問題社員53 同僚に嫌がらせをする。
1 事実関係の把握
まずは事実関係を把握することが重要です。嫌がらせがあった日時、場所、内容を確認し、社員の言い分を聴取する際は、嫌がらせを受けたと思われる社員だけでなく、嫌がらせをしたと思われる社員、場合によっては周囲の社員からも話を聴くようにしましょう。
2 注意・指導
嫌がらせが確認できた場合、まずは嫌がらせをした社員を注意指導することから始めるのが穏当です。注意指導の際には、どのような注意指導をしたのか、嫌がらせをした社員からどのような言い分を聞いたのか書面等で証拠を残しておくことが望ましいと考えます。
3 配置転換
注意指導しても、改善がみられない場合には、当該社員を配置転換することが考えられます。配置転換する際には不当な動機・目的である等と認定されないよう慎重に判断する必要があります。
4 退職勧奨
配置転換しても改善がみられず、やむを得ず退職してもらいたい場合には、退職勧奨することが考えられます。スムーズに退職勧奨に応じてもらえればいいのですが、退職勧奨に応じず「解雇して欲しい」と言ってくる社員がいます。その場合は、言われるがままに解雇してしまうことのないよう注意しましょう。
5 懲戒処分
嫌がらせすることは、個人の人格権を侵害する行為であり、ひいては職場秩序を乱す行為といえますので、戒告の懲戒処分をすることが考えられます。有効に懲戒処分をするための前提として、就業規則に懲戒事由を定めること及び就業規則を周知させておくことが必要です。
弁護士法人四谷麹町法律事務所
(勤務弁護士作成)