労働問題712 労働審判手続の期日に当事者が欠席した場合、手続の進行はどうなるのでしょうか?

 労働審判手続は、労働審判期日に当事者双方が出頭し、労働審判委員会が双方の主張を聴取しながら真実に迫っていく手続であり、原則、3回以内の期日で審理を終了しなければならないため、当事者は、期日を無駄にすることのないよう、必ず出頭することが求められています。
 しかし、実際に当事者の一方が労働審判期日を欠席した場合は、出頭している当事者の方から主張等を聴いて審理を進めることが可能なことから、労働審判委員会が相当であると判断したときは、審理を行うことになると思われます。
 例えば、相手方が全く連絡することなく労働審判期日を欠席した場合は、申立人に主張・立証を行わせ、申立人の言い分が相当と認められるのであれば、申立人の意向を確認した上で、申立人の言い分どおりの労働審判が行われることが考えられます。もっとも、審理を慎重に進めるため又は当事者の納得を得られやすくするために、次回の労働審判期日を指定し、相手方に対して呼出しを行い、それでも相手方が欠席した場合に、同様の手続を行うということも考えられます。
 申立人が連続して2回、呼び出しを受けた労働審判期日に出頭せず、又は呼出しを受けた労働審判期日において陳述をしないで退席したときは、裁判所は申立ての取り下げがあったものとみなすことができます。

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