ワード:「就業規則」

懲戒処分として減給する際のポイントを教えて下さい。

 懲戒処分として減給をするためには、周知された就業規則に懲戒事由及び懲戒処分の手段として減給の定めを置いておくことが必要です。
 その上で、使用者は当該労働者が懲戒事由に該当する行為をしたか調査します。事実調査の際は、メールや書面等の客観的な証拠を残しつつ行うことが重要です。
 調査の結果、懲戒事由に該当する事実が認められ、かつ、懲戒処分の手段として減給が適切であると判……

リハビリ出社とはどういうものですか?

 リハビリ出社とは、休職していた労働者が、休職期間中または復職後に出社して休職前より軽易な業務を行うことをいいます。メンタルヘルスなど、労働者の休職事由が回復しているのか一見して分かり難い場合に、いきなり休職前の業務に就かせるのではなく、心身を業務に慣らす期間を設け、復職の可否を判断したり、労働者の再休職を防ぐことを目的としています。
 リハビリ出社は、法律上の根拠がなく、使用者と労……

就業規則の変更により賃金を減額できるのはどのような場合ですか?

[toc] 1. 労働契約法10条の規定  労働契約法10条は、就業規則の変更について以下のとおり規定しており、就業規則の変更による労働条件の内容の変更の要件として、実体的要件としての合理性、及び手続的要件としての周知性が必要であるとしています。 労働契約法10条
 使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規……

職能資格制度上の資格や職務等級制度上の等級を引き下げる場合の注意点を教えて下さい。

 職能資格制度上の資格や職務等級制度上の等級を引き下げる降格は、賃金の減額を伴いますので、労働条件を不利益に変更する権限行使です。労働条件を不利益に変更するような人事権を行使するためには、労働者に人事権が行使されることを予測できるように明確な根拠規定を設けることが必要です。
 裁判例では、職能資格制度上の降格を実施するためには、就業規則の職能資格制度等において降格、降級の可能性が予定……

降格をするには就業規則上の根拠が必要ですか。

[toc] 1.懲戒処分としての降格  懲戒処分としての降格をするためには、懲戒処分の該当事由と、懲戒処分の種類として降格があることを就業規則に定めた上で、就業規則を周知させておく必要があります。 2.人事権による役職・職位の降格  人事権による役職・職位の降格は、使用者の裁量的判断により行うことができますので、就業規則上の根拠は不要ですが、相当な理由のない降格は人事権の濫用として無効にな……

降格にはどのようなものがありますか?

 降格について法律上の定義はありませんが、一般的には、懲戒処分としての降格と、業務命令としての降格に分類されます。
 懲戒処分としての降格は、懲戒処分に対する法規制を受け、その要件と効果について就業規則で定められていることが必要です。
 業務命令としての降格は、人事権の行使として行われるものですから、就業規則の根拠は必ずしも必要とせず、使用者が業務命令や人事に関して有す……

就業規則に規定がなくても出張を命じることはできますか。

 出張とは、通常の就労場所を一時的に離れ、使用者が指定した場所で業務に従事することをいいます。出張は、早期に通常の就労場所に戻ることが前提となりますので、転勤や出向とは異なり、労働条件が変更されるわけではありません。労働条件に変更がない以上、出張命令は単なる労務提供方法の指示に過ぎませんので、就業規則に規定がなくても、一般的な業務命令として労働者に出張を命じることができます。  裁判例でも「出張……

有期労働契約において、更新回数や雇用の通算期間を就業規則等で定めておけば,継続雇用の合理的期待はないといえますよね?

 就業規則等で更新回数や雇用の通算期間を定めただけでは、継続雇用の合理的期待(労契法19条2号)がないとはいえません。なぜなら、合理的期待の有無は、就業規則の定めの他に、業務の内容(労働者が従事する業務が一時的、季節的なものではなく、常に存在するようなものか等)、当事者の態度・言動(使用者が更新に関して期待させるような発言をしたか等)、更新の手続(長期間にわたって更新が繰り返されていたか、更新手続……

割増賃金の割増率を教えて下さい。

[toc] 1.時間外労働  1日8時間または週40時間を超えて労働させた場合は、その超えた時間につき通常の労働時間の賃金の2割5分以上の割増賃金を支払う必要があります。
 1日とは、午前0時から午後12時までのいわゆる暦日をいいますが、勤務が2暦日にわたる場合には、暦日を異にする場合であっても1日の勤務として取り扱い、当該勤務は始業時刻の属する日の労働として、当該日の「1日」の……

競業避止義務に反した労働者の退職金を減額する就業規則の規定は有効ですか。

 退職金には、在職期間中の労務提供の対価(賃金)を後払いする側面だけでなく、退職まで勤続した労働者の功績に報いる側面があります。労働者の競業行為は、使用者を企業秘密漏洩や顧客情報流出等のリスクにさらすものですから、退職時までの労働者の功績を減殺する信頼関係破壊行為といえます。したがって、競業避止義務に反した労働者の退職金を一部減額する規定には合理性があり、有効と考えます。
 裁判例も……

