労働問題652 企画業務型裁量労働制の就業規則規定例及び労使委員会の決議例を教えてください。
1.企画業務型裁量労働制の就業規則規定例
第○条 企画業務型裁量労働制の対象社員は、労使委員会の決議(決議)において定められ、本人の同意を得たものとする。
2 前項の規定に関わらず、会社が対象社員に企画業務型裁量労働制を適用することが適当でない事情があると認めた場合は、当該社員を対象社員から外し、企画業務型裁量労働制を適用しないことがある。
3 対象社員が所定労働日に対象業務に従事した場合には、決議で定める時間勤務したものとみなす。ただし、対象社員が、欠勤その他の理由により所定労働日に対象業務に従事しなかった場合には、この限りではない。
4 休日は、第○条の定めるところによる。
5 企画業務型裁量労働制の対象社員が休日または深夜に労働する場合には、あらかじめ所属長の承認を受けなければならない。
6 前項により、承認を受けて休日または深夜に労働した場合、会社は、当該社員に賃金規程○条の定めるところによる割増賃金を支払う。
2.企画業務型裁量労働制の労使委員会の決議例
株式会社○○○○労使委員会は、企画業務型裁量労働制につき、以下のとおり決議する。
(対象業務)
第1条 企画業務型裁量労働制を適用する業務の範囲は、次のとおりとする。
①企画室において経営計画の策定を行う業務
②企画室において、現在の社内組織の問題点について調査及び分析を行う業務
③企画室において事業の編成を行う業務
④財務部において財務状態の調査及び分析を行う業務
(対象労働者)
第2条 企画業務型裁量労働制を適用する労働者は、前項の対象業務従事する社員のうち、入社して5年目以上でかつ職務等級が○級以上であるものとする。
2 前項の規定にかかわらず、会社が対象社員に企画業務型裁量労働制を適用することが適当でない事情があると認めた場合は、当該社員を対象社員から外し、企画業務型裁量労働制を適用しないことがある。
(対象社員の同意)
第3条 対象社員を対象業務に従事させる前に、対象社員から同意を得るものとする。
(不同意者の取扱い)
第4条 会社は、社員が前条に同意しなかった場合、社員に対して、解雇その他不利益な取り扱いをしてはならないものとする。
(みなし労働時間)
第5条 対象社員が所定労働日に対象業務に従事した場合には、就業規則○条に定める就業時間に関わらず、1日10時間労働したものとみなす。
2 対象社員が欠勤その他の理由により所定労働日に対象業務に従事しなかった場合には、前項の規定は適用しない。
(裁量労働)
第6条 対象業務の遂行の手段及び時間配分等の決定に関し、対象社員に対して会社は具体的な指示をしない。
2 対象社員の休憩時間は就業規則に定める時間を基本とするが、その具体的な時間については、対象社員がその裁量により決定する。
(健康・福祉確保措置)
第7条 会社は、以下のとおり、健康・福祉確保措置を講じる。
①年次有給休暇の取得を促進する。
②特別健康診断を実施する。
③産業医等による助言・指導を受け、又は対象労働者に産業医等による保健指導を受けさせる。
④対象社員から外し、企画業務型裁量労働制を適用しない。
⑤適切な部署に配置転換する。
(苦情措置)
第8条 会社は、以下のとおり、対象社員の苦情の処理に関する措置を講じる。
①苦情の申出の窓口:総務部
②担当者:相談員○○○○
③開設日時:労働日の10:00~12:00、13:00~15:00
④取扱う苦情の範囲:企画業務型裁量労働制の実施に関する苦情及び対象社員に適用される評価制度及びこれに対応する賃金制度等企画業務型裁量労働制に付随する事項に関する苦情の一切
(有効期間)
第9条 本決議の有効期間は、20○○年○月○日~20○○年○月○日までの1年間とする。
(記録の保存)
第10条 会社は以下の事項に関する対象社員ごとの記録を本決議の有効期間中及び当該有効期間の満了後3年間保管する。
①対象社員の労働時間の状況
②健康・福祉確保措置として講じた措置
③苦情処理措置として講じた措置
20○○年○月○日
株式会社○○○○労使委員会
委員 ○○ ○○ 印
委員 ○○ ○○ 印
委員 ○○ ○○ 印
委員 ○○ ○○ 印
委員 ○○ ○○ 印
弁護士法人四谷麹町法律事務所
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