ワード:「就業規則」

労働者が「退職届」という件名で退職する内容のメールを送信後、無断欠勤している場合,労働契約は終了すると考えていいですか?

 労働者からの労働契約の一方的解約(辞職)の要件は、期間の定めの有無によって異なります。
 契約社員等の期間の定めのある労働者の場合、期間途中の解約は認められず、労働者が病気、事故等によって長期間就労できない等の「やむを得ない事由」がなければ辞職の意思表示の効果は生じません(民法628条)。他方、期間の定めのない労働者は、いつでも労働契約を解約でき、辞職の意思表示後2週間の経過をもっ……

労基法上の「賃金」とはどのようなものをいいますか?

 労基法上の「賃金」とは、「賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対価として使用者が労働者に支払うすべてのもの」をいいます(労基法11条)。
 死亡弔慰金、結婚祝金、災害見舞金、病気見舞金等の労働者の慶弔禍福に際して使用者が労働者に支払う給付のうち、使用者が任意的に支払う給付は、労基法上の「賃金」に該当しません。他方、その支給条件が労働協約、就業規則または労働契約等に……

転籍を命ずることができるのはどのような場合ですか?

 転籍は、転籍元との労働契約を終了させた上で、新たに転籍先との間で労働契約を締結させるものです。転籍の法的構成として、転籍元企業との労働契約を合意解約するとともに、転籍先企業との間で新たな労働契約を締結する構成と、労働契約上の地位を包括的に譲渡する構成が考えられます。いずれの構成であっても、使用者が転籍を命ずるためには、転籍ごとに労働者との個別的同意が必要であり、同意を得ることなく、就業規則や労働……

出向を命ずることができるのはどのような場合ですか?

 出向することにより、労務遂行に関する指揮命令権が出向元から出向先に変更になり、法的には、出向元が労働者に対して有する権利を一部譲渡することになると考えられますので、労働者の個別の合意があれば、使用者は出向を命ずることができます。
 労働者の合意がない場合については、出向させることで労働者の地位が不安定になる場合や、労働条件に不利益が生じる可能性があることから、たとえ就業規則に出向を……

就業規則を作成する際の留意点を教えてください。

 常時10人以上の労働者を使用する場合には、労基法89条各号が掲げる事項を定めた就業規則を作成し、労基署へ届け出る必要があります。
 就業規則に必ず定めなければいけない事項(絶対的記載事項)は、次のとおりです。
① 始業、終業時刻
② 休憩時間
③ 休日、休暇
④ 賃金の決定、計算、支払の方法
⑤ 賃金の締め切……

労働者を雇い入れる際に、労働者にどのような事項を通知する必要がありますか。

 使用者は、労基法施行規則5条1項1号から4号までに定められた労働条件について書面を交付する方法、又はこれらが記載された就業規則を交付する方法で通知する必要があります(労基法15条1項後段、労基法施行規則5条2項、3項)。
 労基法施行規則5条1項1号から4号までに定められた労働条件は次のとおりです。
 ① 労働契約期間
 ② 更新の基準
 ……

配転と転籍の違いを教えて下さい。

 配転とは、社員の配置の変更であり、職務内容又は勤務場所が相当の長期間にわたって変更されることをいいます。転籍とは、労働者が自己の雇用先企業から他の企業へ籍を移して当該他企業の業務に従事することをいいます。つまり、転籍は、出向元との労働契約を終了させ、出向先との間で新たな労働契約を成立させる人事異動といえます。
 配転について直接の根拠法令はなく、労働契約や就業規則の規定によるか、個……

配転命令権の根拠にはどういうものがありますか?

 配転に関する直接の法令はありませんので、配転命令権の根拠は、労働契約等によることになります。
 使用者は、労働契約の予定する範囲内で労務指揮権を行使でき、労働契約で予定された範囲外であれば、個別の合意が必要と考えられています。
 実際には、就業規則において「業務上の必要性がある場合には配転を命ずることができる」と規定されていることが多い印象です。 弁護士法人四谷麹町……

人事考課によって賃金を引き下げる場合のポイントを教えてください。

 使用者が人事考課制度に基づき従業員の賃金を引き下げる場合、まず、人事考課制度が、周知されている就業規則に定められており、その内容に従って行われていなければなりません。そして、賃金引き下げの根拠となる具体的事実がなければならず、具体的事実による根拠に基づき、本人の顕在能力と業績が、本人が属する資格に期待される者と比べて著しく劣っていると判断できる必要があります。  裁判例では、次の(1) ~(4……

就業規則を不利益な内容に変更する場合について教えてください。

 使用者は、原則として、労働者と合意することなく就業規則を労働者にとって不利益な内容に変更することはできません(労契法9条本文)。しかし、例外的に、①就業規則の変更に合理性があり、②それが労働者に周知されている場合には、労働者の合意がなく労働者にとって不利益であったとしても、就業規則を変更することができます(労契法10条)。
 ①「合理性」の有無は、労働者の受ける不利益の程度、労働条……

