労働問題729 労働審判委員会が労働審判法24条により労働審判事件を終了させるのは、どのような場合ですか?

 労働審判手続は、個別労働関係民事紛争を迅速かつ適正に解決するため、原則として3回以内の期日において審理を終了し、労働審判又は民事調停による解決を行う手続です。事案の性質が、迅速かつ適正な解決を目的とする労働審判手続に適当でない場合には、労働審判委員会は、当該労働審判事件を終了させることができます(労働審判法24条)。
 労働審判手続を行うことが適当でない事件とは、3回以内の期日で審理を終えることが困難な事件や、労働審判や調停による解決に適さない事件が考えられます。
 3回以内の期日で審理を終えることが困難な事件とは、一般論として、
① 差別や人事評価に関する事件
② 事業主の雇用状況に関する全体的な審理を要する事件
③ 就業規則の不利益変更に関する事件
④ 労働審判手続の結果が他の従業員に影響を及ぼすおそれがある事件
⑤ 職務発明の対価に関する事件など高度な専門的知識を要する事件
などが考えられます。ただし、これらに該当する場合であっても、当事者双方に労働審判手続で紛争を解決する意向があり、準備も十分になされている場合には、労働審判手続を行うことも考えられます。他方で、労働審判手続による解決が適当であると考えられる事件であっても、当事者双方が共に非協力的な態度をとる場合などは、3回以内の期日で審理を終えることが困難だと判断されることも考えられます。
 したがって、労働審判法24条により労働審判事件を終了するか否かの判断は、労働審判委員会が、個別に判断していくことになります。

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