ワード:「解雇」

労働審判の対応・相談(会社経営者側)

 平成18年4月から運用を開始した労働審判制度は個別労使紛争を解決するための手続として実務に定着し,近年では日本全国で年間3000件を超える労働審判事件が申し立てられています。労働審判事件は,申立てから平均80日にも満たない審理日数で約80%が解決しているという実績があり,従来であれば訴訟にならなかったような個別労使紛争についても労働審判が申し立てられることが多くなっています。
 労……

精神的疾患が疑われる社員が働き続けている。

1 医師の診察を受けてもらう
(1) 自発的に受診するよう促す
 精神疾患の場合,身体的な疾患とは異なり,病気の自覚がなかったり,精神的疾患を理由に職場で不利な扱いを受けるのではないかと考えたりして,医師の診療を受けないことがあります。
 医師の診療を拒む労働者には,まずは,上司が当該社員と面談して医師の診察を受けるよう助言したり,上司が当該社員の家族から……

同僚に嫌がらせをする。

1 事実関係の把握
 まずは事実関係を把握することが重要です。嫌がらせがあった日時,場所,内容を確認し,社員の言い分を聴取する際は,嫌がらせを受けたと思われる社員だけでなく,嫌がらせをしたと思われる社員,場合によっては周囲の社員からも話を聴くようにしましょう。 2 注意・指導
 嫌がらせが確認できた場合,まずは嫌がらせをした社員を注意指導することから始めるのが穏当です……

労働審判手続において解決を求めるのに適した紛争とはどういうものですか?

 労働審判手続は,原則として,3回以内の期日において審理を終結しなければならないものと定められています。したがって,労働審判手続において解決を求めるのに適した紛争とは,権利関係について争いがあり,争点について3回以内の期日で審理を行うことが可能と思われる事件であり,具体的には,争点が比較的単純な解雇事件,未払賃金(残業代等),退職金,解雇予告手当等の支払を求める事件などが考えられます。
……

労働審判手続の対象となる「個別労働関係民事紛争」とはどういうものですか?

 個別労働関係民事紛争とは,労働者個人と事業主との間の解雇や雇止めの効力に関する紛争,賃金や退職金に関する紛争,安全配慮義務違反による損害の賠償を求める紛争等をいいます。
 個別労働関係民事紛争に該当するためには,個々の労働者と事業主との間の紛争であることが必要であるから,労働組合と事業主との間に生じた集団的労使紛争は,労働審判手続の対象にはなりません。
 もっとも,不……

企画業務型裁量労働制を導入するにあたり,労使委員会で決議すべき対象労働者の同意及び厚生労働省で定める事項の具体的内容を教えてください。

1.対象労働者の同意等
 対象労働者の同意等の具体的内容は,対象労働者を対象業務に就かせたときは対象労働者の労働時間として算定される時間労働したものとみなすことについて対象労働者の同意を得なければならないこと及び当該同意をしなかった対象労働者に対して解雇その他不利益な取扱をしてはならないことです。
 「労働基準法第38条の4第1項の規定により同項第1号の業務に従事する労……

無断欠勤を続けている。

1 連絡を試みる
 本人と連絡がとるために様々な手段を試みることが重要です。電話,メール,自宅への訪問,両親等保証人に連絡をして本人と連絡を取れるよう依頼することが考えられます。また,後日,連絡を試みたことが分かるように証拠を残しておくことが重要です。
 このような方法を試みたものの長期間連絡が取れず,退職として処理したい場合には,以下の2つの方法が考えられます。 2……

チェーン店の小売業,飲食業における管理監督者の範囲を教えてください。

 東京地裁の平成20年1月28日の日本マクドナルド事件の判決後,労基法41条1号に該当する管理監督者について,企業は対応に苦慮することになりました。これまで,日本企業の多くが管理職を管理監督者として取り扱う傾向がありましたが,大きな労働問題になったことはありませんでした。しかし,管理監督者の問題は,サービス残業問題も絡んでいることから,行政が厳しく対応するようになり,社会的にも重大な問題になりまし……

遅刻・欠勤を繰り返す。

1 遅刻・欠勤に対する対応策
 所定労働日に所定労働時間の労務を提供することは労働者の義務ですので,遅刻・欠勤は,労働契約上の義務違反になります。
 会社側が執りうる手段は,注意・指導をすること,遅刻した時間・欠勤日の賃金を差し引くこと,懲戒処分が考えられます。 2 注意・指導する
 当該社員と面談することによって,遅刻・欠勤の理由を確認し,遅刻・早退届……

経歴を詐称した。

1 経歴詐称が判明した場合の対応
 経歴を詐称していたことが分かる証拠を確保した上で,本人から事情を聞くことが必要です。事情聴取の後,本人が自主的に退職する意思があるかどうかを確認し,退職意思がある場合には退職届を提出してもらい,退職の手続をとることになります。
 本人に退職する意思がない場合には,普通解雇(本採用拒否),懲戒解雇(諭旨解雇)を検討します。 2 普通解……

