ワード:「労働問題」

退職後の競業避止義務はどこまで有効?無効を避ける「6つの判断基準」と代償措置を弁護士が解説

この記事の結論 「形式的な誓約書」では会社を守れない可能性があります 退職後の競業避止義務が裁判で「有効」と認められるためには、以下の6つの基準を満たし、従業員の不利益を補う合理的な設計がされている必要があります。 正当な利益: その情報は、会社が必死に隠すべき「宝」か? 限定された範囲: 期間(1〜2年)や地域が、必要最小限に絞られているか? 適正な代償: 制限をかける代わ……

整理解雇する場合に検討すべき事項を教えてください。

[toc] 整理解雇の定義  整理解雇とは、使用者が経営上必要とされる人員削減のために行う解雇です。 整理解雇の有効性の判断要素  整理解雇の有効性は、①人員削減の必要性、②解雇回避努力義務の履行、③人選の合理性、④手続の相当性の要素を考慮して判断されます。 ①人員削減の必要性  整理解雇による人員削減が、不況や経営不振等、使用者の経営上の十分な必要性に基づくものか否かがポイントとなり……

運送業の皆勤手当・無事故手当は除外賃金になる?会社経営者が知るべき「臨時に支払われた賃金」の判断基準

[toc] 1. 除外賃金とは何か―割増賃金計算との関係  運送業において皆勤手当や無事故手当が問題となるのは、それが割増賃金の計算基礎に含まれるかどうかという点です。  時間外・休日・深夜労働に対する割増賃金は、「通常の労働時間の賃金」を基礎として算定されます。そして、この基礎賃金から除外できる賃金の範囲は、法律で限定的に定められています。  この点を定めているのが、労働基準法です。同法……

労働組合の「正当な行為」が問題とされるケースにはどのようなものがありますか?

 労働組合の行為には、「正当性」が必要とされています。正当性がないのであれば使用者が懲戒処分などをしても、不当労働行為には該当しないことになります。
 たとえば、労働組合内部の承認を経ずに一部の集団が独自に行うストライキ、労働者の経済的地位の向上とは直接関係のない政治的目的の争議行為は正当性が否定されるのが通常で、団体交渉を経ない抜き打ちのようなストライキ、労働協約中の平和条項に違反……

賃金債権の放棄はいつ有効か|自由な意思が問われる判断基準と裁判例

[toc] 1. 賃金債権放棄に関する基本的な考え方  賃金は、労働者の生活を支える基盤であることから、労働法上、極めて強い保護が与えられています。そのため、すでに発生した賃金債権を労働者が放棄することについては、原則として慎重に判断されます。  もっとも、賃金債権の放棄が常に無効とされるわけではありません。裁判実務では、労働者が自己の判断により、自由な意思に基づいて賃金債権を放棄したと認め……

労働者に対する債権を賃金と相殺できるか|賃金全額払原則と裁判例

[toc] 1. 賃金全額払原則と相殺の基本的な考え方  労働基準法は、賃金について「全額を、直接、労働者に支払わなければならない」という、いわゆる賃金全額払原則を定めています。この原則は、賃金が労働者の生活の基盤であることから、使用者が一方的に控除や差引きを行うことを厳しく制限する趣旨のものです。  そのため、会社が労働者に対して債権を有している場合であっても、これを当然に賃金と相殺するこ……

不当労働行為とは何か|会社経営者が知っておくべき基本類型と注意点

[toc] 1. 不当労働行為制度の趣旨と位置づけ  不当労働行為とは、使用者が労働組合や労働者の正当な組合活動に対して行う、労働組合法で禁止された一定の行為をいいます。労働組合法は、労働者が団結し、団体交渉を行う権利を実効的に保障するため、使用者の行為を一定範囲で制限しています。  この不当労働行為が問題となる最大の特徴は、通常の労働紛争とは異なる特別な救済制度が設けられている点にあります……

配転が権利の濫用と判断されるか|裁判例からみる判断要素

[toc] 1. 配転命令と権利濫用の基本的な考え方  配転命令は、会社が円滑に事業を運営するために行使する人事権の一内容であり、会社経営者には広い裁量が認められています。業務内容や勤務場所を変更することは、企業活動において避けられない側面があり、通常は労働者が一定の不利益を受けることも予定されています。  もっとも、この人事権行使にも無制限の自由があるわけではありません。配転命令が、社会通……

就業規則に配転規程はあるが労働条件通知書に記載がない場合、配転命令はできるのか?【会社経営者向け】

[toc] 1. 配転命令の基本的な法的考え方  配転命令とは、労働者の職種や勤務場所を変更する人事命令をいいます。会社経営者にとっては、業務の円滑な遂行や人材配置の最適化のために重要な人事権の一つですが、無制限に行使できるものではありません。  一般に、労働契約において勤務場所や職種を限定する個別の合意がない場合には、使用者は就業規則等を根拠として、業務上の必要性に基づき配転命令を行うこと……

就業規則に定年の定めがない場合、60歳超の正社員に辞めてもらうことはできるのか?【会社経営者向け】

[toc] 1. 就業規則に定年の定めがない場合の基本的な考え方  就業規則に定年の定めがない場合、期間の定めのない労働契約を締結している労働者は、原則として年齢を理由に当然に退職することはありません。60歳を超えたという理由だけで雇用関係を終了させることはできず、会社経営者としては慎重な対応が求められます。  このようなケースでは、労働者は引き続き無期労働契約の下で就労する地位を有しており……

