労働問題682 使用者は、管理監督者の労働時間について自由裁量を認めなければならないのでしょうか?

 規制なく残業し、休日にも出勤せざるを得ない管理監督者に対し、厳格な労働時間の規制をするのは問題ではありますが、だからといって、何時に出勤し、何時に帰宅するのかは全くの自由であると考えるべきではありません。
 管理監督者も労基法が適用される労働者であることは間違いなく、フレックスタイム制のフレキシブルタイムの時間帯の範囲内でない限り、労基法が適用される労働者に、出社時間も退社時間も自由な労働者はいないと考えます。
 管理監督者に関する基本通達(昭和22年9月13日基発17号、昭和63年3月14日基発150号)では「労働時間等の規制になじまない」と述べているに過ぎず、暇であれば10時や11時に出勤し、帰りも15時や16時に退社していいということではないと考えるべきです。
 また、管理監督者と取締役を混同するのは誤りで、そもそも純然たる取締役は、毎日出勤することを予定されておらず、会社に来る時間や帰る時間も決められていません。
 つまり、始業時刻9時、終業時刻18時の会社において、毎朝11時に出勤したり、毎日16時に帰る管理監督者に対し、会社が処分等何もできないということはありません。通常の企業であれば、管理監督者の勤怠が著しく不良であれば問題とすべきであり、そのような労働者に対し使用者は注意し、それでも改善されない場合は懲戒処分等も検討しなければなりません。

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