ワード:「みなし残業」
基本給や手当等に時間外・休日・深夜割増賃金を組み込んで支払う定額(固定)残業代は,どのような場合に有効となりますか。
この記事の要点
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最低限、賃金規程等への定め(または個別合意書への記載)が必要——口頭説明のみでは定額残業代として認められない
「口頭で説明した」だけでは労働契約の内容になっているとは認められないのが通常です
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通常の賃金部分と定額残業代部分が「判別可能」である必要がある——判別できなければ残業代の支払があったとは認められない(……
残業代(割増賃金)込みの賃金ということで社員全員が納得しており、誰からも文句が出ていないのですから、別途残業代(割増賃金)を支払わなくてもいいのではないですか。
「社員から文句が出ていない」は安全の根拠にはなりません
残業代(割増賃金)込みで月給30万円等と約束しており、社員から文句が全く出ていないからといって、残業代に相当する金額を特定していなくても未払残業代の請求を受けるはずはないと思い込んでいる会社経営者がいらっしゃいますが、甘い考えと言わざるを得ません。本記事では、この思い込みが生じる理由と現実のリスクを解説します。
目次
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残業代(割増賃金)に当たる部分を特定せずに月例賃金には残業代が含まれている旨の合意は有効ですか。
この記事の要点
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残業代に当たる部分の額を特定せずに合意・署名押印させても、通常の賃金と残業代の各部分が計算・検証できないため、残業代の支払があったとは認められない
「月給に残業代が含まれる」と口頭・書面で合意しても、金額の特定がなければ無効です
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モルガン・スタンレー・ジャパン(超過勤務手当)事件東京地裁H17.10.19判決は特殊事……
同業他社よりも高額の基本給・手当・賞与を支給し昇給もさせているので残業代(割増賃金)を別途支払う必要はないですよね
この記事の要点
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高額の基本給・手当・賞与の支給は残業代の支払の代わりにはならない——別途残業代(割増賃金)の支払義務が生じる
「十分な報酬で報いているから残業代は別途不要」という考えは法律上通用しません
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むしろ、毎月の基本給等の金額が上がれば残業代の単価が上がることになり、かえって高額の残業代請求を受けるリスクが高くなる
「高い給……
年俸制の社員に残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を支払う必要がありますか。
この記事の要点
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年俸制の社員も労基法上の労働者であり、時間外・休日・深夜に労働させた場合は残業代(割増賃金)を支払う必要がある
「年俸制=残業代不要」は法律上の根拠がない誤解です
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労基法上、年俸制社員について残業代(割増賃金)の支払義務を免除する規定は存在しない
賃金の算定・支払方法が「年俸制」であることは、残業代免除の根拠になり……
時間外・休日・深夜に労働させた場合でも残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を支払わない旨の就業規則の定めは有効ですか。
この記事の要点
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就業規則は労基法に違反してはならない(労基法92条1項)——残業代を支払わない旨の就業規則の定めは、労基法37条に違反するため無効
「就業規則に書けば合法になる」という誤解は法律上通用しません
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労基法違反の就業規則はその部分に関して無効となり、無効となった部分は労基法が適用される(労契法13条)
「……
時間外・休日・深夜に労働させた場合でも残業代を支払わなくても異存はない旨の誓約書に署名押印させている場合でも残業代を支払わなければなりませんか。
この記事の要点
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「残業代を支払わなくても異存はない」という誓約書への署名押印があっても、残業代の支払義務は消えない
誓約書は「合意の証拠」にはなりますが、残業代支払義務を消す効力はありません
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343番で解説したとおり、残業代(割増賃金)を支払わない旨の合意は労基法13条により無効——誓約書による「合意」も同様に無効
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時間外・休日・深夜に労働させた場合でも残業代を支払わない旨の合意は有効ですか。
この記事の要点
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残業代(割増賃金)を支払わない旨の合意は、たとえ労使双方が納得・合意していても無効——労基法13条の強行的効力による
「お互い合意しているから問題ない」という考えは法律上通用しません
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根拠は労基法13条——「労基法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分について無効となり、無効となっ……
残業代(割増賃金)込みだった月給の内訳を変更する場合の注意点を教えて下さい。
この記事の要点
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残業代込みだった月給の内訳を変更することは、労働条件の不利益変更と判断される可能性が高い
「内訳を整理するだけ」でも、社員の側から見れば不利益になりうる変更です
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使用者が一方的に社員の賃金の内訳を不利益に変更することはできない——社員から個別に同意書を取得する手続きが必要
「賃金内訳変更に関する同意……
残業代(割増賃金)を支払済みにするための賃金原資はどのように確保すればいいでしょうか。
この記事の要点
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残業代が払えなくなる最大の原因は「賃金の内訳の誤り」——本来残業代の支払に充てるべき金額を基本給・諸手当・賞与等に充ててしまっていること
「賃金総額は用意できているが内訳が間違っている」という状態です
