ワード:「解雇」

付加金について教えて下さい。

 使用者が時間外・深夜・休日割増賃金,解雇予告手当,休業手当,有給休暇取得日の賃金の支払義務に違反した場合に,裁判所は,使用者が支払うべき未払金のほか,これと同額の付加金の支払を命じることができます。
 付加金の支払義務は労基法違反によって当然に発生するものではなく,裁判所の命令があって初めて発生します。
 例えば,未払の残業代(割増賃金)の額が300万円の場合,最大3……

社員の退職後に懲戒解雇事由が発覚した場合,退職金を不支給にすることはできますか?

 就業規則に「懲戒解雇された者には退職金を支給しない。」と定めている会社がありますが,この定め方では,社員の退職後に懲戒解雇事由が発覚したとしても退職金を不支給とすることはできません。なぜなら,既に退職している社員を懲戒解雇することはできないからです。
 社員の退職後に懲戒解雇事由が発覚した場合でも退職金を不支給にできるようにするためには,就業規則の退職金不支給条項に「懲戒解雇事由が……

労働組合から解雇後に加入した労働者に関する団交の申し入れがあった場合,会社は応じるべきですか。

 ここでは,解雇後に組合に加入した労働者の労働条件等に関する事項が組合員である労働者の労働条件その他の待遇に該当し,義務的団交事項となるかが問題となります。
 既に解雇しているのであるから会社の労働者ではないようにも思われますが,無効な解雇をしている場合は,今なお労働者の地位にあることになりますので,潜在的に労働者であるといえますし,団体交渉の申し入れがなされているということは解雇の……

不当労働行為として禁止されている支配介入はどのような行為のことをいいますか。

 支配介入には,使用者の組合結成・運営に対する干渉行為,経費援助や諸々の組合弱体化行為などがあります。
 労働組合の結成に対する支配介入としては,組合結成のあからさまな非難,組合結成の中心人物の解雇または配転,従業員への脱退や不加入の勧告ないし働きかけ,先んじてまたは並行して親睦団体を結成させることなどである。
 労働組合の運営に対する支配介入としては,組合活動家の解雇……

不当労働行為における不利益取扱いについて教えてください。

 不当労働行為における不利益取扱い(労働組合法7条1号)は,労働者が①労働組合の組合員であること,労働組合に加入しもしくは結成しようとしたこと,労働組合の正当な行為をしたことを,②理由に当該労働者を不利益に取り扱うことをいいます。
 不利益取扱いは,雇用関係上の地位に関するもの(解雇,再採用拒否等),人事上の処遇に関するもの(配転,出向,昇給・昇格差別,懲戒処分,基本給等の賃金差別等……

就業規則に定年の定めがない場合,60歳で辞めてもらうにはどうしたら良いですか。

 ①労働者と個別に定年の合意をすること(労契法8条),②労働者と就業規則に定年制を定めることの同意を得ること(労契法9条),③労働者の同意なく就業規則に定年制を定めること(労契法10条)が考えられます。
 ③の場合は変更後の就業規則を周知させ,かつ,就業規則の変更が合理的なものである必要があります。合理性の有無は,労働者の受ける不利益の程度,変更後の就業規則の内容の相当性,労働条件の……

解雇が無効の場合,解雇期間中,労働者が当社で働いていなくても賃金を支払う必要がありますか。解雇期間中,労働者が他社で働いていた場合でも同じですか。

 解雇が無効の場合,原則として解雇期間中の賃金を支払わなければなりません。労働者が貴社では働けなかった責任は,無効な解雇をした会社側にあるとされるからです。
 ただし,解雇期間中に労働者が他社で収入を得ていた(中間収入)場合は,特段の事情を除いて,支払うべき賃金から40%まで控除することができます。ただし,控除しうる中間収入は,その発生期間が賃金の支給対象期間と時期的に対応しているこ……

職務限定の合意がある労働者を配転することはできますか。

 当該労働者の合意が得られた場合には配転することができます。合意が得られなかった場合には原則として配転することはできませんが,例外的に配転する正当な理由があるとの特段の事情が認められる場合には,配転することができます。
 正当な理由かどうかは①採用経緯と当該職種の内容,②職種変更の必要性及びその程度が高度であること,③変更後の業務内容の相当性,④他職種への配転による不利益に対する労働……

労働者が「解雇をされても異議を申し出ない」旨の書面を提出している場合,懲戒解雇は有効ですよね?

 労働者が「懲戒解雇をされても異議を申し出ない」旨の書面を提出したとしても,これは懲戒解雇を有効とする要素にはならないと考えます。
 裁判例でも,情報漏洩を疑われていた労働者が,「解雇されても異議がない」旨の書面を提出していた事案について,「(当該書面は)被告会社から懲戒解雇に至らない寛大な処置を受けられるようにと期待したものであって,真意にでたものとは認めがたい」とし,懲戒解雇を無……

退職勧奨と希望退職者の募集の共通点と相違点を教えてください。

 退職勧奨は,労働者の自発的な退職意思の形成を促そうとする事実行為をいいます。
 希望退職者の募集は,多くの場合,使用者が上積み条件を提示して,労働者の自発的な退職の意思表示を待つことをいいます。
 両者の共通点は労働者の意思に基づくもの(合意退職)である点にあります。
 両者の相違点は,退職勧奨が会社から労働者に働きかけるのに対して,希望退職者の募集は労……

