ワード:「解雇」

就業規則で普通解雇事由を定めている場合、定めた事由以外の解雇は認められないのですか?

 就業規則で普通解雇事由を定めている場合、就業規則に解雇事由を定めた以上、それ以外の事由による解雇は制限されるべきだとする説と、解雇権の行使は民法の規定により原則として自由であり、就業規則の解雇事由は例示的な定めと考えるべきという説が対立しており、一概には言えません。
 このような問題が生じないよう、就業規則の普通解雇事由の最後に、「その他前各号に掲げる事由に準ずる事由があるとき。」……

普通解雇の理由を後で追加することはできますか?

 普通解雇した当時に存在していた理由であれば、追加することができるとされています。
 他方、懲戒解雇は、後になって懲戒解雇理由を追加することはできません。懲戒解雇は普通解雇とは異なり労働者に対する制裁罰であるため、懲戒処分の有効性はその理由とされた事実との関係においてのみ判断される必要があるからです。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
勤務弁護士作成……

突然行方不明になった労働者との労働契約を終了させるためには、どのような方法が考えられますか。

 労働者が突然行方不明になった場合、労働契約を終了する方法は、次の2つが考えられます。 ① 就業規則の当然退職規定による退職
② 長期無断欠勤による懲戒解雇  ①は、就業規則において、長期間連絡が取れず行方不明となった者を退職とする規定を設けておく方法です。①のメリットは、労働者が当然退職の扱いになるため、使用者が解雇しなくても労働契約が終了するという点です。解雇しなくてもよいと……

普通解雇をする際、労働者に対して弁明の機会を与えた方がよいのですか。

 普通解雇の有効性は、解雇に客観的に合理的な理由があるか、解雇が社会通念上相当であるかという観点から判断されます。
 労働者に弁明の機会を与えたかどうかは、解雇が社会通念上相当といえるかを判断する際の考慮要素の一つとされています。
 例えば、能力不足を理由とする普通解雇をする場合には、当該労働者のどのような能力が不足しており、その改善を促したのか、本人の言い分(弁明)は……

解雇予告手当の支払義務がある場合とない場合を教えてください。

解雇予告手当の支払義務がある場合
 解雇予告期間を置かずに即時解雇する場合は、解雇予告手当を支払わなければなりません。解雇予告手当の額は、当該労働者の30日分の平均賃金です。平均賃金は、算定すべき事由の発生した日以前3か月間にその労働者に対して支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除して計算します。
 また、解雇予告期間が30日より短い場合も、解雇予告手当の支払が必……

退職勧奨により労働者が退職届を提出したにもかかわらず、退職の意思表示が取り消されることはありますか。取り消されることがある場合,取り消されないためにはどのような点に配慮するべきですか。

 退職勧奨の結果、労働者が自ら署名押印のある退職届を提出した場合であっても、一般原則である民法に基づいて、労働者の退職の意思表示が強迫や詐欺によるものであること理由に取り消される恐れがあります(民法96条1項)。
 退職の意思表示が強迫によるものであることを理由に取り消されないようにするためには、何らかの無理強いをしたり、労働者に恐怖を抱かせるような状況を作り出したりして退職勧奨しな……

多重債務を抱えている。

1 金融業者から会社に電話がかかってきた場合の対応
 金融業者から当該社員宛に電話がかかってくることで、多重債務の事実が判明することがあります。
 原則として、当該社員が借金をしていることは私的事項であり、会社の業務とは関係ありませんので、事情を聞く場合であっても、プライバシーの侵害にならないよう常識的な範囲内で聞くようにしましょう。
 当該社員が経理担当……

有期労働契約における不更新条項や更新限度特約について,裁判例ではどのような判断がなされていますか?

 雇止めの有効性に関連して問題となっているのが、不更新条項や更新限度特約です。不更新条項とは、有期労働契約について当該契約期間が満了した場合には更新しないことをあらかじめ合意しておくことをいいます。更新限度特約とは、有期労働契約を結ぶ際に、更新の回数の限度についてあらかじめ合意しておくことをいいます。裁判例では、ある程度の更新がなされている場合でも、更新限度特約などから解雇権濫用法理の類推適用が行……

雇止め法理とはどういうものですか?

 民法上の原則では、有期労働契約は定められた期間が満了すれば、契約を更新しない限り契約関係が終了し、使用者は更新しないことについて特段の理由を必要としていません。しかし、裁判では、有期労働契約であっても、一定の場合には解雇権濫用法理が類推適用され、合理的理由のない雇止めが無効と判断されてきました。この判例法理を「雇止め法理」といい、法改正により、労働契約法19条として、以下のとおり条文化されました……

有期労働契約における期間途中の解雇・解除ついてのポイントを教えてください。

1.使用者側からの期間途中の解雇について
 使用者は、有期労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、労働者を期間途中で解雇することはできません(労働契約法17条1項)。この「やむを得ない事由」は、期間の定めのない労働契約における解雇に必要とされる「客観的に合理的で、社会通念上相当と認められる場合」よりもさらに限定的・制限的な事由であると考えられます。 2.労働者側から……

