ワード:「解雇」
解雇が無効だったとしても、ノーワーク・ノーペイなのですから、働いていない期間の賃金は支払う必要はありませんよね?
解雇が無効の場合において、労働者が就労の意思と能力があるにもかかわらず、使用者が就労を拒絶しているような場合には、就労不能の帰責事由が使用者にあると評価されるのが通常です。
したがって、解雇された労働者が現実には働いていなかったとしても、使用者は賃金支払義務を免れず(民法536条2項)、実際には働いていない期間についての賃金についても、支払わなければならなくなります。
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したがって、解雇された労働者が現実には働いていなかったとしても、使用者は賃金支払義務を免れず(民法536条2項)、実際には働いていない期間についての賃金についても、支払わなければならなくなります。
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有期契約労働者についても試用期間を設けることができますか?
民法628条は、「やむを得ない事由」があるときに契約期間中の解除を認めていますが、労契法17条1項は、有期労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、使用者は契約期間満了までの間に労働者を解雇できない旨規定されています。
労契法17条1項は強行法規ですから、有期労働契約の当事者が民法628条の「やむを得ない事由」がない場合であっても契約期間満了までの間に労働者を解雇で……
労契法17条1項は強行法規ですから、有期労働契約の当事者が民法628条の「やむを得ない事由」がない場合であっても契約期間満了までの間に労働者を解雇で……
試用期間の趣旨で有期労働契約を締結し、正社員に相応しければ正社員として登用し、正社員に相応しくなければ期間満了で辞めてもらうやり方はどう思いますか?
正社員について、試用期間を設けたとしても、本採用拒否(留保解約権の行使)が、解雇権濫用法理(労働契約法16条)により無効とされるリスクがあることから、最初から正社員として雇用するのではなく、まずは有期労働契約を締結して正社員と同様の職務に従事させ、労働者に問題があれば雇止めし、問題がない場合には正社員として登用することがあります。
このようなやり方の法的効力は、どのようなものなの……
このようなやり方の法的効力は、どのようなものなの……
パート、アルバイト等の非正規労働者であれば、いつでも解雇することができますよね?
パート、アルバイト等であればいつでも解雇できるものと誤解されていることがありますが、全くの誤りです。
3か月とか1年とかいった契約期間が定められている場合は、「やむを得ない事由」がある場合でないと契約期間中に解雇することはできません(労契法17条1項、民法628条)。
「やむを得ない事由」とは「当該契約期間は雇用するという約束があるにもかかわらず、期間満了を待つこ……
3か月とか1年とかいった契約期間が定められている場合は、「やむを得ない事由」がある場合でないと契約期間中に解雇することはできません(労契法17条1項、民法628条)。
「やむを得ない事由」とは「当該契約期間は雇用するという約束があるにもかかわらず、期間満了を待つこ……
民法628条と労契法17条1項の関係を教えて下さい。
使用者は、有期労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができません(労契法17条1項)。
民法628条は、「やむを得ない事由」があるときに契約期間中の解除を認める規定であり、「やむを得ない事由」がない場合に雇用契約の解除をすることができるのかについては必ずしも明らかではなく、見解の対立がありましたが、労契……
民法628条は、「やむを得ない事由」があるときに契約期間中の解除を認める規定であり、「やむを得ない事由」がない場合に雇用契約の解除をすることができるのかについては必ずしも明らかではなく、見解の対立がありましたが、労契……
「やむを得ない事由」があれば、解雇予告や解雇予告手当の支払なしに、「直ちに」有期契約労働者を普通解雇することができますか?
民法628条は、「当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。」と規定しており、一見、「やむを得ない事由」があれば「直ちに」有期契約労働者を普通解雇することができるようにも読めますが、これは契約期間の定めや民法627条等に拘束されないことを言っているに過ぎず、原則として労基法上の解雇予告義務(労基法20条)の適用がありま……
有期契約労働者を期間途中で普通解雇する場合に要求される「やむを得ない事由」とは、どの程度のもののことをいうのですか?
「やむを得ない事由」は、「当該契約期間は雇用するという約束があるにもかかわらず、期間満了を待つことなく直ちに雇用を終了させざるを得ないような特別の重大な事由」(菅野第10版234頁)をいい、期間の定めのない労働契約における解雇の有効性を判断する際の客観的合理性、社会通念上の相当性(労契法16条)よりも厳格な要件と考えられています。
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有期契約労働者を契約期間満了前に普通解雇することはできますか?
