ワード:「就業規則」
所定労働時間7時間30分で、固定給と歩合給両方を支払っている場合の残業代はどのように計算すればいいですか?
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労働時間の分類と賃金の支払
就業規則上の所定労働時間が7時間30分の企業において、7時間30分を超えて残業させた場合、8時間までの30分間は法内時間外労働となり、8時間を超えた部分は法定時間外労働となります。
法定時間外労働は、労基法37条1項において、一定の割増率以上の割増賃金(残業代)を支払わなければならないとされています。
法内時間外労働につ……
法定時間外労働は、労基法37条1項において、一定の割増率以上の割増賃金(残業代)を支払わなければならないとされています。
法内時間外労働につ……
所定労働時間が7時間30分の場合の残業代計算方法を教えて下さい。
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労働時間の分類
就業規則上の所定労働時間が7時間30分の企業において、7時間30分を超えて残業させた場合、8時間までの30分間は法内時間外労働となり、8時間を超えた部分は法定時間外労働となります。
法定時間外労働の賃金は、労基法37条1項において、一定の割増率以上の割増賃金(残業代)を支払わなければならないとされています。
法内時間外労働の賃金は、……
法定時間外労働の賃金は、労基法37条1項において、一定の割増率以上の割増賃金(残業代)を支払わなければならないとされています。
法内時間外労働の賃金は、……
残業代計算において、日給、月給制、歩合給制、年俸制の通常の賃金の時間単価はどのように計算しますか?
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1.通常の賃金の時間単価の計算方法
割増賃金(残業代)は、「通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額」(以下、通常の賃金の時間単価という)に割増率を乗じて計算します(労基法37条1項)。
通常の賃金の時間単価については、労基則19条に定めがあり、時間給の場合はその額、日給の場合は日給を所定労働時間数で除した額、月給制の場合は月給を所定労働時間数で除した額、歩合給制の……
通常の賃金の時間単価については、労基則19条に定めがあり、時間給の場合はその額、日給の場合は日給を所定労働時間数で除した額、月給制の場合は月給を所定労働時間数で除した額、歩合給制の……
有期労働契約の無期労働契約への転換(無期転換ルール)について教えてください。
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1. 無期転換ルールの概要
労働契約法18条は、期間の定めのある労働契約について、契約期間が5年を超える場合には、労働者に無期転換権が発生すると定めています。これは、有期労働契約を反復更新して労働者を長期間継続雇用するという有期労働契約の濫用的利用を防ぎ、有期労働契約者の雇用の安定を図ることにあります。
2. 無期転換の要件
有期労働契約が無期労働契約へ転換する場合の要件は……
私傷病休職期間中は賃金を支払わなければならないのでしょうか?
私傷病休職期間中の賃金の発生の有無は、就業規則等の定めによるのが通常ですから、就業規則等で私傷病休職期間中に賃金を支払うと定めている場合には、支払う必要があります。
私傷病休職期間中の賃金の有無の定め方について、大企業では、有給期間と無給期間を併用している会社が多いですが、一般的には、私傷病休職は労働者側の事情による欠勤として無給とし、私傷病手当金等を活用することが多いです。 ……
私傷病休職期間中の賃金の有無の定め方について、大企業では、有給期間と無給期間を併用している会社が多いですが、一般的には、私傷病休職は労働者側の事情による欠勤として無給とし、私傷病手当金等を活用することが多いです。 ……
当社の所定労働時間は8時間です。始業時刻に30分遅刻した労働者が終業時刻後30分労働した場合,残業代を支払う必要はありますか。
残業代を支払う必要があるのは,法定労働時間(1日8時間,1週40時間)を超えて労働をした場合であり,ここでいう労働時間とは実労働時間のことをいいます。
ご質問のケースの場合,実労働時間は8時間であり,法定労働時間を超えていませんので,就業規則等で規定していない限り,時間外割増賃金を支払う必要はありません。 ……
ご質問のケースの場合,実労働時間は8時間であり,法定労働時間を超えていませんので,就業規則等で規定していない限り,時間外割増賃金を支払う必要はありません。 ……
労働者が10人未満であれば就業規則を作成しなくても良いですか。
労基法上,就業規則の作成義務,労基署への届出義務が課されているのは労働者が10人以上の場合ですので,労働者が10人未満であれば就業規則の作成義務はありません。
しかし,労働者を懲戒処分する場合や出向させる場合などの企業の人事権を有効に行使するためには,企業規模に関わらず,就業規則で根拠となる規定を定め,周知しておく必要がありますので,労働者が10人未満の場合であっても,就業規則を……
しかし,労働者を懲戒処分する場合や出向させる場合などの企業の人事権を有効に行使するためには,企業規模に関わらず,就業規則で根拠となる規定を定め,周知しておく必要がありますので,労働者が10人未満の場合であっても,就業規則を……
就業規則を作成する際の手順を教えてください。
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1.就業規則の作成義務