高年法について知っておくべきポイントを教えてください。

 平成24年の高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(以下「高年法」という)の改正により、定年を65歳未満と定めている事業主は、雇用する65歳までの安定した雇用を確保するため、①定年の引き上げ、②継続雇用制度の導入、③定年の定めの廃止のいずれかの措置を講じなければならないとされました。中小企業では定年制を設けていない会社も少なくありませんが、大企業では、65歳までの定年制延長は賃金に見合った高齢者の……

在職中及び退職後の秘密保持義務についての留意点を教えてください。

1 在職中の労働者
 在職中の労働者は、労働契約の付随義務として、使用者の営業上の秘密を保持すべき義務を負っています。
 この秘密保持義務については、多くの会社が就業規則で定めており、また、誓約書や秘密保持契約書等もなされていますが、就業規則や個別合意がなくても発生すると考えられています(メリルリンチ・インベストメント・マネージャーズ事件東京地裁平成15年9月17日判決……

退職勧奨をした際に退職を強要したとして慰謝料請求が認められた事例には,どのようなものがありますか?

 退職勧奨とは、辞職を勧める使用者の行為、あるいは、使用者による合意解約の申し込みに対する承諾を勧める行為をいいます。退職勧奨自体は事実行為ですので、使用者がこれを行なうかどうかは基本的には自由です。
 しかし、社会的相当性を逸脱した態様での半強制的ないし執拗な退職勧奨行為が行なわれた場合には、使用者は労働者に対して、不法行為に基づく損害賠償義務を負うことになります。
……

退職勧奨とはどういうものですか?

 退職勧奨とは、使用者が労働者に対して辞職や労働契約の合意解約の承諾を促すことをいいます。厳格な解雇規制を回避するために、使用者が経営上の理由によるリストラを行うに際して、希望退職募集制度を実施しながらも目標退職者数を確保する目的で、あるいは、希望退職募集制度実施後の事業方針に適合しない労働者等の特定の労働者の退職を促す目的で、労働者との個別面談を通じて行われるのが通常です。また、目標退職者数が少……

合意退職(合意解約)とはどういうものなのかについて教えてください。

 合意退職(合意解約)とは、使用者と労働者との合意により労働契約を将来に向けて解約することをいいます。この場合、使用者は解雇予告手当を支払う必要はありません。合意退職(合意解約)の典型は、希望退職募集制度に基づく退職や、退職勧奨に基づく退職ですが、労働者が合意退職(合意解約)を申し込み、使用者がこれを承諾することで、退職が成立する場合もあります。
 合意退職(合意解約)は、使用者の承……

無期契約における辞職と、有期契約における辞職は、どのように違いますか?

 辞職とは、労働者の一方的な意思に基づく労働契約の解約をいいます。
 無期契約においては、労働者は2週間の予告期間をおけば、いつでも辞職が可能となっています。予告期間の延長合意の有効性については争いがありますが、就業規則で予告期間を30日に指定して運用している会社もあります。しかし、過度に長期の予告期間を設けることは、労働者の辞職の自由を制限することになり、公序良俗に反し無効と判断さ……

会社の解散・倒産に伴う整理解雇についても4要素を充たさなければなりませんか?

 会社解散及び清算型倒産手続に伴って整理解雇を行う場合、必ずしも、整理解雇の法理(①整理解雇の必要性、②解雇回避努力、③人選の合理性、④手続の相当性)が適用されるわけではありません。このような解雇の有効性をめぐっては、職業選択の自由や財産権の保障を根拠とする企業廃止の自由を理由として、解散が適法・有効に行われる限り、解散を理由とする解雇は有効とする裁判例(大陸運事件大阪高裁平成15年11月13日判……

整理解雇をするに当たっては、どのようなことを検討しなければなりませんか?

 整理解雇は、使用者の経営上の理由による解雇であることから、解雇権濫用法理が適用されます。
 裁判所は、①整理解雇の必要性があるか、②解雇を回避する努力をしたか、③解雇者の人選基準や人選に合理性があるか、④解雇手続きに妥当性があるかという4つの要素を総合的に判断することにより、解雇権濫用の有無を判断しています。 ①整理解雇の必要性
 整理解雇は、経営上の十分な必要性に……

解雇の規制にはどのようなものがありますか?

1.労働契約上の規制
 解雇権は、労働契約に当然に付随する権利と理解されており、普通解雇をするに当たり、就業規則の定めなどは必要ありません。しかし、常時10人以上の労働者を雇用する場合は、就業規則を定め、労働基準監督署に届け出なければならず、解雇事由は就業規則の絶対的必要事項であり、労働契約時に書面により明示しなければなりません(労基法15条1項、労規則5条1項4号)。
……

労働者から解雇理由証明書の発行を請求された場合、どのように対応すればいいですか?

 労基法では、労働者から解雇理由証明書の発行を請求された場合、使用者は遅滞なく交付しなければならないと定めています。
 解雇理由証明書に記載する解雇の理由は具体的に示さなければならず、就業規則の該当条項の内容及び当該条項に該当するに至った事実関係を記入しなければなりません。ただし、解雇理由証明書には、労働者が請求していない内容については書いてはなりませんので、例えば、労働者が解雇事実……

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