ワード:「労働問題」

退職勧奨が違法な退職強要と評価される基準は何ですか。

この記事の結論 1 退職勧奨は原則適法だが、進め方や動機を誤ると退職強要として不法行為になる 「合意退職だから問題ない」という認識は危険です。権利行使を理由とした選定は開始時点から違法と評価されます。 2 違法性の判断基準は面談の回数・時間・場所・言動の4点 拒絶後の継続、長時間の拘束、密室状況、脅迫的言動は退職強要(民法709条……

退職届は、錯誤無効や強迫取消によって覆されることがありますか。

この記事の結論 1 根拠のない「懲戒解雇になる」という言葉で退職届を取得すると、効力が覆されるリスクがある 民法95条の錯誤無効、民法96条の強迫取消として、退職の意思表示が遡って否定される可能性があります。認められればバックペイ・復職・慰謝料のリスクが生じます。 2 「無断録音されている」前提の発言管理と、合意退職書の活用が防衛策……

退職届の撤回を防止するには、どうすればよいですか。

この記事の結論 1 退職届受理から合意確定までの「空白の時間」をなくすことが撤回防止の核心 決裁権限者による速やかな承認と「退職承認通知書」の即日交付を制度として整備しておくことが不可欠です。 2 原本交付・受領印・内容証明による証拠化と、より確実な合意退職書の活用 受領を拒否された場合も、民法97条の到達主義に基づき効力が生じる……

退職届の撤回はいつまで可能ですか。

この記事の結論 1 退職届は「合意退職の申込み」にすぎず、決裁権限者の承諾が到達するまでは原則撤回できる 直属の上司が預かっただけでは承諾にはなりません。決裁権限を持つ者の意思表示が社員に到達した瞬間に、初めて撤回が封じられます。 2 速やかな決裁と退職承諾書の即日交付、または合意退職書の活用が撤回リスクを遮断する 後任者の採用確……

退職勧奨に応じない社員を配置転換することはできますか。

この記事の結論 1 退職勧奨と配置転換は法的に独立した問題。拒否への「罰」としての異動は通用しない 配置転換が有効か否かは、退職勧奨の有無に関係なく、異動命令自体が人事権濫用法理の要件を満たしているかで判断されます。 2 東亜ペイント事件が示す3要件のいずれかに該当すれば配置転換は無効になる 業務上の必要性がない場合・不当な動機目……

退職勧奨に応じない社員を解雇できますか。

この記事の結論 1 退職勧奨の拒否は社員の正当な権利行使。それを理由とした解雇は解雇権濫用として無効になる 「退職勧奨を断ったから解雇した」という経緯が明らかになれば、裁判所は会社側の主張を厳しく審査します。解雇には、退職勧奨の拒否とは独立した根拠が必要です。 2 解雇には客観的合理的理由と社会通念上の相当性という2要件が必要(労契……

退職勧奨で「解雇にしてほしい」と言われた場合、応じるべきですか。

この記事の結論 1 退職勧奨による離職は「特定受給資格者」に該当し、解雇と同等の優遇を受けられる 給付制限なく待機7日後から受給が開始され、受給日数も解雇と同等です。「解雇にしないと不利になる」という社員の懸念は誤解に基づくものです。 2 実態と異なる解雇処理は不当解雇の証拠化と離職票の虚偽記載という二重のリスクを招く 虚偽記載は……

退職勧奨時に有給休暇の買い上げはできますか。

この記事の結論 1 事前買い上げは原則禁止だが、退職時の未消化分の買い上げは例外的に許容される 有給休暇の事前買い上げは労基法39条の趣旨に反し、合意があっても労基法13条により無効です。しかし退職後は取得機会が失われるため、退職時の清算は労働者にとって利益になります。 2 退職合意書への明記と合理的な単価設定が紛争防止の鍵 法定……

退職勧奨に解雇予告手当は必要ですか。

この記事の結論 1 退職勧奨による合意退職に、労基法20条の解雇予告手当の支払義務はない 解雇予告手当が適用されるのは会社が一方的に契約を終了させる「解雇」の場面に限定されます。退職勧奨は合意退職であり、この規定の対象外です。 2 「解雇予告手当」名目での支払いは、不当解雇の証拠を自ら作る危険な行為 解決金・特別退職金・再就職支援……

印鑑のない退職届は無効ですか。

この記事の結論 1 退職届の効力発生に押印は法律上必須ではない。署名があれば有効に成立し得る 退職の意思表示は法律上の要式行為ではなく、書面すら必須ではありません。押印がないことのみを理由に退職届を無効と扱うことはできません。 2 実務上は署名と併せて押印を求めるのが安全。会社側の代筆・無断押印は重大な違法行為 押印は本人性の証明……