賃金を変更する方法にはどのようなものがあるのか?適法に進めるための実務ポイント【会社経営者向け】

[toc] 1. 賃金の変更方法の全体像  労働者の賃金を変更することは、会社経営者にとって経営判断と労務管理の両面から慎重な対応が求められる重要な問題です。賃金は労働条件の中核をなすものであるため、その変更方法を誤ると、賃金請求や労使紛争に発展するおそれがあります。  賃金を変更する方法としては、大きく分けて、就業規則や労働協約といった集団的なルールを変更する方法と、個別の労働者との合意や……

職務・勤務地・労働時間が限定された正社員は解雇できるのか?有効性判断のポイント【会社経営者向け】

[toc] 1. 職務・勤務地・労働時間が限定された正社員とは  職務や勤務地、労働時間が限定された正社員とは、労働契約において、従事する職務内容、勤務する事業所や地域、あるいは労働時間などがあらかじめ特定されている正社員をいいます。いわゆる「限定正社員」は、無限定で配置転換や転勤の対象となる通常の正社員とは異なる位置付けにあります。  このような限定正社員については、労働契約上、使用者の人……

定年退職後に再雇用した場合、有給休暇の継続勤務年数は通算されるのか?【会社経営者向け】

[toc] 1. 有給休暇における継続勤務年数の基本的な考え方  年次有給休暇は、一定期間継続して勤務し、かつ所定の出勤率を満たした労働者に付与される法定の休暇です。会社経営者としては、有給休暇の付与日数や管理方法を適切に行うために、「継続勤務年数」の考え方を正しく理解しておく必要があります。  原則として、年次有給休暇は、雇い入れの日から6か月間継続勤務し、その期間の全労働日の8割以上出勤……

合意退職と辞職の違いとは?退職届の撤回可否から見る実務上の判断ポイント【会社経営者向け】

[toc] 1. 合意退職と辞職の基本的な違い  合意退職と辞職は、いずれも雇用契約が終了する点では同じですが、その成立の仕組みと法的性質は大きく異なります。会社経営者としては、この違いを正しく理解していないと、退職の有効性や撤回の可否を巡るトラブルに発展するおそれがあります。  合意退職とは、会社と労働者の双方が雇用契約を終了させることについて合意することにより成立するものです。あくまで契……

就業規則の不利益変更が有効とされた裁判例|成果主義賃金制度への変更の合理性

[toc] 1. 事案の概要と問題点  本件は、会社が年功序列型の賃金制度から成果主義賃金制度へ移行するため、給与規程(就業規則)を変更したことの有効性が争われた事案です。変更の結果、評価や成果次第では従前より賃金が下がる労働者が生じる可能性があり、労働者側は「就業規則の不利益変更に当たり無効である」と主張しました。  問題となったのは、就業規則の不利益変更が許されるかどうか、すなわち変更に……

退職後の競業避止義務の有効性はどのように判断されるのか?【会社経営者向け】

[toc] 1. 退職後の競業避止義務と基本的な法的考え方  退職後の競業避止義務とは、従業員が退職した後、一定期間、一定の範囲で競合する事業に従事することを禁止する義務をいいます。会社経営者にとっては、自社の顧客情報や技術情報などの重要な経営資源を守るための手段として位置付けられるものです。  もっとも、退職後の競業制限は、憲法が保障する職業選択の自由を制約する性質を有します。そのため、競……

持ち帰り残業の時間は労働時間に該当するのか?【会社経営者向け】

[toc] 1. 持ち帰り残業と労働時間の基本的な考え方  持ち帰り残業とは、労働者が会社の事業場ではなく、自宅など私的な生活の場において業務を行う形態をいいます。近年、テレワークや業務のデジタル化により、持ち帰り残業が問題となる場面も増えていますが、その時間が直ちに労働時間に該当するわけではありません。  労働時間に該当するかどうかの判断基準は、場所ではなく「使用者の指揮命令下に置かれてい……

会社が実施する健康診断の時間は労働時間に該当するのか?【会社経営者向け】

[toc] 1. 会社が実施する健康診断と労働時間の基本的な考え方  会社が実施する健康診断の受診時間が労働時間に該当するかどうかは、会社経営者にとって賃金支払や労務管理に直結する重要な問題です。労働時間に該当すれば、その時間について賃金の支払義務が生じ、場合によっては割増賃金の支払も必要となります。  労働時間とは、一般に「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」を指します。そのため……

研修や会社行事の時間は労働時間になるのか|会社経営者が判断を誤りやすいポイント

[toc] 1.研修・会社行事の時間が問題になりやすい理由  研修や会社行事の時間は、会社経営者にとって「業務の延長なのか」「任意参加なのか」が曖昧になりやすく、労働時間該当性を巡ってトラブルが生じやすい分野です。特に、所定労働時間外や休日に実施される場合、残業代や休日割増賃金の支払義務が問題となります。  多くの会社では、研修や会社行事を「人材育成の一環」「社内コミュニケーションのためのイ……

出張中の移動時間は労働時間になるのか|休日移動と割増賃金の判断基準を整理

[toc] 1.出張中の移動時間に関する基本的な考え方  出張中の移動時間が労基法上の労働時間に該当するかどうかは、その移動時間が使用者の指揮命令下に置かれているかという観点から判断されます。出張という業務に関連しているからといって、移動時間が直ちに労働時間になるわけではありません。  出張の際の往復に要する移動時間は、労働者が日常的に行っている通勤と同様に、労務提供の前提行為として位置付け……

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