ワード:「労働審判」

労働審判に対する異議申立てを取り下げることはできますか?

 労働審判手続の結果として行われる労働審判に異議が申し立てられた場合、労働審判はその効力を失い、労働審判手続の申立て時に訴え提起がなされたものとみなされます(労働審判法21条3項、労働審判法23条1項)。
 労働審判に対する異議申し立ては、申立人、相手方いずれからもできます。しかし、申立人から労働審判に対し異議が申し立てられた場合、労働審判は訴訟へ移行し、その旨の通知が相手方にいくこ……

労働審判手続の結果として行われる「労働審判」とはどういうものですか?

 労働審判とは、個別労働関係民事紛争について当事者間の権利関係を踏まえつつ、事案の事実に即した解決をするために必要な審判をいいます(労働審判法1条)。
 たとえば、労働審判では、当事者間の権利関係を確認し、金銭の支払、物の引渡し、その他財産上の給付を命じたり、紛争解決のために相当と認める事項を定めることができます(労働審判法20条2項)。
 労働審判法20条では、「審理……

労働審判手続に参加した利害関係人は、当事者とどう違うのですか?

 労働審判手続の結果に利害関係を有する者は、労働審判委員会の許可を受けて、労働審判手続に参加することができ、また、労働審判委員会は、相当であると認めるときは、労働審判の結果について利害関係を有する者を労働審判手続に参加させることができます(労働審判法29条2項)。
 労働審判手続に参加した利害関係人は、基本的には、当事者と同様の権限を有することになります。しかし、利害関係人は、参加と……

労働審判委員会が労働審判法24条により労働審判事件を終了させるのは、どのような場合ですか?

 労働審判手続は、個別労働関係民事紛争を迅速かつ適正に解決するため、原則として3回以内の期日において審理を終了し、労働審判又は民事調停による解決を行う手続です。事案の性質が、迅速かつ適正な解決を目的とする労働審判手続に適当でない場合には、労働審判委員会は、当該労働審判事件を終了させることができます(労働審判法24条)。
 労働審判手続を行うことが適当でない事件とは、3回以内の期日で審……

労働審判手続の申立ての取り下げについて教えてください。

 労働審判手続の申立ての取下げは、申立人が、労働審判期日で行うか、取下書を裁判所に提出する方法で行わなければなりません。
 労働審判手続の申立ての取下げが、労働審判期日で行われた場合、労働審判官(裁判官)が裁判所書記官に調書の作成を命じ、裁判所書記官が、申立ての取下げがあったことを調書に記載します。
 申立人が労働審判手続の申立てを取り下げた場合の効力は、裁判所に取下書……

労働審判手続に利害関係人は参加できますか?

 労働審判手続の結果に利害関係を有する者は、労働審判委員会の許可を受けて、労働審判手続に参加することができ、また、労働審判委員会は、相当であると認めるときは、労働審判の結果について利害関係を有する者を労働審判手続に参加させることができます(労働審判法29条2項)。利害関係人が労働審判手続へ参加を申立てて、労働審判委員会の許可を受けて労働審判手続に参加する場合を「任意参加」、労働審判委員会が利害関係……

労働審判事件が訴訟に移行した時の手続の流れを教えてください。

 労働審判事件が訴訟に移行すると、立件や記録の編成などの手続を経て、労働審判委員会から裁判所に労働審判事件の記録が引き継がれます。そして、裁判長が、訴状とみなされた労働審判手続の申立書等(申立の趣旨又は理由の変更申立書及び労働審判手続の期日において口頭で申立ての趣旨又は理由の変更がされた場合におけるその労働審判期日の調書を含む。以下同じ。)の書面について審査を行います。
 労働審判事……

労働審判事件が訴訟に移行した場合には、どのようなものが訴状とみなされるのですか?

 労働審判法22条3項は、「訴えの提起があったものとみなされたときは、民事訴訟法第137条 、第138条及び第158条の規定の適用については、第5条第2項の申立書を訴状とみなす。」と規定しています。
 また、労働審判規則32条では、「法第22条第1項(法第23条第2項及び24条第2項において準用する場合を含む。)の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、民事訴訟規則第56……

労働審判事件が訴訟に移行するのはどのような場合ですか?

 労働審判事件が訴訟に移行するのは、①労働審判に対する異議の申立て、②労働審判の取消決定、③労働審判事件の終了の3つのケースです。 ① 労働審判に対する異議の申立てによる訴え提起
 労働審判について当事者から適法な異議の申立てがなされた場合、労働審判は失効し、労働審判事件が係属していた地方裁判所に訴えの提起があったものとみなされます。 ② 労働審判の取消決定による訴え提起続きを見る

労働審判手続の期日は傍聴できますか?

 労働審判手続は非公開とされていますが、労働審判委員会が相当と認める場合には、労働審判期日の傍聴を許可することができます。
 たとえば、事情をよく知る会社の担当者等、労働審判手続において参考人となるような場合に傍聴が許可されることが多い印象です。
 傍聴が許可されないケースとしては、傍聴を許可することで当事者が本音を話せなくなるおそれがある場合や、労働審判委員会の柔軟な……

労働審判員にはどのような人が任命されるのですか?