合意退職はいつ成立しますか。

この記事の結論 1 合意退職は「社員の申込み」に「会社の承諾」があって初めて成立する 退職届の提出は合意退職の「申込み」にすぎず、会社の承諾があって初めて契約が成立します。承諾するまでは、社員は原則として撤回できます。 2 承諾権者を明確にし、承諾の意思表示を速やかに書面で示すことがリスク回避の鍵 就業規則で誰が承諾権者かを明記し……

退職勧奨を拒否された場合、会社はどう対応すればよいですか。

この記事の結論 1 退職勧奨に応じる義務は社員にはなく、拒否は正当な権利行使 拒否後も執拗に迫る行為は、退職強要として不法行為(民法709条)になり得ます。任意性の確保が適法性の絶対条件です。 2 拒否後の選択肢は、雇用継続・条件改善での再交渉・解雇の検討の3つ 退職勧奨の拒否それ自体は解雇の客観的合理的理由にはなりません(労契法……

退職勧奨を担当させる社員は誰が適任ですか。

この記事の結論 1 担当者の選定が、退職勧奨の成否と紛争リスクの高低を大きく左右する 共感能力・冷静なコミュニケーション能力・第三者的立場を持つ役職者が適任です。直属の上司や、対象社員と人間関係が悪化している社員は避けるべきです。 2 適任者が社内にいない場合は、弁護士によるシミュレーションや面談同席が有効 担当者自身のメンタル面……

契約期間中のパート社員に退職勧奨をする際、「やむを得ない理由」は必要ですか。

この記事の結論 1 退職勧奨には「やむを得ない理由」は不要。ただし通常より慎重なプロセスが求められる 期間内解雇(労契法17条1項)には厳格な「やむを得ない事由」が必要ですが、退職勧奨は合意による契約終了を目指す提案なので法的要件はありません。しかし有期雇用社員には契約期間中の雇用継続への強い期待があります。 2 拒否された場合は雇……

閉鎖部門の社員だけを対象とする退職勧奨は適法ですか。

この記事の結論 1 閉鎖部門に限定した退職勧奨は、不利益取扱いや公序良俗違反に該当しない限り原則適法 誰を対象とするかは原則として会社側の経営裁量に委ねられます。ただし、組合員の狙い撃ちや妊娠・産休復帰者の排除を目的とした部門閉鎖の偽装は違法です。 2 退職勧奨に応じない場合に備え、整理解雇を見据えた解雇回避努力を並行して記録化する……

妊娠・産休中の社員に退職勧奨をすることはできますか。

この記事の結論 1 妊娠・産休を理由とした退職勧奨は均等法9条3項の不利益取扱いに該当し原則許されない 退職勧奨も「不利益な取扱い」に含まれます。表面上の同意があっても、真意のない同意は退職強要と同視されるリスクがあります。 2 産休期間中とその後30日間は労基法19条の解雇制限も重なり二重のリスクが生じる 退職無効・バックペイ・……

労災休業中の社員に退職勧奨をすることはできますか。

この記事の結論 1 労基法19条が禁止するのは「解雇」であり、退職勧奨自体は法律上禁止されていない 社員が自由な意思で退職に応じるのであれば、休業期間中でも合意退職は有効に成立します。 2 強引な進め方は「解雇制限の潜脱」として退職無効・慰謝料請求のリスクが極めて高い 療養中という特殊な法的背景から、通常の退職勧奨よりも格段に高リ……

退職勧奨で「男性だけ」「女性だけ」を対象にすることはできますか。

この記事の結論 1 「男性だけ」「女性だけ」を対象にする退職勧奨は均等法6条4号で明確に禁止されている 「女性は家計の補助的役割」「男性は再就職しやすい」といった固定的役割分担意識に基づく選定も、すべて違法であり不法行為となります。 2 形式上中立な基準でも、結果的に特定の性別に偏る間接差別に注意が必要 職種廃止による選定でも、そ……

退職勧奨の対象者は自由に選べますか。

この記事の結論 1 対象者選定は原則経営者の裁量。ただし「理由」が問われる 退職勧奨自体は自由ですが、その対象者選定の理由が法律・公序良俗に反すれば違法となります。育休・組合活動・権利行使・差別的属性を理由とした選定は避けるべきです。 2 違法な選定は慰謝料請求・退職合意取消し・企業イメージ毀損のリスクを招く 対象者の選定を誤ると……

退職勧奨のために社員を呼び出すことはできますか。

この記事の結論 1 退職勧奨のための呼び出しは業務命令の範囲内として原則認められる 退職に関する問題は雇用関係の一部であり、一定の範囲では業務命令として面談を求めることができます。ただし呼び出し方や面談の進め方によっては違法と評価されることがあります。 2 長時間拘束・多数回の面談・威圧的言動は退職強要(不法行為)となる 社員が明……

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