ワード:「解雇」

自己都合,会社都合などの退職事由を考慮して退職金額を決めることはできますか。

 退職金支給額の決定方法について使用者に裁量があると認められる場合には,退職事由を考慮することは可能です。
 他方,例えば,退職事由に関係なく勤続年数に比例して退職金額が決まる旨定められているような場合には,退職事由を理由に退職金を減額することはできません。 

就業規則や退職金規定に退職金に関する規定がない場合は,退職金を支払わなくていいですよね?

 使用者に退職金の支払義務があると判断されるのは,通常は,就業規則や就業規則の性質を有する退職金規定等に,退職金に関する規定が置かれている事案が多いのですが,就業規則などに退職金に関する規定がない場合でも,個々の労働者との間の労働契約書に退職金の定めがあれば,当然,当該契約どおりの支払義務があると判断されます。
 また,就業規則や退職金規定,労働契約書等に退職金の定めがない場合であっ……

新卒採用者と地位特定者(中途採用者)を解雇(能力不足)する場合の検討方法を教えてください。

 新卒採用者は,一般的にゼネラリストとして採用されますので,仮に能力不足が認められたとしても,指導教育により改善する可能性が十分に認められる余地があると考えらます。解雇を検討する場合には,十分な期間,指導・教育をしたか,配置転換を検討したか,現に配置転換をしたかなどを考慮します。
 地位特定者とは,一般の従業員とは異なり,「営業部長」などの職務上の地位を特定して,その地位に応じた能力……

残業代の消滅時効の起算点を教えて下さい。

 労基法は,賃金の消滅時効を2年と定めているのみで,これ以外には何も規定していないことから,消滅時効の起算点は,民法の一般原則によることになります。
 民法では,「消滅時効は,権利を行使することができる時から進行する。」と定められています。労働者が残業代を受け取る権利を行使できる時,つまり,一般的には給料日がこれに当たり,残業代の消滅時効は,給料日の翌日からカウントすることになります……

賃金の時効について,民法では1年,労基法では2年と定められているようですが,どちらが適用されますか?

 賃金の時効について,民法174条では,「月又はこれより短い時期によって定めた使用人の給料に係る債権」は,1年間これを行使しないことにより時効により消滅すると規定されています。しかし,労基法は,労働者の賃金の消滅時効が1年では労働者保護に欠けるとして,賃金の消滅時効期間を2年とました(労基法115条)。
 労基法の規定は民法の規定の特別規程に該当しますので,この場合,労基法の時効が優……

定年後の再雇用を求める。

1 再雇用を拒否できる場合
 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年法)は,平成24年の高年法改正により,65歳未満の定年の定めをしている事業主は,①定年の引き上げ,②継続雇用制度の導入(再雇用制度を含む),③定年の定めの廃止のいずれかの雇用確保措置を講じるよう義務付けました(高年法9条)。
 継続雇用(再雇用)の拒否は,解雇事由と同様の事情がある場合にできると考え……

雇い止めに納得しない。

1 有期契約の期間満了時の原則と例外
 有期契約の期間が満了したら,当該有期契約は終了するのが原則です。
 しかし,例えば,契約が何度か更新されていたり,社員が契約更新されると期待することについて合理的な理由があったりする場合には,労働契約法19条の問題となり,例外的に,従前と同一の契約が成立したと判断される可能性があります。 2 労働契約法19条(雇止め法理)続きを見る

企業秘密を他社に漏えいする。

1 労働者の秘密保持義務
 労働者は,労働契約に付随する義務として,会社の業務上の秘密を守る義務(秘密保持義務)を負うと解されています。
 労働契約上の秘密保持義務の対象となる「秘密」の範囲は,当事者間の合意に委ねられているところがあり,一般的には不正競争防止法にいう「営業秘密」よりも広いと解されていますが,必ずしも社員が職務上知り得た全ての情報が「秘密」になるわけでは……

精神的疾患が疑われる社員が働き続けている。

1 医師の診察を受けてもらう
(1) 自発的に受診するよう促す
 精神疾患の場合,身体的な疾患とは異なり,病気の自覚がなかったり,精神的疾患を理由に職場で不利な扱いを受けるではないかと考えたりして,医師の診療を受けないことがあります。
 医師の診療を拒む労働者には,まずは,上司が当該社員と面談して医師の診察を受けるよう助言したり,上司が当該社員の家族から受……

同僚に嫌がらせをする。

1 事実関係の把握
 まずは事実関係を把握することが重要です。
 その際には,嫌がらせ等をした日時,場所,内容を記録に残しておくこと,嫌がらせを受けた者だけでなく,周囲の者からも聴取すること,当該社員の言い分も聴取することが重要です。記録をする際は客観的な証拠を残しておくことが望ましいです。例えば,嫌がらせを受けた者が上司に対して,報告書やメールという形式をとり,日時を……

労働審判手続において解決を求めるのに適した紛争とはどういうものですか?

