労働問題806 退職勧奨をした際に退職を強要したとして慰謝料請求が認められた事例には,どのようなものがありますか?

 退職勧奨とは、辞職を勧める使用者の行為、あるいは、使用者による合意解約の申し込みに対する承諾を勧める行為をいいます。退職勧奨自体は事実行為ですので、使用者がこれを行なうかどうかは基本的には自由です。
 しかし、社会的相当性を逸脱した態様での半強制的ないし執拗な退職勧奨行為が行なわれた場合には、使用者は労働者に対して、不法行為に基づく損害賠償義務を負うことになります。
 裁判所が労働者からの慰謝料請求を認めた事例は、次のものがあります。
・暴行を含む嫌がらせによる退職強要行為について使用者と実行者の双方に損害賠償責任を認めた事例(エール・フランス事件東京高裁平成8年3月27日判決)
・労災による休職後の退職勧奨につき、面談の頻度、時間の長さ、上司からの言動からみて社会通念上許容できる範囲を超える違法な退職強要であるとして慰謝料請求を認めた事例(全日本空輸事件大阪高裁平成13年3月14日判決)
・退職勧奨過程で懲戒解雇の可能性を示唆した点を違法とし、慰謝料請求を認めた事例(日本航空事件東京高裁平成24年11月29日判決)
・労働者が退職勧奨に応じない姿勢を明確にした後も繰り返し退職勧奨を行い、その態様が執拗で名誉感情を不当に害する屈辱言辞を用いたとして慰謝料請求を認めた事例(兵庫県商工会連合会事件神戸地裁姫路支部平成24年10月29日判決)

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