労働問題605 休職事由が消滅したか否かを判断する際の注意点を教えて下さい。

 休職事由の消滅とは、業務を十分に行うことができる健康状態が回復したことをいい、労働者が休職前の職務を支障なく行い得る程度に健康状態が回復している場合には、休職事由は消滅しているといえます。
 問題となるのは、職種が限定されていない社員について、休職前の職務を支障なく行い得る程度に健康状態が回復してはいないが、現実に配置可能性のある他の業務があり、その業務であれば職務を支障なく行い得る程度に健康状態が回復しているケースです。この点について、複数の裁判例が、他の業務への配置転換の可能性を認めているほか、短期間の復帰準備時間の提供や、教育的措置をとることを求めているものもあります(JR東海事件大阪地裁平成11年10月4日判決、キャノンソフト情報システム事件大阪地裁平成20年1月25日判決、日本電気事件東京地裁平成27年7月29日判決、全日本空輸事件大阪高裁平成13年3月14日判決)。
 以上のことから、休職期間満了時に休職前の職務を支障なく行い得る程度に健康状態が回復していない場合は、直ちに退職扱いとするのではなく、配置可能性の検討や一定の猶予を与える等といった配慮が大切だと考えます。

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