労働問題1016 労働者が「退職届」という件名で退職する内容のメールを送信後、無断欠勤している場合,労働契約は終了すると考えていいですか?
労働者からの労働契約の一方的解約(辞職)の要件は、期間の定めの有無によって異なります。
契約社員等の期間の定めのある労働者の場合、期間途中の解約は認められず、労働者が病気、事故等によって長期間就労できない等の「やむを得ない事由」がなければ辞職の意思表示の効果は生じません(民法628条)。他方、期間の定めのない労働者は、いつでも労働契約を解約でき、辞職の意思表示後2週間の経過をもって労働契約が終了します(民法627条1項)。
期間の定めのない労働者から退職する旨のメールが届いた場合、辞職の意思表示後2週間の経過によって、労働契約が終了します。メールでの退職届出によって辞職の意思表示がなされたといえるか否かという点については、「退職届」という件名で退職する内容のメールを送信してきて、そのまま無断欠勤を続けている状況からみて、辞職の意思表示がなされたことは否定できず、2週間の経過により労働契約が終了するものと考えます。
弁護士法人四谷麹町法律事務所
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