ワード:「就業規則」

無期契約における辞職と、有期契約における辞職は、どのように違いますか?

 辞職とは、労働者の一方的な意思に基づく労働契約の解約をいいます。
 無期契約においては、労働者は2週間の予告期間をおけば、いつでも辞職が可能となっています。予告期間の延長合意の有効性については争いがありますが、就業規則で予告期間を30日に指定して運用している会社もあります。しかし、過度に長期の予告期間を設けることは、労働者の辞職の自由を制限することになり、公序良俗に反し無効と判断さ……

解雇の規制にはどのようなものがありますか?

[toc] 1.労働契約上の規制  解雇権は、労働契約に当然に付随する権利と理解されており、普通解雇をするに当たり、就業規則の定めなどは必要ありません。しかし、常時10人以上の労働者を雇用する場合は、就業規則を定め、労働基準監督署に届け出なければならず、解雇事由は就業規則の絶対的必要事項であり、労働契約時に書面により明示しなければなりません(労基法15条1項、労規則5条1項4号)。
……

労働者から解雇理由証明書の発行を請求された場合、どのように対応すればいいですか?

 労基法では、労働者から解雇理由証明書の発行を請求された場合、使用者は遅滞なく交付しなければならないと定めています。
 解雇理由証明書に記載する解雇の理由は具体的に示さなければならず、就業規則の該当条項の内容及び当該条項に該当するに至った事実関係を記入しなければなりません。ただし、解雇理由証明書には、労働者が請求していない内容については書いてはなりませんので、例えば、労働者が解雇事実……

情報漏洩、兼業、競業行為を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。

[toc] 1.情報漏洩  企業情報等の漏洩は、企業秩序を現実に侵害する場合は懲戒事由となります。例えば、新聞記者が個人用ホームページに業務上知り得た事実や体験談を掲載したことが、新聞社における職務と密接に関連し、取材源秘匿との会社方針に反する行為であった等として、出勤停止処分が有効とされた裁判例があります(日本経済新聞社事件東京地裁平成14年3月25日判決)。近年では、SNSに企業情報の漏洩……

勤務時間外における企業外での犯罪行為を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。

[toc] 勤務時間外の企業外行動における懲戒処分の考え方  勤務時間外における企業外での行動は、本来は労働者の私生活上の行為であり、使用者が懲戒をもって臨むことはできないはずです。しかし、労働者は信義則上、使用者の業務利益や信用・名誉を毀損しない義務を負っていますので、原則として企業外での行動を規制することはできないものの、それが「企業の円滑な運営に支障を来すおそれがあるときなど企業秩序に関……

企業内政治活動・組合活動を理由として懲戒処分を行う場合のポイントを教えてください。

 企業内の政治活動、組合活動の懲戒事由該当性は、慎重に判断されるのが通常です。具体的には、まず、政治活動等の禁止、許可規定に違反してなされた政治活動が懲戒事由になるか否かが問題になります。就業時間中の活動は、職務専念義務に違反するため原則として懲戒処分が肯定されますが、問題は、終業時間前、終業時間後、休憩時間等、終業時間外に行ったケースです。判例は(目黒電報電話局事件最三小昭和52年12月13日判……

懲戒処分が法的に有効とされるために必要な手続の相当性について、具体的に教えてください。

 懲戒処分が法的に有効とされるためには、本人への弁明機会、賞罰委員会の開催、労働組合等の手続的保障がどこまで求められているのかが問題となります。
 本人への弁明の機会は、規定の有無を問わず必要なものであり、実質的に行われる必要があります。裁判例(ホンダエンジニアリング事件宇都宮地裁平成27年6月24日判決)では、就業規則上、懲戒解雇に際して労働者に弁明の機会を与える旨の規定がない場合……

懲戒処分が法的に有効とされるために必要な処分の相当性について、具体的に教えてください。

 懲戒処分が法的に有効とされるためには、懲戒事由の他に、懲戒処分を就業規則に明確に定める必要があります。就業規則に記載されていない懲戒処分を行うことはできず、判例(立川バス事件東京高裁平成13年9月12日判決)でも、就業規則において経歴詐称を理由とする懲戒処分の種類を懲戒解雇・出勤停止・減給・格下げにとどめるものと規定している場合には、懲戒の手段はこれらに限定されてしまい、より軽い譴責処分などであ……

懲戒処分が法的に有効とされるために必要な懲戒処分事由該当性について、具体的に教えてください。

 懲戒処分が法的に有効とされるためには、まず、懲戒事由を就業規則に明確に定める必要があります。ただし、懲戒事由が就業規則に定められた場合であっても、当該行為が懲戒事由に該当するか否かの判断において合理的な限定解釈を加えることは多くあります。また、一般の就業規則には、列記された懲戒事由の末尾に「その他、これに準ずる場合」という条項が置かれていることが多いですが、このような規定についても、合理的な限定……

職務資格制度・職務等級制度における降格のポイントを教えてください。

 職能資格制度は、一旦到達した職務遂行能力が引き下がることは本来予定されていませんので、資格や等級を引き下げる降格は、役職を解く降格とは異なり、労働契約上使用者に当然に認められるものではなく、合意により変更する場合以外は、職能資格制度について定めた就業規則等に引き下げがあり得る旨を明記するなどして、特別の労働契約上の根拠を持たせることが必要となります。
 一方、資格や等級の引下げとし……

降格が人事権濫用と判断されるのはどのような場合ですか?

