労働問題1015 労基法上の「賃金」とはどのようなものをいいますか?

 労基法上の「賃金」とは、「賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対価として使用者が労働者に支払うすべてのもの」をいいます(労基法11条)。
 死亡弔慰金、結婚祝金、災害見舞金、病気見舞金等の労働者の慶弔禍福に際して使用者が労働者に支払う給付のうち、使用者が任意的に支払う給付は、労基法上の「賃金」に該当しません。他方、その支給条件が労働協約、就業規則または労働契約等によりあらかじめ明確にされているものは、使用者に支払義務がありますので、労働の対償と認められ「賃金」に該当します。
 賞与、退職金についても、いかなる基準で支給するかがもっぱら使用者の裁量に委ねられている時は、任意的恩恵的給付であり、「賃金」ではありません。
 販売実績に応じて支払う給付は、支給基準が事前に定められている場合は労働の対償であり、「賃金」に該当します。
 会社が労働者に支給する自社株式についても、支給基準が明確であり、現金で支払われる賃金の代わりにその支給が約束された場合には、「賃金」に該当します。ただし、賃金通貨払原則の例外となるため労働協約に定めておく必要があります。労働協約に定めていない場合は、それに相当する利益を通貨で支払う必要があります。
 会社が労働者に自社のストックオプションを付与する場合、付与の時点で売却益が得られるか否かは確定していないことから、利益とはいえず、「賃金」には該当しません。また、賃金をストックオプションで支払うことは、賃金全額払原則に反します。

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