ワード:「労働審判」

労働審判手続の第1回期日の呼出しは,どのような方法で行われますか?

 第1回労働審判期日の呼出方法は,申立人には電話等で期日の日程調整を行い,相手方には期日の呼出状を普通郵便で送付する等の簡易呼出しを行うのが通常です。ただし,簡易呼出の場合,呼出しを受けた当事者等が期日請書を提出しない限り,その当事者等に対し,不出頭による過料の制裁を課すことができないとされています。
 上記の簡易呼び出し以外の方法として,告知による方法や,その他相当と認める方法によ……

労働審判手続の第1回期日は,なぜ40日以内に指定されるのですか?

 労働審判規則13条は,労働審判官は,特別の事由がある場合を除き,労働審判手続の申立てがされた日から40日以内の日に第1回労働審判期日を指定しなければならないとしています。
 労働審判手続は,第1回労働審判期日で当事者双方の主張や立証計画が明らかになっている必要があり,同期日では,それを前提に争点及び証拠の整理を行うことが予定されています。つまり,第1回労働審判期日までに,相手方は労……

労働審判手続の申立てと訴訟提起を同時に行うことはできますか?

 法令上,複数の紛争解決手続を同時に利用することは禁止されておらず,紛争解決のためにどの手続を選択するかは当事者の自由な意思に委ねられているため,同一の紛争について,労働審判手続の申立てと訴訟提起を同時に行うことは可能です。
 労働審判手続の申立てがあった事件について訴訟が係属するときは、裁判所は、労働審判事件が終了するまで訴訟手続を中止することができます。
 民事保全……

労働審判手続の申立てが却下されるのはどのような場合ですか?

 裁判所は,労働審判手続の申立てが不適法であると認める場合,決定でその申立てを却下します。
 労働審判手続の申立てが不適法と認められる典型的な例としては,その申立に係る紛争が個別労働関係民事紛争に当たらない場合,当事者に当事者能力又は労働審判手続に係る行為能力が無い場合などが考えられます。
 労働審判手続の申立てが不適法であると認められる場合であっても,その瑕疵を補正す……

労働審判手続の申立手数料はどのように算出されますか?

 労働審判手続の申立てには,申立手数料の納付が必要です。
 申立手数料の算出の基礎となるのは,「労働審判を求める事項の価額」であるところ,この価額はいわゆる訴額の算定と同様,労働審判手続の申立てをもって主張する利益によって算定するものとされています。
 また,労働審判を求める事項の価額は,これを算定することができないか又は極めて困難であるときは,一律160万円とみなされ……

労働審判手続の調書にはどのようなことが書かれますか?

 労働審判手続の調書の記載事項は,次のとおりです(労働審判法規則25条)。
① 事件番号,事件名
② 労働審判官,労働審判員及び裁判所書記官の氏名
③ 出頭した当事者及び代理人の氏名
④ 期日の日時及び場所
⑤ 申立ての趣旨又は理由の変更及び申立ての取下げ
⑥ 証拠調べの概要
⑦ 審理の終結続きを見る

労働審判手続において4回目の期日が行われるのはどのような場合ですか?

 労働審判手続は,特別な事情がある場合を除き,3回以内の期日で審理を終了しなければならないと定められています(労働審判法15条2項)。
 4回目の期日が行われる「特別の事情がある場合」とはどういう場合かというと,審尋を予定していた参考人が急病で出頭できなくなった場合において,別に審理のための期日を設けるときや,調停が4回目の期日に成立することが確実である場合など,限定的に解釈されるも……

労働審判事件の代理人は,なぜ,原則,弁護士でなければならないのですか?

 労働審判手続は,権利関係を踏まえて労働審判を行うとされており,権利関係の審理を行うことが前提となっています。そして,原則として3回以内の期日において審理を終結しなければならず,かつ,その手続の中で争点の整理や証拠調べ等を行う必要があることから,当事者には,手続の早い段階から事実関係や法律論について十分な主張を行い,必要と考える立証を行うことが求められます。短期間にこれらを適切かつ効率的に行うため……

どのような場合に労働審判事件を移送することになりますか?

 労働審判事件の移送については,管轄違いを理由とする移送及び裁量移送の規定が置かれています。 1.管轄違いを理由とする移送
 裁判所に労働審判手続の申立てがされた場合において,その裁判所が労働審判事件の全部又は一部について管轄を有しないときであっても,同裁判所は,その申立てを却下することができず,これを管轄裁判所に移送しなければならないとされています。なお,労働審判手続における管轄……

労働審判手続において解決を求めるのに適した紛争とはどういうものですか?

 労働審判手続は,原則として,3回以内の期日において審理を終結しなければならないものと定められています。したがって,労働審判手続において解決を求めるのに適した紛争とは,権利関係について争いがあり,争点について3回以内の期日で審理を行うことが可能と思われる事件であり,具体的には,争点が比較的単純な解雇事件,未払賃金(残業代等),退職金,解雇予告手当等の支払を求める事件などが考えられます。
……

労働者の採用に関する紛争や,派遣労働者と派遣先の事業主との間に生じた紛争は,労働審判手続の対象になりますか?