 労働審判員は、労働関係に関する専門的な知識経験を有する者のうちから、最高裁判所が任命します。
 「労働関係に関する専門的な知識経験」とは、労働者又は使用者の立場で個別紛争の処理等に実際に携わった経験及びその経験等を通じて身に付けた個別労働紛争についての実情や慣行、制度等の知識をいいます。
 労働審判員の指定は、裁判所に裁量が委ねられていますので、当事者は、これに対し不……

労働審判員は、労働審判事件においてどのようなことをするのですか?

 労働審判員は、労働審判期日に出席し、労働審判委員会の一員として、当事者の陳述を聴き、争点整理や証拠調べを行い、調停成立による解決の見込みがある場合にはこれを試み、調停成立に至らないときは労働審判を行うなど、労働審判事件の審理全般に関与します。
 また、労働審判員は、労働審判委員会の意思決定をする必要が生じたときは、その構成員として評議に参加し、決議に加わります。
 労……

労働審判手続における申立ての趣旨又は理由の変更について教えてください。

 労働審判手続では、申立人は、申立ての基礎に変更が無い限り、申立ての趣旨又は理由を変更することができます。
 労働審判委員会は、申立ての趣旨又は理由を変更することにより、3回以内の労働審判期日で審理を終結するのが困難なときは、その変更を許可しないことができます。
 申立ての趣旨又は理由の変更の許否は、新旧いずれの申立てを審理の対象にするかについて、労働審判委員会が行う手……

労働審判手続において、労働審判員に支障が生じた場合どうなりますか?

 労働審判手続は、労働審判官と労働審判員2名で組織する労働審判委員会で行う必要がありますので、労働審判員の一方に支障が生じたときに、労働審判官と他方の労働審判員だけで労働審判手続を行うことはできません。
 労働審判員の支障が一時的なものであれば、労働審判期日を変更して対応することも考えられますが、長期的な場合は、労働審判員の指定を取り消した上で、新たな労働審判員が指定されることになり……

労働審判事件において、費用負担の裁判はどのような場合に行いますか?

 裁判所又は労働審判委員会は、労働審判を含む事件を完結する裁判において、職権で、費用負担の裁判をすることが定められています。
 労働審判事件が訴訟に移行しない場合において、裁判所が必要と認めるときは、申立て又は職権で労働審判手続の費用の負担を命ずる決定をすることになります。この「裁判所が必要と認めるとき」とは、手続費用の負担者を各自とする原則(労働審判法29条1項)とは異なる判断をす……

労働審判手続における調停又は労働審判前の措置とはどういうものですか?

 労働審判委員会は、調停又は労働審判のために特に必要であると認める場合には、当事者の申立てにより、調停又は労働審判前の措置として、相手方その他事件関係人に対し、現状の変更又は物の処分の禁止その他調停又は労働審判の内容である事項の実現を不能にし又は著しく困難にさせる行為の排除を命じることができるとされています。
 この措置をとるためには、次の4つの要件が必要と考えられています。続きを見る

労働審判事件の記録について、当事者以外の者が閲覧又は謄写の請求をすることはできますか?

 労働審判事件において、当事者及び利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、労働審判事件の記録を閲覧又は謄写、その正本、謄写若しくは抄本の交付又は労働審判事件に関する事項の証明書の交付を請求することができるとされています。労働審判手続は、原則として非公開ですが、訴訟的性格が強く、当事者のみならず利害関係のある第三者も、労働審判事件の記録の内容を把握する必要性があることから、このような規定が置……

労働審判手続において、当事者の死亡等により当事者が手続を続行することができない場合はどうなりますか?

 労働審判手続では、当事者の死亡等により当事者が手続を続行することができない場合でも、手続を中断することはありません。当事者に承継人がいれば、当然に手続が承継され、承継人は実質的には当事者の地位に就くことになりますが、受継すべき者を確認し、手続の円滑な進行を図るために、承継人は書面による受継の申立てを行い、手続を受継しなければならないとされています(労働審判法29条1項等)。
 しか……

労働審判手続における「審理の終結」とはどういうものですか?

 労働審判手続における審理の終結は、労働審判委員会の裁量によって行うものであり、これを宣言することにより、当事者に対し労働審判の資料を提出する最終時期及び労働審判の資料を伝えるとともに、労働審判委員が迅速に労働審判を行うことを可能にしたりします。
 また、労働審判委員会は、必要があるときは、終結した審理を再開することもできます。ただし、審理の終結を宣言した後に、新たな資料が提出された……

労働審判手続の分離や合併は、どのような場合に行われるのですか?

 労働審判事件の分離とは、1つの労働審判事件において複数の申立てが併合されている場合に、申立てごとに個別の手続に分けることをいいます。主に主観的併合の事件について、審理は併合して進行し、労働審判を行う段階で手続を分離することが考えられますが、手続によっては、審理の段階で分離することも考えられます。
 労働審判手続の合併とは、同一の裁判所において別個に係属する複数の労働審判事件を、同じ……

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