Q979 就業規則を労働者にとって不利益な内容に変更する場合,必ず労働者と合意しなければならないのですか?

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 使用者は,原則として,労働者と合意をすることなく,就業規則を労働者にとって不利益な内容に変更することはできません(労契法9条本文)。しかし,例外的に,①就業規則の変更に「合理性」があり,②それが労働者に「周知」されている場合には,労働者の合意がなく労働者にとって不利益であったとしても,就業規則を変更することができます(労契法10条)。

 ①「合理性」があるかどうかは,次の要素に基づき判断されます(労契法10条)。
(1) 労働者の受ける不利益の程度
(2) 労働条件の変更の必要性
(3) 変更後の就業規則の内容の相当性
(4) 労働組合等との交渉の状況
(5) その他の就業規則の変更に係る事情
 ポイントは,賃金・退職金を変更するものなのか,直接的には賃金等の変更でないとしても賃金等と連動または実質的には減額されるのか(例えば,賃金を変更しないで所定労働時間を延長する場合,変更の直接の対象は労働時間ですが,実質的には賃金の減額となります。)という点です。賃金・退職金の減額は,労働者にとって重要な権利の不利益変更にあたるため,十分な合理性が求められます。

 また,②就業規則の「周知」とは,労働者が知ろうと思えばいつでも知ることができる状態にしておくことをいいます。周知の方法について,労基法106条・労基則52条は,次の3つの方法を挙げています。
(1)見やすい場所へ掲示・備え付け
(2)書面交付
(3)記録した磁気テープ等を労働者が常時確認できるよう機器を設置

 ただし,上記要件を満たした場合であっても,労働契約において使用者と労働者が就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していた部分については,変更後の就業規則の適用は認められません(労契法10条ただし書き)。


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