Q802 会社の解散・倒産に伴う整理解雇についても4要素を充たさなければなりませんか?

 会社解散及び清算型倒産手続に伴って整理解雇を行う場合、必ずしも、整理解雇の法理(①整理解雇の必要性、②解雇回避努力、③人選の合理性、④手続の相当性)が適用されるわけではありません。このような解雇の有効性をめぐっては、職業選択の自由や財産権の保障を根拠とする企業廃止の自由を理由として、解散が適法・有効に行われる限り、解散を理由とする解雇は有効とする裁判例(大陸運事件大阪高裁平成15年11月13日判決等)と、会社の解散と解雇は無関係として、解雇について整理解雇の要件を適用するなどして解雇権濫用を認めた裁判例(静岡フジカラーほか2社事件静岡地裁平成16年5月20日判決)、整理解雇を修正した基準による裁判例(グリン製菓事件大阪地裁平成10年7月7日判決等)が乱立しています。
 一般的には、解散に伴う解雇を当然に有効と認めるよりは、労使交渉等の手続の相当性も考慮して解雇の有効性を判断する傾向にあると考えます。
 他方、再建型倒産手続は、企業は解散せずに存続再建されるため、整理解雇の法理がそのまま適用されるというのが裁判例の傾向です。会社更生手続下での整理解雇が初めて争われた日本航空事件(東京地裁平成24年3月29日判決等)では、管財人による整理解雇には労働契約法16条の適用があり、4要素をもって解雇権濫用の有無を判断するとしつつも、合理的な会社更生案に則って行われた整理解雇で、人選にも不合理な点がないことから、その後の業績の急回復、新規従業員の採用という事実があったとしても整理解雇は有効だと判断しました。

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