民法628条は、「当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。」と規定しています。
したがって、「やむを得ない事由」があれば、有期契約労働者を契約期間満了前に普通解雇することができます。 &……
したがって、「やむを得ない事由」があれば、有期契約労働者を契約期間満了前に普通解雇することができます。 &……
試用期間満了前に本採用拒否(解雇)することはできますか?
試用期間満了前であっても、社員として不適格であることが判明し、解約権留保の趣旨、目的に照らして、客観的に合理的な理由が存し社会通念上相当として是認されうる場合であれば、本採用拒否(解雇)することができます。
試用期間中に社員として不適格と判断された社員が、試用期間満了時までに社員としての適格性を有するようになることは稀ですから、使用者としては早々に見切りをつけたいところかもしれま……
試用期間中に社員として不適格と判断された社員が、試用期間満了時までに社員としての適格性を有するようになることは稀ですから、使用者としては早々に見切りをつけたいところかもしれま……
採用面接時に能力が低い応募者だということが判明した場合であっても、雇用確保に貢献し、就職できない応募者にチャンスを与える意味で採用し、試用期間中の勤務状況から役に立つ人材と判断できたら本採用拒否せずに雇い続けるというやり方をどう思いますか?
「能力が低いのは分かっていたけど、就職できなくて困っているようだし、もしかしたら会社に貢献できる点も見つかるかもしれないから、チャンスを与えるために採用してあげた。」という発想は、雇用主の責任の重さを考えると、極めて危険な考え方です。
緩やかな基準で認められる試用期間中の本採用拒否(解雇)は、「当初知ることができず、また知ることが期待できないような事実」を理由とする本採用拒否(解……
緩やかな基準で認められる試用期間中の本採用拒否(解雇)は、「当初知ることができず、また知ることが期待できないような事実」を理由とする本採用拒否(解……
「解約権留保の趣旨、目的に照らして、客観的に合理的な理由が存し社会通念上相当として是認されうる場合」(三菱樹脂事件最高裁大法廷昭和48年12月12日判決)とは、具体的にどういった場合ですか?
三菱樹脂事件最高裁大法廷判決は、「解約権留保の趣旨、目的に照らして、客観的に合理的な理由が存し社会通念上相当として是認されうる場合」を以下のように言い換えて説明しています。
「換言すれば、企業者が、採用決定後における調査の結果により、または試用中の勤務状態等により、当初知ることができず、また知ることが期待できないような事実を知るに至った場合において、そのような事実に照らしその者を……
「換言すれば、企業者が、採用決定後における調査の結果により、または試用中の勤務状態等により、当初知ることができず、また知ることが期待できないような事実を知るに至った場合において、そのような事実に照らしその者を……
試用期間中の社員は通常よりも緩やかな基準で本採用拒否(解雇)できますよね?
試用期間中の社員の本採用拒否は、本採用後の解雇と比べて、使用者が持つ裁量の範囲は広いと考えられています。三菱樹脂事件最高裁昭和48年12月12日大法廷判決も、解約権留保の趣旨を「大学卒業者の新規採用にあたり、採否決定の当初においては、その者の資質、性格、能力その他上告人のいわゆる管理職要員としての適格性の有無に関連する事項について必要な調査を行ない、適切な判断資料を十分に蒐集することができないた……
試用期間中の社員であれば、自由に本採用拒否(解雇)できますよね?
使用者と試用期間中の社員との間では、既に留保解約権の付いた労働契約が成立していると考えられる事案が多く、本採用拒否の法的性質は、留保された解約権の行使(解雇)と評価されるのが通常です。
本採用拒否は、既に採用した社員の解雇であり、新たに採用する場面とは異なりますから、試用期間中だからといって、自由に本採用拒否(解雇)できるわけではなく、「解約権留保の趣旨、目的に照らして、客観的に……
本採用拒否は、既に採用した社員の解雇であり、新たに採用する場面とは異なりますから、試用期間中だからといって、自由に本採用拒否(解雇)できるわけではなく、「解約権留保の趣旨、目的に照らして、客観的に……
試用期間の法的性格を教えて下さい。
試用期間には様々なものがあり、その法的性格は一様ではありません。
三菱樹脂事件最高裁大法廷昭和48年12月12日判決(労判189号16頁)は、「試用契約の性質をどう判断するかについては、就業規則の規定の文言のみならず、当該企業内において試用契約の下に雇用された者に対する処遇の実情、とくに本採用との関係における取扱についての事実上の慣行のいかんをも重視すべきものである」と判示してい……
三菱樹脂事件最高裁大法廷昭和48年12月12日判決(労判189号16頁)は、「試用契約の性質をどう判断するかについては、就業規則の規定の文言のみならず、当該企業内において試用契約の下に雇用された者に対する処遇の実情、とくに本採用との関係における取扱についての事実上の慣行のいかんをも重視すべきものである」と判示してい……
転勤命令を拒否した正社員を懲戒解雇することができますか?