 労働審判法では,労働審判手続の対象を「労働契約の存否その他の労働関係に関する事項について個々の労働者と事業主との間に生じた民事に関する紛争」としており,「労働関係に関する事項」として「労働契約の存否」が挙げられています。ここでいう「労働関係」とは,労働契約に基づく関係に限られず,事実上の使用従属関係から生じる労働者と事業主との関係も含むと解されます。労働者と事業主との間の紛争であっても,たとえば……

労働審判手続の対象となる「個別労働関係民事紛争」とはどういうものですか?

 個別労働関係民事紛争とは,労働者個人と事業主との間の解雇や雇止めの効力に関する紛争,賃金や退職金に関する紛争,安全配慮義務違反による損害の賠償を求める紛争等をいいます。
 個別労働関係民事紛争に該当するためには,個々の労働者と事業主との間の紛争であることが必要であるから,労働組合と事業主との間に生じた集団的労使紛争は,労働審判手続の対象にはなりません。
 もっとも,不……

労働審判手続は,弁護士以外にどのような人を代理人にすることができますか?

 労働審判法は,労働審判手続の代理人について,「法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか,弁護士でなければ代理人となることができない。ただし,裁判所は,当事者の権利利益の保護及び労働審判手続の円滑な進行のために必要かつ相当と認めるときは,弁護士でない者を代理人とすることを許可することができる。」と定めています。
 「法令により裁判上の行為をすることができる代理人」とは,……

労働審判制度の目的と対象を教えてください。

1.労働審判制度の目的
 近年,個々の労働者と事業主との間における労働関係に関する民事紛争が増加しており,その迅速かつ適正な解決を図ることが求められています。
 労働審判法は,このような状況に鑑み,個別の労働関係に関する民事紛争について,地方裁判所における手続として労働審判制度を設けることにより,紛争の実情に即した迅速・適正かつ実効的な解決を図ることを目的としています。……

残業代請求の訴訟における「付加金」とはどういうものですか?

 使用者が次の①~④の支払義務に違反した場合,裁判所は,労働者の請求により,使用者が支払うべき未払金のほか,これと同一額の付加金の支払を命ずることができます(労基法114条1項本文)。
 ① 解雇予告手当(労基法20条)
 ② 休業手当(労基法26条)
 ③ 時間外・休日・深夜労働の割増賃金(残業代)(労基法37条)
 ④ 年次有給休暇中の賃……

性差別が問題となる紛争を解決するための制度としては,どのようなものがありますか。

 性差別により労使の権利義務に関する紛争が生じた場合,労働審判を申し立てられたり,訴訟を提起されたりするリスクがあることは,通常の労使紛争と同様です。
 それに加え,性差別が問題となる紛争に関しては,事業主は均等法により苦情の自主的解決が求められていますし,都道府県労働局長による紛争解決の援助(助言,指導,勧告),機会均等調停会議による調停といった制度もあります。

弁護士を訴訟代理人に立てて労働訴訟を提起してきた事案の特徴を教えて下さい。

 近年では,早期に解決金を取得して労使紛争を解決することを希望する労働者は,労働審判を利用するのが通常です。本人訴訟であれば,労働審判がどのようなものかよく分からないため,訴訟を提起してきた可能性がありますが,弁護士が訴訟代理人についている場合は,労働審判ではなく訴訟を選択したことにそれなりの意味がある可能性が高いものと思われます。
 弁護士を訴訟代理人に立てて労働訴訟を提起してきた……

労働審判に異議が申し立てられて訴訟に移行した場合,最初から訴訟が提起された場合と比べて,解決までの時間が長くなってしまうのでしょうか。

 労働審判から訴訟に移行した場合,労働審判手続において既に争点の整理ができているケースが多いことから,和解交渉のため期日を重ねたというような事案でない限り,異議申立て後,判決までの期間は短くなっており,労働審判を経ずに訴訟が提起された場合と比較して,解決までの時間が長くなってしまうということは多くないようです。
 ただし,「訴状に代わる準備書面」の記載内容が労働審判手続を踏まえた内容……

労働審判に異議を申し立てて訴訟に移行した場合,どのような流れで訴訟手続が開始しますか。

 労働審判に異議を申し立てて訴訟手続に移行した場合,労働審判の代理人が引き続き訴訟を受任する場合であっても,新たに訴訟委任状を追完する必要があります。
 原告(労働審判手続における申立人)に対しては,異議申立てから2~3週間程度の間に,労働審判手続を踏まえた,「訴状に代わる準備書面」及び書証の提出,提訴手数料の追納及び郵便切手の予納が指示されることになります。
 これに……

労働審判に対し異議を申し立てるかどうかは,どのように判断すればよろしいでしょうか。

 労働審判手続で解決しておくべきか,労働審判に対し異議を申し立てて訴訟で戦うべきかの判断は,当該労働審判の内容自体の妥当性のほか,他の労働者への波及効果等をも考慮して決定すべきものです。労働審判の内容に若干の疑問があっても,問題の程度が大きくない場合や,他の労働者への波及効果が低い場合については,労働審判に異議を申し立てる必要性が低いと考えられます。
 実際の労働審判事件では,代理人……

弁護士法人四谷麹町法律事務所

〒102-0083 東京都千代田区麹町5丁目2番地 
K-WINGビル7階 TEL:03-3221-7137

Copyright ©弁護士法人四谷麹町法律事務所(東京)|解雇,残業代請求,労働審判,団体交渉,問題社員などの労働問題の対応,相談 All Rights Reserved.
Return to Top ▲Return to Top ▲