常時10人以上の労働者を使用する場合には,就業規則の作成義務と労基署への届出義務があります。労働者は,正社員,パート,契約社員などの雇用形態を問わず当該事業場で使用されている者をいいます。
常時10人以上の労働者を使用していない場合であっても,懲戒処分をするためには就業規則を定めて周知させている必要がありますので,会社の規模に関係なく就業規……
常時10人以上の労働者を使用していない場合であっても,懲戒処分をするためには就業規則を定めて周知させている必要がありますので,会社の規模に関係なく就業規……
所定労働時間が7時間の会社で8時間働いた場合,1時間分の割増賃金を支払う必要がありますか。
割増賃金を支払う必要があるのは,1日8時間,1週40時間を超えて労働させた場合です。
質問の1時間の労働は8時間以内の労働のため,当該時間が1週40時間を超えていない限り,割増賃金を支払う必要はありません。
しかし,貴社の場合,労働契約に基づく賃金支払対象は7時間ですので,賃金支払対象となっていない1時間(法内残業)については,就業規則等により定めがある場合には……
質問の1時間の労働は8時間以内の労働のため,当該時間が1週40時間を超えていない限り,割増賃金を支払う必要はありません。
しかし,貴社の場合,労働契約に基づく賃金支払対象は7時間ですので,賃金支払対象となっていない1時間(法内残業)については,就業規則等により定めがある場合には……
人事考課制度に基づいて賃金を引き下げる場合のポイントを教えてください。
人事考課制度に基づいて賃金を引き下げる場合,以下の(1) ~(4)を満たすように就業規則を定めた上で適正に人事評価をする必要があります。
(1) 就業規則等による労働契約に降給が規定されている
(2) 降給の仕組み自体に合理性と公正さがある
① 降給が決定される過程に合理性がある
② その過程が従業員に告知されてその言い分を聞く等の公正な手続が存す……
(2) 降給の仕組み自体に合理性と公正さがある
① 降給が決定される過程に合理性がある
② その過程が従業員に告知されてその言い分を聞く等の公正な手続が存す……
労働者と合意することなく,就業規則を労働者に不利益な内容に変更することはできますか?
原則として,使用者は,労働者と合意することなく,就業規則を労働者に不利益な内容に変更することはできません(労契法9条本文)。
しかし,労働者の合意がなかったとしても,例外的に,①就業規則の変更に「合理性」があり,②それが労働者に「周知」されている場合には,就業規則を労働者に不利益な内容に変更することができます(労契法10条)。
①「合理性」があるかどうかは,労働者……
しかし,労働者の合意がなかったとしても,例外的に,①就業規則の変更に「合理性」があり,②それが労働者に「周知」されている場合には,就業規則を労働者に不利益な内容に変更することができます(労契法10条)。
①「合理性」があるかどうかは,労働者……
社員の退職後に懲戒解雇事由が発覚した場合,退職金を不支給にすることはできますか?
就業規則に「懲戒解雇された者には退職金を支給しない。」と定めている会社がありますが,この定め方では,社員の退職後に懲戒解雇事由が発覚したとしても退職金を不支給とすることはできません。なぜなら,既に退職している社員を懲戒解雇することはできないからです。
社員の退職後に懲戒解雇事由が発覚した場合でも退職金を不支給にできるようにするためには,就業規則の退職金不支給条項に「懲戒解雇事由が……
社員の退職後に懲戒解雇事由が発覚した場合でも退職金を不支給にできるようにするためには,就業規則の退職金不支給条項に「懲戒解雇事由が……
退職後に競業行為をした元社員の退職金を不支給にするためにはどうすれば良いですか。
退職後に競業行為をした元社員の退職金を不支給にするためには,就業規則に退職金不支給・減額条項があること,当該社員に課された競業避止義務が有効であることを前提に,当該社員の競業行為がこれまでの功労を抹消,減殺するほどの背信行為といえることが必要です。
既に退職金を支払っていた場合であっても,就業規則に退職金返還条項が定められていて,かつ,上記要件が認められるのであれば,返還を求める……
既に退職金を支払っていた場合であっても,就業規則に退職金返還条項が定められていて,かつ,上記要件が認められるのであれば,返還を求める……
競業避止義務に関する就業規則や個別合意の有効性は,どのように判断されますか。
退職後の社員には職業選択の自由が認められており,原則として競業避止義務を負いませんので,例外的に就業規則に競業避止義務の定めを置いたり,個別合意をしたりしたとしても,その有効性は必要かつ合理的な範囲でしか認められません。
有効性は,①競業禁止の期間と地域,②禁止される業務の範囲,③禁止対象者の地位,役職,④代償措置の有無等によって判断されます。 ……
有効性は,①競業禁止の期間と地域,②禁止される業務の範囲,③禁止対象者の地位,役職,④代償措置の有無等によって判断されます。 ……
退職後の社員に競業避止義務を課すにはどうすれば良いですか。
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1. 競業避止義務の原則
退職後の社員には,職業選択の自由がありますから,原則として競業避止義務を負いません。
2. 競業避止義務を課すための条件
例外的に競業避止義務を課すためには,就業規則に競業避止義務に関する定めを置いた上で,退職時に社員から個別合意を取る必要があります。
3. 就業規則の例
経済産業省の「営業秘密管理指針」参考資料6では,次のとおり,就業規則や……
退職後の社員に対する競業避止義務の有効性はどのように判断されますか?
