に就くことになります。
 共益債権に当たる賃金債権は、更生計画によらず、随時弁済することができるため、会社更生手続開始後も、審理や調停、審判等の労働審判手続が進められていくことになります。
 優先的更生債権に当たる賃金債権は、更生計画の……

労働審判手続中に会社の破産手続が開始した場合、労働審判手続は中断されますか?

 労働審判手続中に会社の破産手続が開始されたとしても、労働審判手続は中断されません。
 労働者側が、財団債権となる賃金部分を請求している場合、破産管財人が承継され、労働審判手続が行われていくことになります。
 税金等の優先的破産債権となる部分が請求されている場合については、優先的破産債権は破産手続以外の行使は認められていないため、申立てを不適法として裁判所が却下するか、……

降格をするには就業規則上の根拠が必要ですか。

[toc] 1.懲戒処分としての降格  懲戒処分としての降格をするためには、懲戒処分の該当事由と、懲戒処分の種類として降格があることを就業規則に定めた上で、就業規則を周知させておく必要があります。 2.人事権による役職・職位の降格  人事権による役職・職位の降格は、使用者の裁量的判断により行うことができますので、就業規則上の根拠は不要ですが、相当な理由のない降格は人事権の濫用として無効にな……

降格にはどのようなものがありますか?

 降格について法律上の定義はありませんが、一般的には、懲戒処分としての降格と、業務命令としての降格に分類されます。
 懲戒処分としての降格は、懲戒処分に対する法規制を受け、その要件と効果について就業規則で定められていることが必要です。
 業務命令としての降格は、人事権の行使として行われるものですから、就業規則の根拠は必ずしも必要とせず、使用者が業務命令や人事に関して有す……

出勤停止による無給は労基法91条に反しますか?

 出勤停止による無給は、労働者が出勤停止処分によって労務提供しないことの結果(いわゆるノーワークノーペイ)ですので、減給処分による賃金減額とは異なります。
 労基法91条は減給処分における減額の上限を定めるものですから、出勤停止による無給には適用されません。解釈例規や裁判例でも同様の見解が述べられています(昭和23年7月3日基収2177号、パワーテクノロジー事件東京地裁平成15年7月……

就業規則に「懲戒解雇の場合、退職金は不支給とする。」と定めておけば、懲戒解雇する労働者に退職金を支給しなくてもいいですか。

 退職金には、在職期間中の労務提供の対価(賃金)の後払いという側面があります。賃金の後払いという側面がある以上、懲戒解雇の場合に退職金を不支給とすると就業規則で規定しても、労働者が退職時までに積み上げてきた労務提供に対する対価が否定されるような事情がなければ、退職金を不支給にすることはできないとされています。
 裁判例では、「当該労働者の永年の勤続の功を抹消してしまうほどの重大な不信……

従業員が10人未満の場合に就業規則を作成する必要はありますか。

 常時働いている労働者が10人未満であれば、労基法上、使用者は就業規則作成義務を負いませんので、就業規則を作成・届出をしなくても労基法違反にはなりません。
 しかし、懲戒処分をするためには就業規則に規定を設けて周知させる必要がありますし、就業規則に労働時間や賃金等の労働条件を画一的、統一的に定めることができますので、労働者が10人未満の会社であっても就業規則を作成することをお勧めしま……

兼業・副業が発覚した労働者を懲戒処分することはできますか?

 兼業・副業は、労働時間外の私生活上の行為ですので、労働契約における規律・秩序を保持するための制裁である懲戒処分の対象とはならないのが原則です。
 もっとも、就業規則で無断兼業・無断副業の禁止規定があるにもかかわらず無許可で兼業・副業している場合、兼業・副業が原因で何度も欠勤している場合、兼業・副業によって業務に支障が生じている(兼業・副業で深夜まで働いているために遅刻や居眠りが目立……

弁護士法人四谷麹町法律事務所

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