労働問題646 フレックスタイム制の就業規則規定例及び労使協定例を教えてください。

 フレックスタイム制を導入する場合、就業規則に、始業・終業時刻の両方を労働者の決定に委ねる旨、規定する必要があります。始業・終業時刻のどちらか一方だけを委ねるという規定では足りず、また、出勤時間は何時でも良いが1日8時間は働くよう命じることについても、終業時刻の選択を労働者に委ねていないことになるため、認めらません。ただし、1日ごとに時間管理をし、割増賃金も法律どおり支払っている場合は、フレックスタイム制自体は認められませんが、労基法上は適法な扱いとして認められます。

就業規則例

第○条 労使協定によりフレックスタイム制の対象となる従業員については、第○条(始業・終業時刻)の定めにかかわらず、始業・終業時刻を労使協定で定める始業、終業の時間帯の範囲内において従業員が自由に決定できるものとする。

労使協定例

 株式会社○○と株式会社○○従業員代表○○○○は、フレックスタイム制について次のとおり協定する。
(フレックスタイム制の適用従業員)
第1条 フレックスタイム制は、○○課を除く全従業員に適用する。
(清算期間)
第2条 清算期間は1か月、起算日は毎月1日とする。
(清算期間中における総労働時間)
第3条 清算期間における総労働時間は、1日7時間に、当該清算期間における所定労働日数を乗じて得られた時間数とする。
(1日の標準労働時間)
第4条 1日の標準労働時間は、7時間とする。
(コアタイム)
第5条 コアタイムは、午前10時から午後3時まで(正午は午後1時から休憩時間)とする。
(フレキシブルタイム)
第6条 始業時刻につき労働者の自主的決定に委ねる時間帯は、午前8時から午前10時まで、終業時刻につき労働者の自主的決定に委ねる時間帯は、午後4時から午後8時までとする。
(超過時間の取扱い)
第7条 清算期間中の実労働時間が所定労働時間を超過した場合、使用者は、超過した時間に対して給与規程第○条の割増賃金を支給する。
(不足時間の取扱い)
第8条 清算期間中の実労働時間が所定労働時間より不足した場合は、不足した時間を次の清算期間の法定労働時間の範囲内で清算する。
(休日労働)
第9条 所属長の許可を得た上で休日に労働した場合は、当該労働時間を第3条の総労働時間から除外し、給与規程第○条の割増賃金を支給する。
(有効期間)
第10条 本協定の有効期限は、○○○○年○月○日から1年間とする。ただし、有効期間満了の1か月前までに使用者、労働者代表のいずれからも申し出が無い場合は、さらに1年間の有効期間を延長するものとする。

 ○○○○年○月○日
  株式会社○○代表取締役社長 ○○○○ 印
  株式会社○○従業員代表   ○○○○ 印

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