企画業務型裁量労働制の就業規則規定例及び労使委員会の決議例を教えてください。

1.企画業務型裁量労働制の就業規則規定例 第○条 企画業務型裁量労働制の対象社員は,労使委員会の決議(決議)において定められ,本人の同意を得たものとする。
2 前項の規定に関わらず,会社が対象社員に企画業務型裁量労働制を適用することが適当でない事情があると認めた場合は,当該社員を対象社員から外し,企画業務型裁量労働制を適用しないことがある。
3 対象社員が所定労働……

採用予定者が遵守事項に違反した。

1 内々定・内々定取消し
(1) 内々定とは
 内々定に法的な定義があるわけではありませんが,一般的に,内々定とは正式な内定を出す前に,学生に対して内定の見込みであることを口頭などで伝えている状態をいいます。あくまで正式な内定までの間,学生が他の企業に流れることを防ごうとする事実上の活動に過ぎず,内々定の段階では労働契約は成立していません。したがって,内々定を取消したと……

残業代請求の訴訟における「付加金」とはどういうものですか?

 使用者が次の①~④の支払義務に違反した場合,裁判所は,労働者の請求により,使用者が支払うべき未払金のほか,これと同一額の付加金の支払を命ずることができます(労基法114条1項本文)。
 ① 解雇予告手当(労基法20条)
 ② 休業手当(労基法26条)
 ③ 時間外・休日・深夜労働の割増賃金(残業代)(労基法37条)
 ④ 年次有給休暇中の賃……

試用期間中の社員の能力が低い。

1 本採用拒否
(1)新規採用の段階と本採用拒否の段階での違い
 新規採用の場面では,契約自由の原則から,採用申込者を雇用するかを自由に決めることができます。雇用契約を締結しなかったとしても,その理由や証拠は不要です。ただし,男女雇用機会均等法などに違反した場合には不法行為責任が生じる可能性があります。
 試用期間中の社員との間の契約関係は,特段の事情が認……

休職事由が消滅したか否かを判断する際の注意点を教えて下さい。

 休職事由の消滅とは,業務を十分に行うことができる健康状態が回復したことをいい,労働者が休職前の職務を支障なく行い得る程度に健康状態が回復している場合には,休職事由は消滅しているといえます。
 問題となるのは,職種が限定されていない社員について,休職前の職務を支障なく行い得る程度に健康状態が回復してはいないが,現実に配置可能性のある他の業務があり,その業務であれば職務を支障なく行い得……

私傷病休職期間中は,賃金を支払わなければならないのでしょうか?

 私傷病休職期間中の賃金の発生の有無は,就業規則等の定めによるのが通常ですから,就業規則等で私傷病休職期間中に賃金を支払うと定めている場合には,支払う必要があります。
 私傷病休職期間中の賃金の有無の定め方について,大企業では,有給期間と無給期間を併用している会社が多いですが,一般的には,私傷病休職は労働者側の事情による欠勤として無給とし,私傷病手当金等を活用することが多いです。……

労働基準監督署は,何を基準に精神疾患の労災を認定しているのですか?

 労働基準監督署は,平成23年12月23日に厚生労働省が定めた「心理的負荷による精神障害の認定基準」に沿って,うつ病などの精神疾患の労災認定を行っていると考えます。  「心理的負荷による精神障害の認定基準」は,労災認定の要件として,次のものを挙げています。
① 認定基準の対象となる精神障害を発病していること
② 認定基準の対象となる精神障害の発病前おおむね6か月の間に……

労働者が10人未満であれば就業規則を作成しなくても良いですか。

 労基法上,就業規則の作成義務,労基署への届出義務が課されているのは労働者が10人以上の場合ですので,労働者が10人未満であれば就業規則の作成義務はありません。
 しかし,労働者を懲戒処分する場合や出向させる場合などの企業の人事権を有効に行使するためには,企業規模に関わらず,就業規則で根拠となる規定を定め,周知しておく必要がありますので,労働者が10人未満の場合であっても,就業規則を……

就業規則を作成する際の手順を教えてください。

1 就業規則の作成義務
 常時10人以上の労働者を使用する場合には,就業規則の作成義務と労基署への届出義務があります。労働者は,正社員,パート,契約社員などの雇用形態を問わず当該事業場で使用されている者をいいます。
 常時10人以上の労働者を使用していない場合であっても,懲戒処分をするためには就業規則を定めて周知させている必要がありますので,会社の規模に関係なく就業規則……

労働者を雇い入れる際に,労働者に通知すべき事項を教えてください。

 使用者は,最低限,①労働契約期間,②更新の基準(有期契約の場合),③就業場所,④業務の内容,⑤労働時間,⑥賃金,⑦退職に関する事項(解雇事由等)を書面によって通知する必要があります(労基法施行規則5条1項1号から4号)。
 また,パートタイム労働者に対しては,上記労働条件に加えて,昇級の有無,退職手当の有無,賞与の有無,相談窓口についても明示する必要があります。(パートタイム労働法……

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