 降格は、差別や不利益取扱い禁止の規制に該当する場合を除き、労働者との労働契約を根拠とする人事権の行使として行うことができます。そのため、一定の役職を解く降格は、労働契約を根拠として行うことができ、就業規則等の根拠規定は必要ありません。
 もっとも、労働契約上、労働者の役職や職位を限定する合意がある場合は、その役職や職位を引き下げることについて労働契約で予定されていないことになるため……

定額残業代の最近の裁判例を教えてください。

[toc]  1.X社事件 東京高裁平成28年1月27日判決  36協定の延長限度額に関する基準において上限とされる月45時間を大幅に超える業務手当を残業代の支払として認めました(上告棄却・不受理)。 2.アクティリンク事件 東京地裁平成24年8月28日判決  周知されている賃金規定上「時間外労働割増賃金で月30時間相当分として支給する」と定められている「営業手当」について、「固定残業代の……

就業規則に配転に関する規定を設ければ、自由に配転できますか?

 配転について、就業規則等に「業務の都合により出張、配置転換、転勤を命ずることができる。」というような包括的な根拠規定が置かれていることが多いですが、このような規定が無い場合でも、労働契約の締結の経緯や内容、人事異動の実情などから配転命令権が認められることがあります。
 ただし、就業規則に包括的な配転命令権の定めがある場合でも、個別に職種や勤務場所等を限定する旨合意している場合には、……

月給制の時間単価の計算方法を教えてください。

 月給制における通常の賃金の時間単価は、1か月の基礎賃金を、1か月の所定労働時間数で除して算定します。
 1か月の所定労働時間数は、就業規則や労働契約において定められている場合にはその時間、月によって異なる場合には、1年間における一月平均所定労働時間数を算定します。
 1年間における一月平均所定労働時間数の計算式は、次のとおりです。
(365日(※)−1年……

残業代(割増賃金)の支払の対象となる労働時間とはどのような時間ですか?

[toc]  使用者は、労働者に法定時間外労働時間、法定休日労働時間、深夜労働時間に働かせた場合には、残業代(割増賃金)を支払わなければなりません(労基法37条)。 1.法定時間外労働時間 ①法定時間外労働時間  1日8時間又は1週40時間(映画制作事業を除く映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽業の事業であって常時10人未満の労働者を使用する場合は1週44時間)を超える時間外労働は、残業代(……

出向先の会社が出向してきた社員を懲戒処分することはできますか。

 出向社員は、出向先の会社の就業規則で定められた服務規律にしたがって労務提供することになりますので、出向社員が出向先の服務規律に違反した場合には、出向先は、出向社員を懲戒処分することができます。
 ただし、出向社員との労働契約関係は出向元にありますので、出向先は、懲戒解雇、諭旨解雇といった労働契約の解約を伴う処分はできません。出向してきた社員が出向元の会社の解雇事由に該当するような行……

出向を命じるためにはどのような規定が必要ですか。

 出向は、法的には、出向元が労働者に対して有する権利の一部を出向先に譲渡するものと解されています(民法625条1項)ので、労働者の個別同意があれば、使用者は出向を命じることができます。
 労働者の個別同意を得ることなく出向を命ずることも可能ですが、出向は配転とは異なり労働者の地位に与える影響が大きいことから、就業規則、出向規定ないし労働協約等において、一般的な規定(事前の包括規定)を……

就業規則や退職金規定に退職金に関する規定がない場合は、退職金を支払わなくていいですよね?

 使用者に退職金の支払義務があると判断されるのは、通常は、就業規則や就業規則の性質を有する退職金規定等に、退職金に関する規定が置かれている事案が多いのですが、就業規則などに退職金に関する規定がない場合でも、個々の労働者との間の労働契約書に退職金の定めがあれば、当然、当該契約どおりの支払義務があると判断されます。
 また、就業規則や退職金規定、労働契約書等に退職金の定めがない場合であっ……

退職金の性質について教えて下さい。

 退職金には、使用者に支払義務があると考えられるものと、就業規則などに根拠がなく、支給するか否かが使用者の裁量に委ねられているものとがあります。
 退職金の支給について、もっぱら使用者の裁量に委ねられており、退職金の支給が労働契約の内容になっているとは認められないものは、任意的恩給的給付であり、労基法上の「賃金」に該当しません。
 これに対し、支給要件や支給基準などにつ……

裁判において使用者に転勤命令権があると判断されるのはどのような場合ですか?

 裁判において使用者に転勤命令権があると判断されるのは、労働契約締結時に転勤命令に従う旨の誓約書に労働者が署名押印していたり、就業規則または労働協約で転勤命令に関する規定を設けているような場合です。
 また、全国各地に多くの支店や出張所があり、実際に多くの労働者が慣行的に転勤しているような場合や、労働契約締結時に勤務場所特定の合意がなされていない場合についても、労働者の個別合意がなく……

弁護士法人四谷麹町法律事務所

〒102-0083 東京都千代田区麹町6丁目2番6
PMO麹町2階

Copyright ©問題社員、労働審判、残業代トラブルの対応、経営労働相談|弁護士法人四谷麹町法律事務所 All Rights Reserved.
Return to Top ▲Return to Top ▲