労働者がインフルエンザに感染した場合の対応方法を教えてください。

 使用者は、インフルエンザを含む伝染病に感染した労働者の就業を禁止しなければならず(労働安全衛生法68条)、労働者は法律上病原体がなくなるまでの一定期間就業制限を受けます(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律18条2項等)。
 就業規則で就業禁止という法令上の要請を明確にしておくことで、労働者がインフルエンザに感染し一定期間経過していないのに、もう治ったなどと言って出……

就業規則に「懲戒解雇の場合、退職金は不支給とする。」と定めておけば、懲戒解雇する労働者に退職金を支給しなくてもいいですか。

 退職金には、在職期間中の労務提供の対価(賃金)の後払いという側面があります。賃金の後払いという側面がある以上、懲戒解雇の場合に退職金を不支給とすると就業規則で規定しても、労働者が退職時までに積み上げてきた労務提供に対する対価が否定されるような事情がなければ、退職金を不支給にすることはできないとされています。
 裁判例では、「当該労働者の永年の勤続の功を抹消してしまうほどの重大な不信……

従業員が10人未満の場合に就業規則を作成する必要はありますか。

 常時働いている労働者が10人未満であれば、労基法上、使用者は就業規則作成義務を負いませんので、就業規則を作成・届出をしなくても労基法違反にはなりません。
 しかし、懲戒処分をするためには就業規則に規定を設けて周知させる必要がありますし、就業規則に労働時間や賃金等の労働条件を画一的、統一的に定めることができますので、労働者が10人未満の会社であっても就業規則を作成することをお勧めしま……

時間外労働をさせる場合に必要な規定を教えてください。

 労基法32条は、
1 使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。
2 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。
と定めていますので、原則として使用者は労働者に時間外労働をさせることはできません。
 これに対して、労基法36条は、……

兼業・副業が発覚した労働者を懲戒処分することはできますか?

 兼業・副業は、労働時間外の私生活上の行為ですので、労働契約における規律・秩序を保持するための制裁である懲戒処分の対象とはならないのが原則です。
 もっとも、就業規則で無断兼業・無断副業の禁止規定があるにもかかわらず無許可で兼業・副業している場合、兼業・副業が原因で何度も欠勤している場合、兼業・副業によって業務に支障が生じている(兼業・副業で深夜まで働いているために遅刻や居眠りが目立……

所持品検査拒否を理由とする懲戒処分の有効性の判断基準を教えて下さい。

 所持品検査拒否を理由とする懲戒処分の有効性について、裁判では、
① 所持品検査を必要とする合理的な理由に基づいているか
② 一般的に妥当な方法と程度で行われているか
③ 制度として労働者に対し画一的に実施されているか
④ 就業規則等の明示の根拠に基づいて行われているか
を基準に判断されています。   ……

賞与支給日に退職している者には賞与を支給しないとすることに問題はありますか?

 賞与は、通常の賃金とは異なり、使用者の決定や労使間の合意により初めて具体的に発生するものであり、支給条件をどのようにするかについては、使用者が自由に決めることができます。
 また、賞与は、賃金の後払いのみならず、企業の利益配分、過去の貢献に対する功労報償、将来の勤務への期待・奨励、生活費補填といった多様な性格を有しており、支給日在籍要件が設けられた賞与は、所定の全期間勤務継続したこ……

就業規則の周知方法を教えて下さい。

 就業規則の周知方法は、
① 常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、または備え付けること
② 書面を労働者に交付すること
③ 磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること
です(労基法106条、労基法規則52条の2)。
 ①の「作業場」とは、通達上……

就業規則を労働者に不利益に変更する場合、必ず労働者の合意を得なければならないのですか?

 就業規則で定めている労働条件は、労働者の合意なくして労働者に不利益に変更することはできないのが原則です。例外として、合理性及び周知性の要件を満たせば、労働者の個別の同意を得なくても、労働者に不利益に変更することができるものとされています(労働契約法10条)。「合理性」の要件とは、当該就業規則の変更によって労働者が受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合……

就業規則の条件を下回る労働契約を締結した場合、その労働契約は有効ですか?

 就業規則の条件を下回る労働契約を締結した場合、その労働契約は無効となり、就業規則で定める基準が労働契約の内容となります(労働契約法12条)。
 たとえば、就業規則で支給条件と支給額を確定的に定めているにも関わらず、当事者間で支給しないことを合意した場合、その合意は無効となり、使用者は、就業規則の支給条件を満たす労働者に対し、当該手当の支払義務を負うことになります。   &nbs……

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