ワード:「就業規則」

労契法9条の合意があった場合、合理性や周知性は就業規則の変更の要件とはならないと考えてよろしいでしょうか。

 「就業規則の不利益変更は、それに同意した労働者には同法9条によって拘束力が及び、反対した労働者には同法10条によって拘束力が及ぶものとすることを同法は想定し、そして上記の趣旨からして、同法9条の合意があった場合、合理性や周知性は就業規則の変更の要件とはならないと解される。」(協愛事件大阪高裁平成22年3月18日判決)との見解が妥当と思われますが、労働者の同意があれば合理性や周知性は就業規則の変更……

就業規則の変更による賃金減額が有効となるための要件を教えて下さい。

 就業規則の変更により賃金を減額する場合は、就業規則の不利益変更に該当するため、就業規則の変更が有効となるためには、以下のいずれかの場合である必要があります。
 ① 労働者と合意して就業規則を変更したとき(労契法9条反対解釈)
 ② 変更後の就業規則を周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労……

労働協約を締結することができない場合や労働協約の効力が及ばない労働者の賃金を減額する方法としては、どのようなものが考えられますか。

 労働協約を締結することができない場合や労働協約の効力が及ばない労働者の賃金を減額する方法としては、就業規則変更又は個別合意による賃金減額が考えられます。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎

賃金減額の方法としては、どのようなものが考えられますか。

 賃金減額の方法としては、
 ① 労働協約の締結
 ② 就業規則の変更
 ③ 個別合意
によることが考えられます。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎

年俸制の社員に残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を支払う必要がありますか。

 年俸制の社員も労基法上の労働者であり、労基法上、年俸制社員について残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)の支払義務を免除する規定はありません。また、時間外・休日・深夜に労働させた場合でも労基法37条に定める残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を支払わない旨の合意や就業規則の定めは無効となります。
 したがって、労働契約や就業規則の定め如何にかかわらず、年俸制社員を時間外・休日・深夜に……

時間外・休日・深夜に労働させた場合でも残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を支払わない旨の就業規則の定めは有効ですか。

 就業規則は労基法に違反してはならず(労基法92条1項)、労基法違反の就業規則はその部分に関しては無効となり(労契法13条)労基法が適用されます。
 したがって、就業規則で時間外・休日・深夜に労働させた場合であっても労基法37条に定める残業代(時間外・休日・深夜割増賃金)を支払わない旨の就業規則の定めは無効となります。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 ……

残業の事前許可制を採用すれば、不必要な残業時間の抑制、想定外の残業代(割増賃金)請求対策になりますか。

 残業の事前許可制は、残業する場合には上司に申告してその決裁を受けなければならない旨就業規則等に定めるだけでなく、実際に残業の事前許可なく残業することを許さない運用がなされているのであれば、不必要な残業の抑制や想定外の残業代(割増賃金)請求対策になります。
 しかし、就業規則に残業の事前許可制を定めて周知させたとしても、実際には事前許可なく残業しているのを上司が知りつつ放置しているよ……

就業規則において管理職は管理監督者として扱い残業代(割増賃金)を支給しない旨規定し周知させた場合であっても、管理職に残業代(割増賃金)を支払う必要がありますか。

 就業規則が労基法に反する場合には、当該反する部分については、労働条件になりませんので(労契法13条)、就業規則において管理職は管理監督者として扱い残業代(割増賃金)を支給しない旨規定し周知させた場合であっても、管理監督者に当たらない場合は、管理職に対し、労基法37条1項に基づき残業代(時間外・休日割増賃金)を支払う必要があります。
 深夜(22時~5時)に労働させた場合には、管理監……

企画業務型裁量労働制の適用要件を教えて下さい。

 企画業務型裁量労働制を適用するためには、
 ① 賃金、労働時間その他の当該事業場における労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対し当該事項について意見を述べることを目的とする委員会(労使委員会)が設置された事業場において、当該労使委員会がその委員の5分の4以上の多数による議決により労基法38条の4第1項各号に掲げる事項に関する決議をし、かつ、使用者が当該決議を労働基準監督署長に……

専門業務型裁量労働制の適用要件を教えて下さい。

 専門業務型裁量労働制を適用するためには、
 ① 労基法38条の3第1項各号に掲げる事項を労使協定で定めること
 ② 就業規則や労働協約において専門業務型裁量労働制について定めて労働契約の内容とすること
 ③ 対象労働者を対象業務に就かせること
が必要となります。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎……

「労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合」とは、どのような場合のことをいいますか。

 事業場外労働のみなし労働時間制は、事業場外で業務に従事した場合の制度なので、事業場外での業務に従事していない場合には、労働時間を算定し難い場合であっても、事業場外労働のみなし労働時間制の適用はありません。もっとも、労働者が労働時間の「一部」について事業場外で業務に従事した場合にも適用がありますので、労働者が事業場外と事業場内の両方で業務に従事した場合も、事業場外労働のみなし労働時間制が適用される……

