Q795 企業内政治活動・組合活動を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。

 企業内の政治活動、組合活動の懲戒事由該当性は、慎重に判断されるのが通常です。具体的には、まず、政治活動等の禁止、許可規定に違反してなされた政治活動が懲戒事由になるか否かが問題になります。就業時間中の活動は、職務専念義務に違反するため原則として懲戒処分が肯定されますが、問題は、終業時間前、終業時間後、休憩時間等、終業時間外に行ったケースです。判例は(目黒電報電話局事件最三小昭和52年12月13日判決)、企業内政治活動は、施設管理を妨げ、従業員間の対立をもたらすなど、企業秩序を乱す恐れがあるとして、就業規則による一般規制を有効とする抽象的危論説に立ちつつ、企業秩序を乱す恐れのない特別の事情がある場合には、就業規則違反にはならないとしています。この「特別な事情」とは、他の労働者への影響などの態様、使用者の対応等の経緯、目的、誹謗中傷や内容の真正さ等の内容等に即して実質的に判断されます。
 企業内における、ビラ配布、集会、組織活動等の組合活動が懲戒事由に該当するか否かについては、かつては、正当な組合活動であると判断された場合には、懲戒処分は無効とされてきました。しかし、判例は、必ずしもそのような立場を取らず、企業内政治活動で述べたようなルールで判断を行っているものもあります(倉田学園事件最三小平成6年12月20日判決)。なお、ビラ配布については、労働組合の企業施設利用は、その利用を許さないことが使用者の施設管理権の濫用となるような特段の事情がない限り、正当性を有しないと判断されています(国鉄札幌運転区事件最三小昭和54年10月30日判決)。

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