労働問題805 退職勧奨とはどういうものですか?

 退職勧奨とは、使用者が労働者に対して辞職や労働契約の合意解約の承諾を促すことをいいます。厳格な解雇規制を回避するために、使用者が経営上の理由によるリストラを行うに際して、希望退職募集制度を実施しながらも目標退職者数を確保する目的で、あるいは、希望退職募集制度実施後の事業方針に適合しない労働者等の特定の労働者の退職を促す目的で、労働者との個別面談を通じて行われるのが通常です。また、目標退職者数が少ない場合や必要な人材の流出を回避する目的で、あえて希望退職募集制度を実施せずに、多数の労働者と個別面談をして退職勧奨を行うケースもあります。
 労働者に普通解雇事由あるいは懲戒解雇事由が認められる場合に、労働者の再就職の不便に配慮し、退職勧奨を行うケースもあります。
 退職勧奨の法的性格について、裁判所は、「退職勧奨は、任命権者がその人事権に基づき、雇用関係あるものに対し、自発的な退職意思の形成を慫慂するためになす説得等の行為であって、法律に根拠を持つ行政行為ではなく、単なる事実行為である。」と述べています(下関商業高校事件最高裁一小昭和55年7月10日判決)。

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