 労働審判手続は,原則として,3回以内の期日において審理を終結しなければならないものと定められています。したがって,労働審判手続において解決を求めるのに適した紛争とは,権利関係について争いがあり,争点について3回以内の期日で審理を行うことが可能と思われる事件であり,具体的には,争点が比較的単純な解雇事件,未払賃金(残業代等),退職金,解雇予告手当等の支払を求める事件などが考えられます。
……

労働審判手続の対象となる「個別労働関係民事紛争」とはどういうものですか?

 個別労働関係民事紛争とは,労働者個人と事業主との間の解雇や雇止めの効力に関する紛争,賃金や退職金に関する紛争,安全配慮義務違反による損害の賠償を求める紛争等をいいます。
 個別労働関係民事紛争に該当するためには,個々の労働者と事業主との間の紛争であることが必要であるから,労働組合と事業主との間に生じた集団的労使紛争は,労働審判手続の対象にはなりません。
 もっとも,不……

企画業務型裁量労働制を導入するにあたり,労使委員会で決議すべき対象労働者の同意及び厚生労働省で定める事項の具体的内容を教えてください。

1.対象労働者の同意等
 対象労働者の同意等の具体的内容は,対象労働者を対象業務に就かせたときは対象労働者の労働時間として算定される時間労働したものとみなすことについて対象労働者の同意を得なければならないこと及び当該同意をしなかった対象労働者に対して解雇その他不利益な取扱をしてはならないことです。
 「労働基準法第38条の4第1項の規定により同項第1号の業務に従事する労……

無断欠勤を続けている。

1 連絡を試みる
 本人と連絡がとるために様々な手段を試みることが重要です。電話,メール,自宅への訪問,両親等保証人に連絡をして本人と連絡を取れるよう依頼することが考えられます。また,後日,連絡を試みたことが分かるように証拠を残しておくことが重要です。
 このような方法を試みたものの長期間連絡が取れず,退職として処理したい場合には,以下の2つ方法が考えられます。 2 ……

チェーン店の小売業,飲食業における管理監督者の範囲を教えてください。

 東京地裁の平成20年1月28日の日本マクドナルド事件の判決後,労基法41条1号に該当する管理監督者について,企業は対応に苦慮することになりました。これまで,日本企業の多くが管理職を管理監督者として取り扱う傾向がありましたが,大きな労働問題になったことはありませんでした。しかし,管理監督者の問題は,サービス残業問題も絡んでいることから,行政が厳しく対応するようになり,社会的にも重大な問題になりまし……

遅刻・欠勤を繰り返す。

1 遅刻・欠勤に対する対応策
 所定労働日に所定労働時間の労務を提供することは労働者の義務ですので,遅刻・欠勤は,労働契約上の義務違反になります。
 会社側が執りうる手段は,注意・指導をすること,遅刻した時間・欠勤日の賃金を差し引くこと,懲戒処分が考えられます。 2 注意・指導する
 当該社員と面談することによって,遅刻・欠勤の理由を確認し,遅刻・早退届……

経歴を詐称した。

1 経歴詐称が判明した場合の対応
 経歴を詐称していたことが分かる証拠を確保した上で,本人から事情を聞くことが必要です。事情聴取の後,本人が自主的に退職する意思があるかどうかを確認し,退職意思がある場合には退職届を提出してもらい,退職の手続をとることになります。
 本人に退職する意思がない場合には,普通解雇(本採用拒否),懲戒解雇(諭旨解雇)を検討します。 2 普通解……

企画業務型裁量労働制の就業規則規定例及び労使委員会の決議例を教えてください。

1.企画業務型裁量労働制の就業規則規定例 第○条 企業業務型裁量労働制の対象社員は,労使委員会の決議(決議)において定められ,本人の同意を得たものとする。
2 前項の規定に関わらず,会社が対象社員に企画業務型裁量労働制を適用することが適当でない事情があると認めた場合は,当該社員を対象社員から外し,企画業務型裁量労働制を適用しないことがある。
3 対象社員が所定労働……

採用予定者が遵守事項に違反した。

1 内々定・内々定取消し
(1) 内々定とは
 内々定に法的な定義があるわけではありませんが,一般的に,内々定とは正式な内定を出す前に,学生に対して内定の見込みであることを口頭などで伝えている状態をいいます。あくまで正式な内定までの間,学生が他の企業に流れることを防ごうとする事実上の活動に過ぎず,内々定の段階では労働契約は成立していません。したがって,内々定を取消したと……

残業代請求の訴訟における「付加金」とはどういうものですか?

 使用者が次の①~④の支払義務に違反した場合,裁判所は,労働者の請求により,使用者が支払うべき未払金のほか,これと同一額の付加金の支払を命ずることができます(労基法114条1項本文)。
 ① 解雇予告手当(労基法20条)
 ② 休業手当(労基法26条)
 ③ 時間外・休日・深夜労働の割増賃金(残業代)(労基法37条)
 ④ 年次有給休暇中の賃……

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