労働問題626 所定労働時間が7時間30分の場合の残業代計算方法を教えて下さい。

 就業規則上の所定労働時間が7時間30分の企業において、7時間30分を超えて残業させた場合、8時間までの30分間は法内時間外労働となり、8時間を超えた部分は法定時間外労働となります。
 法定時間外労働の賃金は、労基法37条1項において、一定の割増率以上の割増賃金(残業代)を支払わなければならないとされています。
 法内時間外労働の賃金は、就業規則等で定めがある場合にはその定めのとおり支払い、就業規則等で定めがない場合には、通常の賃金の時間単価で計算した賃金を支払うのが通常です。
 所定労働時間7時間30分の企業おける月給制社員の残業代の計算例は、次のとおりです。

【モデルケ-ス】
A社
 ① 1日の所定労働時間:7時間30分
 ② 所定休日:土、日、祝日、年末年始12月28日~1月3日、夏季休暇5日
 ③ 就業規則上の法内時間外労働の賃金の定め:通常の賃金を支払う

正社員B
 ① 当月の賃金:基本給25万円(他の手当無し)
 ② 当月の残業時間:法内時間外労働数6時間、時間外労働時間数20時間、休日労働時間数16時間、深夜労働時間数5時間

1.通常の賃金の時間単価の計算(小数点以下四捨五入)
 年間所定労働日数=365日-休日133日=232日
 年間の所定労働時間数=1日の所定労働時間7時間30分×232日=1740時間
 1月平均所定労働時間数=1740時間÷12か月=145時間
 通常の賃金の時間単価=月給25万円÷145時間≒1724円/時

2.割増賃金(残業代)単価の計算(小数点以下四捨五入)
 ① 時間外労働の時間単価=1724円/時×1.25=2155円/時
 ② 休日労働の時間単価=1724円/時×1.35≒2327円/時
 ③ 深夜労働の時間単価=1724円/時×0.25=431円/時

3.割増賃金(残業代)額の計算
 ① 法内時間外賃金=1724円/時×6時間=1万0344円
 ② 時間外割増賃金=2155円/時×20時間=4万3100円
 ③ 休日割増賃金=2327円/時×16時間=3万7232円
 ④ 深夜割増賃金=431円/時×5時間=2155円

4.当月の残業代
 正社員Bの当月の残業代=1万0344円+4万3100円+3万7232円+2155円=9万2831円

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