退職時に個別に合意したり就業規則に定めたりして,退職後の競業避止義務を課すことが考えられますが,退職後の労働者には職業選択・営業の自由が認められますので,その効力は必要かつ合理的な範囲でのみ有効であると考えられています。有効性は,①競業禁止の期間と地域,②禁止される業務の範囲,③禁止対象者の地位・役職,④代償措置の4つの要素から総合的に判断していくことになります。
……
組合員が就業時間中に組合活動をすることは,労働組合の正当な行為といえますか。
労働者は,労働契約上の義務として就業時間中は職務に専念すべき義務を負いますので,組合員が就業時間中に組合活動をすることは,原則として同義務ないしは同義務を規定した就業規則に反し,正当性は否定されます。
ただし,就業規則や労働協約上の許容規定がある場合,慣行上許されている場合,使用者の許諾がなされている場合には,労働義務の内容が修正され,就業時間中の組合活動が許され,正当性は肯定さ……
ただし,就業規則や労働協約上の許容規定がある場合,慣行上許されている場合,使用者の許諾がなされている場合には,労働義務の内容が修正され,就業時間中の組合活動が許され,正当性は肯定さ……
就業規則に配転の規定があり,労働条件通知書に職種限定の記載がある場合,配転できますか。
労働契約において,労働者との間で就業規則の内容と異なる労働条件に合意していた部分については,就業規則を下回る労働条件の合意でない限り,個別の特約が優先されますので,原則として配転することはできません。
例外的に他職種への配転を命じることに正当な理由があるとの特段の事情が認められる場合には配転できます。
正当な理由の有無は,職種変更の必要性及びその程度が高度であるこ……
例外的に他職種への配転を命じることに正当な理由があるとの特段の事情が認められる場合には配転できます。
正当な理由の有無は,職種変更の必要性及びその程度が高度であるこ……
就業規則に定年の定めがない場合,60歳で辞めてもらうにはどうしたら良いですか。
①労働者と個別に定年の合意をすること(労契法8条),②労働者と就業規則に定年制を定めることの同意を得ること(労契法9条),③労働者の同意なく就業規則に定年制を定めること(労契法10条)が考えられます。
③の場合は変更後の就業規則を周知させ,かつ,就業規則の変更が合理的なものである必要があります。合理性の有無は,労働者の受ける不利益の程度,変更後の就業規則の内容の相当性,労働条件の……
③の場合は変更後の就業規則を周知させ,かつ,就業規則の変更が合理的なものである必要があります。合理性の有無は,労働者の受ける不利益の程度,変更後の就業規則の内容の相当性,労働条件の……
労働者の賃金を減額する方法はどのようなものがありますか。
労働者の賃金を減額する方法として,次のものが挙げられます。
① 懲戒処分として減額
② 懲戒処分としての降格に伴う減額
③ 人事権の行使としての降格に伴う減額
④ 就業規則の賃金査定条項に基づく減額
⑤ 就業規則変更による減額
⑥ 労働協約による賃金減額
⑦ 労働者との合意による減額 ……
② 懲戒処分としての降格に伴う減額
③ 人事権の行使としての降格に伴う減額
④ 就業規則の賃金査定条項に基づく減額
⑤ 就業規則変更による減額
⑥ 労働協約による賃金減額
⑦ 労働者との合意による減額 ……