労働問題858 解雇予告手当の支払義務がある場合とない場合を教えてください。

この記事の結論
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即時解雇や予告期間30日未満の場合は支払義務がある

解雇予告期間を置かずに即時解雇する場合は、30日分の平均賃金を解雇予告手当として支払わなければなりません。予告期間が30日より短い場合も、その差の日数分の平均賃金の支払が必要です。

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30日以上前に予告すれば不要、休日があっても延長されない

30日以上前に解雇予告した場合には、解雇予告手当の支払は不要です。30日の計算では、その間に休日があっても延長されません。

 798の記事で解説した解雇予告義務・解雇予告手当の基本を踏まえ、本稿では、支払義務の有無を分ける具体的な計算方法と場面を、より詳しく整理します。

 会社側専門の弁護士の立場から、解雇予告手当の支払義務がある場合とない場合を解説します。

01解雇予告手当の支払義務がある場合

 解雇予告期間を置かずに即時解雇する場合は、解雇予告手当を支払わなければなりません。解雇予告手当の額は、当該労働者の30日分の平均賃金です。また、解雇予告期間が30日より短い場合も、解雇予告手当の支払が必要です。例えば、解雇予告において解雇予告期間が10日間と定められた場合、10日と30日との差である20日分の平均賃金の額を、解雇予告手当として支払わなければなりません。

02平均賃金の算定方法

 平均賃金は、算定すべき事由の発生した日以前3か月間にその労働者に対して支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除して計算します。賞与等の臨時的な賃金は、原則としてこの計算の対象からは除外されます。

03解雇予告手当の支払義務がない場合

 労働者を解雇する際に30日以上前に解雇予告した場合、すなわち解雇予告期間として30日以上置いた場合には、解雇予告手当の支払は不要となります。

0430日の計算方法(具体例)

 30日の具体的な計算方法について、労基法では定められていません。通常は、解雇予告通知の日の翌日から期間の末日の経過までが30日以上あるかどうかで考えます。30日の間に休日があったとしても、休日分延長されることはありません。

 たとえば、3月31日に解雇するにあたり、3月1日に解雇予告した場合、解雇予告期間として30日以上置いていますので、解雇予告手当の支払は不要になると考えます。カレンダー上の休日・祝日の有無にかかわらず、通知の翌日から解雇日までの暦日数だけで判断すればよいという点が、実務上の計算を簡便にしています。

05会社側が押さえておくべき視点

 会社側が解雇を実施する際には、まず、解雇予告のみで対応する(予告期間30日以上を確保する)のか、即時解雇や短期の予告期間+予告手当の支払で対応するのかを、事前に検討する必要があります。予告期間を30日未満に設定する場合には、不足日数分の解雇予告手当を正確に計算し、確実に支払う体制を整えることが重要です。

 平均賃金の算定にあたっては、算定期間(解雇の申渡し日以前3か月間)の特定と、対象となる賃金項目の正確な把握が必要です。計算を誤ると、後に不足額を追加で請求されるリスクがあるため、慎重な計算を心がけましょう。

06よくある質問(FAQ)

Q. 解雇予告期間を15日にした場合、解雇予告手当はいくら必要ですか。

30日との差である15日分の平均賃金を、解雇予告手当として支払う必要があります。

Q. 30日の計算に、間に含まれる祝日や休日も含めますか。

含めます。通知の翌日から解雇日までの暦日数で計算し、間に休日があっても延長されません。

Q. 平均賃金を計算する際、賞与は含めますか。

原則として、賞与等の臨時的な賃金は平均賃金の算定対象から除外されます。算定期間(解雇事由発生日以前3か月間)の通常の賃金総額を基に計算します。

経営上のポイント 解雇予告期間を置かずに即時解雇する場合、または予告期間が30日より短い場合には、その不足日数分の平均賃金を解雇予告手当として支払う必要があります。平均賃金は、算定事由発生日以前3か月間の賃金総額をその期間の総日数で除して算定します。30日以上前に解雇予告した場合には、解雇予告手当の支払は不要です。30日の計算は、通知の翌日から解雇日までの暦日数で行い、間に休日があっても延長されません。会社側としては、予告期間の設定方法を事前に検討し、短期予告の場合は不足日数分の手当を正確に計算・支払う体制を整えることが重要です。解雇予告手当の計算・支払は、会社側・使用者側専門の弁護士にご相談ください。具体的な事情に応じて、実務で使える方針をアドバイスします。
監修者 弁護士 藤田 進太郎

監修者

弁護士法人四谷麹町法律事務所 代表弁護士 藤田 進太郎

東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。日本弁護士連合会会員労働法制委員会委員・事務局次長・最高裁行政局との労働審判制度に関する協議会協議員、第一東京弁護士会労働法制委員会委員・研修部会副部会長、経営法曹会議会員・第112回経団連労働法フォーラム報告担当者、労働審判員連絡協議会特別会員、日本労働法学会会員、東京麹町ロータリークラブ会員・2023-24年度幹事。
講演・著作 / 「会社経営者のための問題社員対応講座」(YouTube)

日本全国各地の会社経営者の皆様へ

弁護士法人四谷麹町法律事務所代表弁護士の藤田進太郎です。私は、労働問題のストレスから会社経営者の皆様を解放したいという強い思いを持っており、日本全国各地の会社経営者のために、問題社員、退職勧奨、労働審判、残業代トラブルなどの労働問題の予防解決に当たっています。解雇の実施でお困りでしたら、弁護士法人四谷麹町法律事務所にご相談ください。事務所会議室での経営労働相談のほか、ZoomやTeamsでのオンライン経営労働相談を実施しています。

最終更新日:2026年7月13日

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