退職した元社員の競業行為を差し止めることはできますか。

 退職後の競業行為の差止めは、退職者の職業選択の自由を直接侵害する措置であることから、差止めの可否は、厳格に判断されます。具体的には、就業規則及び退職時の合意書における競業避止義務の規定内容に合理的理由が認められ、禁止の範囲(期間・場所・内容等)が合理的なものと認められる場合にのみ、その特約を根拠に行い得ると考えられています。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
勤務弁護士作成……

退職後の競業避止義務に関する規定の有効性はどのように判断されますか。

 退職後の競業避止義務に関する就業規則の規定や個別合意の有効性は、①守るべき企業の利益があるかどうか、②当該社員の地位、③競業を禁止する地域的な限定があるか、④競業避止義務の存続期間、⑤禁止される行為の範囲に必要な制限がかけられているか、⑥代償措置が講じられているか、等により判断されます。
 ①技術情報や顧客情報等の守るべき企業の利益は、従業員の職業選択の自由を制限するに値するもので……

事業場外のみなし労働時間制は、どのような場合に認められますか?

1.事業場外のみなし労働時間制が認められるための要件
 事業場外のみなし労働時間制が認められるには、次の要件を満たす必要があります。
 ① 労働者が事業場外で労働に従事したこと
 ② その事業場外での労働時間が算定しがたいこと 2.「① 労働者が事業場外で労働に従事したこと」とは
 ①労働者が事業場外で労働に従事したことについては、ある特定……

フレックスタイム制において、所定の総労働時間は超えているが法定労働時間は超えていない場合、当該労働時間に対して残業代を支払わなければなりませんか?

 フレックスタイム制において、所定の総労働時間は超えているが法定労働時間は超えていない場合、当該労働時間はいわゆる法内残業時間に当たります。
 法内残業の残業代について、就業規則に規定があればそのとおり支払い、規定がない場合は、通常の賃金の時間単価で計算した賃金を支払うのが通常です。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
勤務弁護士作成……

フレックスタイム制が認められるための要件を教えて下さい。

 フレックスタイム制が認められるためには、
① 就業規則その他これに準ずるものにより、始業・終業時刻を当該労働者の決定に委ねる
② 当該事業場の過半数組合(過半数組合がない場合は過半数代表者)との間で、書面による協定により、対象労働者の範囲、1か月以内の清算期間、清算期間における総労働時間、その他の事項を定める
③ 清算期間の起算日を定める
……

労働時間を就業規則以外で特定することはできますか。

 労働時間は,できる限り就業規則で特定すべきとされていますが,シフト制など業務の実態から月ごとに勤務割表を作成する必要がある場合には,就業規則において各勤務日の始業・終業時刻及び各勤務の組み合わせの考え方,勤務割表の作成手順や周知方法等を定め,各日の勤務割はそれに従って,変形期間開始前までに具体的に特定しておけば足りるとされています(昭和63年3月14日基発150号)。 弁護士法人四谷麹町法律事……

1か月単位の変形労働時間制では、どのように労働時間を定めればいいですか。

1.労働時間の総枠
 変形労働時間制は、変形期間中の週平均労働時間が法定労働時間の範囲内である必要がありますので、変形労働時間制が一か月の場合、その1か月が30日の月は171.4時間(≒160時間+(40時間×2日÷7日))、31日の月は177.1時間(≒160時間+(40時間×3日÷7日))になります(小数第2位以下四捨五入)。
 上記総枠を超えた時間労働させる内容の……

変形労働時間制とはどのような制度ですか?

 変形労働時間制は、交替制労働を採用したり、業務に繁閑の波があるような業種において、必要に応じて労働時間の長さを調整できるようにすることで、使用者による労働時間の調整を容易にするだけでなく、週の平均労働時間を法定労働時間以下に抑えることで、労働者の総実労働時間の短縮を図る制度です。
 変形労働時間制に関する現在の労基法は、1か月単位の変形労働時間制、1年単位の変形労働時間制、1週単位……

台風等の不可抗力の事態により社員が遅刻した場合、残業代にはどのように影響しますか?

 台風等の不可抗力の事態により社員が遅刻した場合、現実に1日8時間又は1週40時間(特例措置対象事業場は44時間)を超える労働をさせていない限り、割増賃金(残業代)の支払義務は生じません。
 例えば、台風により社員が2時間遅刻し、所定終業時刻後に2時間労働させたとしても、就業規則等で定めたりしていない限り、割増賃金(残業代)の支払義務は生じません。これは、夕刻の台風に備えて労働時間を……

社員が遅刻した場合、残業代にはどのように影響しますか?

 時間外割増賃金(残業代)は、原則1日8時間又は1週40時間(特例措置対象事業場は44時間)を超えた労働に対して支払われるべきものですから、就業規則等で定めていない限り、現実に1日8時間又は1週40時間を超える労働をしていない場合には、割増賃金の支払義務は生じません。
 例えば、社員が30分遅刻し、その分、所定終業時刻後に30分労働した場合、1日の労働時間は8時間を超えていませんので……

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