ワード:「残業代」

始業前の朝礼は「残業代」の支払いが必要ですか。

この記事の結論 1 朝礼が指揮命令下にあれば、始業前でも労働時間になる 始業時刻前に行われる朝礼が労働時間に該当するかは、朝礼という名称や実施時間帯によって決まるものではなく、会社の指揮命令下で行われているかどうかで客観的に判断されます。 2 確実なリスク回避策は、朝礼を始業時刻後に移すこと 実務上、朝礼は労働時間と判断されやすい……

勤務時間外における企業外での犯罪行為を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。

この記事の結論 1 企業秩序に関係を有する場合に限り、懲戒事由となる 勤務時間外の企業外行動は原則として労働者の私生活上の行為ですが、企業の円滑な運営に支障を来すおそれがあるなど企業秩序に関係を有する場合は、懲戒事由となります(関西電力事件、最高裁昭和58年9月8日判決)。 2 運転業務従事者は、他の職種より厳格に判断される バス……

定額残業代の最近の裁判例を教えてください。

この記事の結論 1 月45時間を大幅に超える定額残業代は、公序良俗違反とされるリスクがある 36協定の延長限度基準である月45時間を大幅に超える時間数を前提とした定額残業代は、その時間数を義務付けること自体が安全配慮義務や公序良俗に反するとして、月45時間相当分の対価としてしか認められない裁判例があります。 2 手当の性質が時間外労……

定額残業代が適法となる要件について教えてください。

この記事の結論 1 通常賃金と割増賃金部分が判別できることが最重要の要件 通常の労働時間の賃金に当たる部分と、時間外・深夜の割増賃金に当たる部分とを判別することができない場合、定額残業代の支払によって割増賃金が支払われたとは認められません(高知県観光事件、最高裁平成6年6月13日判決)。 2 法定額を上回れば適法、下回れば差額支払義……

労基法は残業代の割増率についてどのように定めていますか。

この記事の結論 1 割増率は時間外25%以上(月60時間超は50%以上)、休日35%以上、深夜25%以上 労基法が定める割増率は、時間外労働が1か月60時間以下で25%以上、60時間超で50%以上、法定休日労働が35%以上、深夜労働が25%以上です。これは最低基準であり、これを下回る定めは無効です。 2 中小事業主への月60時間超5……

月給制の時間単価の計算方法を教えてください。

この記事の結論 1 時間単価=1か月の基礎賃金÷1か月の所定労働時間数 月給制における残業代の時間単価は、1か月の基礎賃金を、1か月の所定労働時間数で除して算定します。所定労働時間が月によって異なる場合には、1年間の1月平均所定労働時間数を用います。 2 割増率は原則、時間外1.25・休日1.35・深夜0.25 算定した時間単価に……

残業代(割増賃金)の支払の対象となる労働時間とはどのような時間ですか。

この記事の結論 1 残業代の対象は、法定時間外労働・法定休日労働・深夜労働の3区分 使用者は、労働者を法定時間外労働、法定休日労働、深夜労働に従事させた場合には、残業代(割増賃金)を支払わなければなりません(労基法37条)。従業員から残業代を請求された際は、この3区分に沿って対象時間を精査する必要があります。 2 法定内残業や法定外……

残業代の消滅時効が中断されるのはどのような場合ですか。

この記事の結論 1 現行民法は「中断」ではなく「完成猶予」「更新」という制度 2020年4月施行の改正民法により、消滅時効の進行を止める仕組みは、「中断」という単一の概念から、「完成猶予」(時効の完成を一時的に猶予する)と「更新」(時効期間をゼロから再スタートさせる)という2つの概念に再編されています。 2 催告(内容証明郵便)は完……

残業代の消滅時効期間の起算点を教えてください。

この記事の結論 1 起算点は、各賃金支払日の翌日 残業代の消滅時効期間の起算点は、各賃金支払日の翌日です。民法上、消滅時効は権利を行使することができる時から進行するとされており、残業代を請求できる時、すなわち給料日がこれに当たります。 2 残業代の支給日が別に定められている場合は要注意 就業規則等で、所定内賃金の支給日と残業代の支……

賃金の時効について、民法では1年、労基法では2年と定められているようですが、どちらが適用されますか。

この記事の結論 1 賃金請求権の消滅時効は、条文上は原則5年、現在は経過措置で3年 2020年4月の労基法改正により、賃金請求権の消滅時効は原則5年とされました(労基法115条)。もっとも、附則143条3項の経過措置により、当分の間は3年とされています。 2 2020年4月1日以降に支払期日が到来した賃金債権が対象 3年の消滅時効……