転勤命令自体が無効の場合は、転勤命令拒否を理由とする懲戒解雇は認められません。
他方、有効な転勤命令を正社員が拒否した場合は重大な業務命令違反となるため、転勤命令拒否を理由とした懲戒解雇は懲戒権の濫用にはならないのが通常ですが、裁判例の中には、社員が転勤に伴う利害得失を考慮して合理的な決断をするのに必要な情報を提供するなどの必要な手順を尽くすべきとして、拙速な懲戒解雇を無効と判断……
他方、有効な転勤命令を正社員が拒否した場合は重大な業務命令違反となるため、転勤命令拒否を理由とした懲戒解雇は懲戒権の濫用にはならないのが通常ですが、裁判例の中には、社員が転勤に伴う利害得失を考慮して合理的な決断をするのに必要な情報を提供するなどの必要な手順を尽くすべきとして、拙速な懲戒解雇を無効と判断……
転勤命令違反を理由とした懲戒解雇の有効性が争われた場合、主に何が問題となりますか?
転勤命令違反を理由とした懲戒解雇の有効性が争われた場合、
① 転勤命令権限の有無(勤務地限定特約の有無)
② 転勤命令が濫用されたと評価できるかどうか
③ 懲戒解雇が懲戒権の濫用(労契法15条)に当たるかどうか
が主に問題となります。 ……
① 転勤命令権限の有無(勤務地限定特約の有無)
② 転勤命令が濫用されたと評価できるかどうか
③ 懲戒解雇が懲戒権の濫用(労契法15条)に当たるかどうか
が主に問題となります。 ……
懲戒解雇と退職金不支給の関係について、教えて下さい。
懲戒解雇事由に該当する場合を退職金の不支給・減額・返還事由として規定しておけば、懲戒解雇事由がある場合で、当該個別事案において、退職金不支給・減額の合理性がある場合には、退職金を不支給または減額したり、支給した退職金の全部または一部の返還を請求したりすることができます。
退職金の不支給・減額事由の合理性の有無は、労働者のそれまでの勤続の功を抹消(全額不支給の場合)又は減殺(一部不……
退職金の不支給・減額事由の合理性の有無は、労働者のそれまでの勤続の功を抹消(全額不支給の場合)又は減殺(一部不……
懲戒解雇・諭旨解雇・諭旨退職等の退職の効果を伴う懲戒処分を検討する際の注意点を教えて下さい。
懲戒解雇・諭旨解雇・諭旨退職等の退職の効果を伴う懲戒処分については、懲戒権濫用の有無が厳格に審査され、紛争となりやすい傾向にあります。
特に、退職金が不支給・減額とされる場合には、訴訟で争われるリスクがさらに高くなります。
退職の効果を伴う懲戒処分は、特に慎重に行う必要があり、特に退職金が不支給・減額される事案であれば、訴訟で争われることを覚悟した上で、懲戒処分に……
特に、退職金が不支給・減額とされる場合には、訴訟で争われるリスクがさらに高くなります。
退職の効果を伴う懲戒処分は、特に慎重に行う必要があり、特に退職金が不支給・減額される事案であれば、訴訟で争われることを覚悟した上で、懲戒処分に……
懲戒解雇の懲戒権濫用の有無を判断する際、どのような要素が考慮されますか?
懲戒解雇の懲戒権濫用の有無を判断するにあたっては、規律違反行為により職場から排除しなければならないほど職場秩序を阻害したのかが問題となり、
① 規律違反行為の態様(業務命令違反、職務専念義務違反、信用保持義務違反等)
② 程度、回数
③ 改善の余地の有無
等が考慮されることになります(労働事件審理ノート参照)。 ……
① 規律違反行為の態様(業務命令違反、職務専念義務違反、信用保持義務違反等)
② 程度、回数
③ 改善の余地の有無
等が考慮されることになります(労働事件審理ノート参照)。 ……
社員の非違行為が就業規則に定める懲戒解雇事由に該当する場合であっても、懲戒解雇が無効となることがありますか?
労契法15条は、「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と規定しています。
したがって、社員の非違行為が就業規則に定める懲戒解雇事由に該当するように見える場合であっても、懲戒解雇が……
したがって、社員の非違行為が就業規則に定める懲戒解雇事由に該当するように見える場合であっても、懲戒解雇が……