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正しい考え方は「残業代(割増賃金)は必ず支払わなければならない」ことを前提として、基本給・諸手当・賞……
自己申告制を採用して自己申告された労働時間をチェックし、自己申告された労働時間に基づいて残業代(割増賃金)を支払えば、不必要な残業時間の抑制、想定外の残業代(割増賃金)請求対策になりますか。
この記事の要点
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自己申告された労働時間が実際の労働時間と合致している場合に限り、自己申告制は残業時間の抑制・残業代請求対策として機能する
前提条件が崩れれば、制度全体の効果が失われます
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自己申告された労働時間が実際の労働時間に満たない場合は、残業代請求対策としては機能せず、未払残業代が発生した状態が続く
「少なく申……
タイムカードの打刻時間が実際の労働時間の始期や終期と食い違っている場合、どのように対応すればよろしいでしょうか。
この記事の要点
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タイムカードに打刻された出社時刻〜退社時刻の間の時間から休憩時間を差し引いた時間が、その日の実労働時間と認定されることが多い
「打刻時間=労働時間」として評価されるため、打刻と実態の食い違いは放置できません
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打刻時間と実際の労働時間が食い違っている場合は、「①食い違いを容認してタイムカード基準で残業代……
残業の事前許可制を採用すれば、不必要な残業時間の抑制、想定外の残業代(割増賃金)請求対策になりますか。
この記事の要点
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残業の事前許可制は、就業規則等に定めるだけでなく、実際に事前許可なく残業することを許さない運用がなされているのであれば、不必要な残業の抑制や残業代請求対策として機能する
「制度があること」だけでなく「実際に機能していること」が必要条件です
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就業規則に定めて周知させても、実際には事前許可なく残業している……
残業するように指示していないのに残業した時間についてまで労働時間として取り扱い、残業代(割増賃金)を支払う必要がありますか。
この記事の要点
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明示の残業命令を出していなくても、部下が残業していることを上司が知りながら放置していた場合は、「黙示の残業命令があった」と認定されるのが通常
「指示していないから支払わなくてよい」という考えは、放置という事実がある限り通用しません
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「残業していることは知っていたが、何時まで残業したかは分からない」とい……
本人の能力が低いことや所定労働時間内に真面目に仕事をしていなかったことが残業の原因の場合でも、残業代(割増賃金)を支払わなければなりませんか。
この記事の要点
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本人の能力が低いことや所定労働時間内に真面目に仕事していなかったことが残業の原因であっても、現実に残業している場合は残業代(割増賃金)の支払義務が生じる
「自業自得だから払わなくてよい」という考えは法律上認められません
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能力が低いことや勤務態度の問題は、注意・指導・教育して改善させるとともに、人事考課……
不必要な残業を止めて帰宅するよう口頭で注意しても社員が帰宅しない場合の対応を教えて下さい。
この記事の要点
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口頭注意しても帰宅しない社員は、社内の仕事をするスペースから現実に外に出す必要がある
口頭注意だけで帰宅しない社員を放置することは大きなリスクを生じさせます
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終業時刻後も社内の仕事をするスペースに残っている場合、事実上使用者の指揮命令下に置かれているものと推定される——ヒロセ電機事件東京地裁H25.5……
残業時間を抑制するための基本的発想を教えて下さい。
この記事の要点
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部下に残業させるかどうかを決めるのは上司の責任であり、上司の管理能力が問われる問題
「残業はやむを得ない」ではなく「残業させるかどうかは上司が決める」という発想の転換が重要です
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その日のうちに終わらせる必要がない仕事については、翌日以降の所定労働時間内にさせる対応が必要
「今日中に終わらせなくてよい……
基礎賃金を抑制する際の注意点を教えて下さい。
この記事の要点
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単に基礎賃金を抑制するだけでは能力や貢献度に見合った賃金が支給できず、優秀な人材の確保が困難になる——基礎賃金の抑制と能力・貢献度に応じた賃金設計を両立させることが必要
「残業代の単価を下げる」という目的だけで基礎賃金を下げると、人材確保の問題が生じます
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基礎賃金を抑制しつつ能力・貢献度に応じた賃金を……
未払残業代(割増賃金)請求対策としては、どのようなものが考えられますか。
この記事の要点
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未払残業代(割増賃金)額は「残業代単価×残業時間-支払済み残業代」という計算式で求められる
この計算式の各要素に対応する3方向の対策が考えられます
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対策①——基礎賃金を抑制することで残業代(割増賃金)の「単価」を引き下げる。基礎賃金の抑制の仕方には注意点がある(332番で詳解)
単に基礎賃金を下げる……
残業代(割増賃金)請求対策の基本的発想として、何が重要と考えていますか。
この記事の要点
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残業代(割増賃金)の支払は「すべての労働者に共通する基本原則」(315番参照)——残業代請求対策はこの大前提の認識から出発する必要がある
「管理職だから」「みなし制だから」という思い込みが後の自滅につながります
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発生した残業代は「支払済み」にしなければ残業代請求を受けるリスはなくならない——残業代の発……