専門業務型裁量労働制が適用されている場合の残業代の計算方法を教えてください。

この記事の結論 1 みなし労働時間が法定労働時間を超える部分にのみ、残業代が発生する 専門業務型裁量労働制の適用が認められた場合、実労働時間にかかわらず、労使協定で定めたみなし労働時間が法定労働時間(1日8時間)を超える場合に限り、その超過分について残業代が発生します。 2 深夜労働・法定休日労働は、裁量労働制でも別途割増賃金が必要……

残業代トラブルの対応

残業代を請求された会社経営者の皆様へ  残業代を請求する内容証明郵便・労働審判申立書・訴状・団体交渉申入書が届いた場合は、お早めにご相談ください。残業代トラブルは「ターゲットにされやすい分野」であり、放置すると大きなリスクになります。  弁護士法人四谷麹町法律事務所は、会社側・経営者側に特化した法律事務所です。残業代トラブルの予防・解決に全国対応しています。 ▼ このページの内容……

労働審判の対応

労働審判の申立書が届いたら──会社側の対応は「初動」が勝負です  突然、裁判所から労働審判の申立書が届いた。そんな経験がある経営者の方は少なくありません。申立書受領から第1回期日まではわずか約1か月。この短期間でいかに万全の準備をするかが、結果を大きく左右します。  弁護士法人四谷麹町法律事務所は、会社経営者側に特化した労働審判対応で、全国の経営者をサポートしています。 ▼ この……

企画業務型裁量労働制の概要と導入要件、みなし労働時間の注意点について教えてください。

この記事の結論 1 企画業務型裁量労働制は①労使委員会の決議・届出②就業規則の定め③対象業務への従事の3要件が必要 一つでも欠けた場合、みなし労働時間の効力は発生しません。労使委員会は委員の5分の4以上の多数による議決が必要です(労基法38条の4)。 2 休憩・休日・36協定・割増賃金規制は引き続き適用。深夜割増も別途必要 企画業……

チェーン店(小売業・飲食業)における管理監督者の範囲と行政指導の強化について教えてください。

この記事の結論 1 日本マクドナルド事件(平成20年)以降、チェーン店の管理監督者性は平成20年通達で厳しく規定 平成20年4月1日の通達(基監発0401001号)により、管理監督者性を否定する「重要な要素」と「補強要素」が具体的に示されました。採用・解雇・人事考課・シフト管理の実質的権限がない場合が特に重視されます。 2 時給換算……

監視または断続的労働に従事する者とは何ですか。

この記事の結論 1 適用除外には必ず労働基準監督署長の許可が必要。許可なしは法違反 労基法41条3号の適用除外は、管理監督者(41条2号)と異なり、行政官庁(労基署長)の許可が必須です。許可なく適用除外を前提に運用することは労基法違反となり得ます。 2 許可を受けても深夜割増賃金の支払義務は免除されない 労基法41条3号の適用除外……

厚生労働省が定める労働時間適正把握基準と、サービス残業対策について教えてください。

この記事の結論 1 サービス残業は賃金全額払い(労基法24条)・割増賃金(37条)違反となる重大なリスク 36協定の有無にかかわらず実際に時間外労働が行われていれば割増賃金の支払義務が生じます。退職後に過去2〜3年分の残業代を請求されるリスクがあります。 2 厚生労働省の基準(平成13年・基発339号)は始業終業時刻の確認・客観的記……

賃金形態別(時給・日給・月給・歩合給)の割増賃金1時間単価の計算式を教えてください。

この記事の結論 1 割増賃金の1時間単価は賃金形態ごとに異なる計算式で算出する(労基則19条) ①時給制=時給そのもの②日給制=日給÷所定労働時間数③週給制=週給÷週所定労働時間数④月給制=月給÷月平均所定労働時間数⑤歩合給制=歩合給÷総労働時間数。正確な算定が残業代の適正支払の基礎となります。 2 除外できる賃金は7種類。名称では……

専門業務型裁量労働制の適用労働者が遅刻・早退・欠勤した場合、使用者はどのような取り扱いができますか。

この記事の結論 1 遅刻・早退:服務規律違反として懲戒処分の対象になり得るが、賃金カットは原則できない 裁量労働制の適用労働者が遅刻・早退した場合、企業秩序・服務規律を乱したとして注意・懲戒処分の対象となり得ますが、みなし時間が労働したものとみなされる以上、その時間分の賃金カットは原則としてできません。 2 欠勤:みなし規定の適用が……

事業場外みなし制において、全労働時間を所定労働時間または通常の労働時間とみなすことはできますか。

この記事の結論 1 すべての労働日を一律にみなし時間で処理することはできない 事業場外みなし労働時間制が適用されるのは、あくまで使用者の指揮監督が及ばず労働時間を算定し難い事業場外業務に従事した労働日に限られます。事業場内勤務日や指揮監督が及ぶ日を含めて一律にみなし時間で処理することはできません。 2 「算定し難いとき」は判例上、厳……

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