試用期間中であれば自由に本採用拒否できますか。

 試用期間を設けていたとしても,使用者と労働者の間では,労働契約が成立している以上,その契約の一方的解消は解雇の一形態ですから,本採用拒否の有効性は,解雇権濫用法理に基づいて検討することになりますので,自由に本採用拒否することはできません。
 本採用拒否は,通常の解雇よりも広い範囲で行使することが可能とされていますが,必ずしも通常の解雇よりも緩やかに判断されているわけではありません。……

懲戒解雇する場合には,退職金を支給しなくても良いですか。

 有効に懲戒解雇できるからといって,当然に退職金を不支給にできるわけではありません。
 退職金を不支給とするためには,就業規則に退職金を不支給とする規定を定めることが必要ですし,規定があったとしても退職金を不支給とするためには,労働者のそれまでの勤続の功績を抹消する程の著しく信義に反する行為があったと認められる必要があります。
 裁判例には,鉄道会社の職員が電車内で3度……

私傷病休職と業務上の傷病による休職の違いを教えてください。

 私傷病休職は,業務外の傷病による欠勤又は不完全な労務提供が一定期間に及んだときに行われる休職措置ですので,業務上の傷病による休職とは異なる制度です。
 私傷病休職の場合,休職期間満了時までに復職できなければ自動退職となるのが一般的です。
 これに対し,業務上の傷病による休職の場合は,その休業中及び復帰後30日間は,解雇が原則として制限され,また,労災保険の療養補償・休……

懲戒解雇が妥当か検討するために出勤停止の懲戒処分をした上で,懲戒解雇することはできますか。

 一つの非違行為に対して2回懲戒処分することはできませんので,出勤停止の懲戒処分をした上で,懲戒解雇することはできません。
 これに対して,懲戒処分としての出勤停止ではなく,業務命令として出勤停止や自宅待機を命じることができます。これは処分するかの調査または審議決定をするまでの間,就業を禁止する前置措置としての意味を持ちます。ただし,会社側の都合で出社させないものですので,出勤停止の……

懲戒解雇するかを検討するために一旦出勤停止の懲戒処分をした上で,懲戒解雇することはできますか?

 一つの非違行為に対して2回懲戒処分することはできませんので,懲戒解雇するかを検討するために一旦出勤停止の懲戒処分をした上で,懲戒解雇することはできません。
 しかし,懲戒処分としての出勤停止とは別に,業務命令として出勤停止や自宅待機を命じることができます。これは処分するかの調査または審議決定をするまでの間,就業を禁止する前置措置としての意味を持ちます。
 もっとも,業……

裁判で懲戒解雇の理由に懲戒解雇当時に認識していなかった非違行為を追加して主張できますか。

 懲戒処分の有効性は懲戒処分時に理由とした具体的な非違行為について判断すべきものですので,特段の事情のない限り,使用者が懲戒解雇時には認識していなかった事実を主張することはできません。
 懲戒処分の理由とされた非違行為と密接に関連した同種の非違行為等の場合には「特段の事情」に該当するので主張できます。
 たとえば,一連の横領行為の一部のみの調査が先行し,これのみで労働者……

懲戒処分の有効要件を教えてください。

 懲戒処分の有効要件は,①就業規則の懲戒事由に該当すること,②処分が相当であること,③手続が相当であることです。
 ①の懲戒事由には経歴詐称,業務命令違反,職場規律違反,無断欠勤,会社物品の私用,私生活上の非行,二重就職・兼業規制などがあります。 懲戒処分時に使用者が認識していなかった非違行為は,原則として,当該懲戒処分が有効であることの理由にはできません。
 ②処分の……

整理解雇する際に検討すべき要素を教えてください。

 整理解雇は,企業が経営上,人員削減するために行う解雇です。整理解雇は労働者に帰責事由がない点が特徴ですので,労働者側に帰責事由がある場合の普通解雇よりも厳しく有効性が判断されることになります。  整理解雇の有効性については,次の4つの要素を検討すべきことになります。
① 人員整理の必要性
 企業経営上の必要性に基づいていること,またはやむを得ない措置と認められること……

能力不足を理由に解雇したい場合,どのような点に着目して検討すればいいですか。

 勤務成績・態度が不良で,職務を行う能力や適格性を欠いているという場合,
①使用者と当該労働者との労働契約上,その労働者に要求される職務の能力・勤務態度がどの程度のものか。
②勤務成績,勤務態度の不良はどの程度か。
③指導による改善の余地はあるのか。
④他の労働者のとの取扱いに不均衡はないか
という点に着目して検討していくことに……

就業規則を定めていなくても懲戒解雇できますか。

 懲戒解雇といった懲戒処分をするためには就業規則に懲戒事由を定め,かつ,これを周知していなければいけませんので,常時10人以上を雇用していなく,労基法上,就業規則の作成・届出義務が課せられていない会社であっても,就業規則に懲戒事由を定めていなければ,懲戒処分はできません。
 なお,普通解雇は就業規則に解雇事由を定めていなくても可能ですが,当該解雇に客観的合理的な理由があり,社会通念上……

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