1か月単位の変形労働時間制を採用する場合、就業規則・労使協定に労働時間制の枠組みを定めるだけで労働時間を特定せずに、具体的な労働時間を使用者が任意に定めることができるようなもので構いませんか。

 1か月単位の変形労働時間制を導入するためには、法定労働時間を上回る週又は日を特定し、単位期間を平均して1週間あたりの労働時間が週法定労働時間を超えないことを明らかにするために、各週・各日の所定労働時間を就業規則又は労使協定に定める必要があります。
 業務の性質上事前の特定が困難な場合は、変形の期間、上限、勤務のパターンなどの変形制の基本事項を就業規則又は労使協定に定めた上、変形期間……

36協定を締結して労基署に届け出れば,時間外・休日労働(残業)を命じることができますか。

 36協定の締結・届出がなされていない場合には、原則として時間外・休日労働(残業)を命じることができませんが、36協定の締結・届出をすれば、直ちに時間外・休日労働(残業)を命じることができるというわけではなく、時間外・休日労働(残業)を命じることができるというためには、労働契約上の根拠が必要となります。
 就業規則や労働条件通知書に時間外・休日労働(残業)を命じることがある旨規定され……

変形休日制とはどういったものですか。

 毎週1回の休日を与えるのが原則ですが(労基法35条1項)、4週間に4日以上の休日を与えるものとすることもできます(労基法35条2項、変形休日制)。
 変形休日制を取る場合には、就業規則等において、4日以上の休日を与えることとする4週間の起算日を明らかにする必要があります(労基法施行規則12条の2第2項)。 弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎……

再雇用後の賃金が定年退職前よりも下がることにクレームをつける。

[toc] 1 再雇用後の賃金水準に対する規制  高年法上、継続雇用後の賃金等の労働条件については特別の定めがなく、年金支給開始年齢の65歳への引上げに伴う安定した雇用機会の確保という同法の目的、パート労働法8条、労契法20条、最低賃金法等の強行法規、公序良俗に反しない限り、就業規則、個別労働契約等において自由に定めることができます。
 定年後に再雇用された社員の賃金水準が定年退……

研修等の労働時間性を判断するにあたり、「就業規則上の制裁等の不利益な取扱いの有無」が問題となるのはどうしてですか。

 名目上は自由参加とされていても、研修等に出席しないと就業規則上の制裁が課される等の不利益取扱いがなされるのであれば、社員が不利益取扱いを回避するためには研修等に参加するほかなく、不利益の程度によっては業務命令で参加を義務付けたのと変わらない結果になり、使用者の指揮命令下に置かれているものと評価することができますので、当該研修等に要した時間は労働時間と評価されるからです。 弁護士法人四谷麹町法律……

就業時間外に行われる研修、講習、自主活動等の時間について、残業代を支払う必要があるかどうかは、どのような基準で判断すればいいのですか。

 まず、
 ① 就業規則や労働契約において、就業時間外に行われる研修、講習、自主活動等の時間について、残業代を支払う旨定められているなどして、残業代を支払うことが労働契約の内容となっている場合
には、当然、残業代を支払う必要があります。
 このような定めがない場合であっても、
 ② 就業時間外に行われる研修、講習、自主活動等の時間が、労基法上……

タイムカードや日報等の客観的証拠がない場合の労働時間はどのように認定されますか。

 使用者が労働時間管理を怠っている場合、残業代(割増賃金)の請求をしようとする社員側としては残業時間の正確な立証が困難となりますが、使用者には労働時間の管理を適切に行う責務があること(平成13年4月6日基発339号「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」)もあり、裁判所は、直ちに時間外労働・休日・深夜労働の立証がなされていないとはせず、社員の日記、手帳へのメモ等の証拠から、……

労基法37条所定の残業代(割増賃金)算定の基礎となる労基法上の労働時間に該当するか否かは、どのように判断すればいいのですか。

 労基法上の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではありません。
 労働者が、当該行為を使用者から義務付けられ、またはこれを余儀なくされたときは、当該行為は、特段の事情のない限り、使用者の指揮命令下に置かれたものと評価……

所定労働時間が7時間の事業場において、1日8時間までの時間帯(1時間分)の法内残業について残業代を支払わない扱いにすることはできますか。

 所定労働時間が7時間の事業場において、1日8時間までの時間帯(1時間分)の法内残業については、強行的直律的効力(労基法13条)を有する労基法37条の規制外ですので、使用者には労基法37条に基づく残業代(割増賃金)の支払義務はなく、法内残業分の残業代を支給する義務が使用者にあるかどうかは、労働契約の解釈の問題であり、就業規則や個別合意に基づく残業代請求が認められるかどうかが検討されることになります……

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